「ふざけてはないの? 本当? 一目[漢字]惚[/漢字][ふりがな]ぼ[/ふりがな]れ?」
馨が突っかかった。
「一目惚れ! だってめっちゃ美人じゃんあの人!」
確かに、凱はとつぶやく。
「そっか」
妹が美人と言われて嬉しくなったのだろう、馨は微笑んだ。
「つか何でいなくなんの!?」
「何でーって……大人の事情?」
大人の事情。久世は、『復讐』と言っていた。よくわからない。
「大人ぁ? 馨さん今いくつなの!?」
「今年で十九」
それは凱君は既に知っている。
「十九? それは大人か? 子どもか?」
斎が訝しげにしている。馨が笑って答える。
「大人大人。立派な大人。」
個人差もあるだろうが、馨くらいしっかりしているのなら大人だろう。斎なら……おそらくまだ子どもかもしれないが。
「そういえば、久世さんは今おいくつなんですか?」
「久世? 久世は今年で十八。俺と年子」
「そうなんですか。……縁談とかはあるんですか」
十八となれば、結婚話が出てきてもおかしくはない年だ。既に嫁ぐ人もいるくらいである。
「え! 久世さん結婚すんの!?」
斎が大げさに驚く。その様子に、馨が苦笑した。
「縁談はまだないし、多分しばらくは結婚しないよ」
「そうなんだ、あーよかった〜」
斎は一体、何の心配をしているのだろうか。
そのような感じでしばらく話して、昼になると斎が調達してきた弁当を三人で食べた。
夏もそのうち来て、初対面である馨と挨拶していた。
斎はもうすっかり上達したらしい吹き矢で遊んでいた。馨と一緒に吹き矢用の的も作って遊ばせてみたが、ほぼ[漢字]中[/漢字][ふりがな]あた[/ふりがな]っていて驚いた。
そろそろ[漢字]黄昏[/漢字][ふりがな]たそがれ[/ふりがな]時になり、馨と凱は帰ることになった。
一緒に鳥居をくぐる。家の周辺まで送ってくれることになった。まるで出会って日も浅かった頃が思い出された。
歩きつつ、話す。
「昨日、久世がそっちにいったんだっけ。おもてなし、どうもありがとう」
「あ、いえ、大丈夫です」
「まさか行くと言い出すなんて思わなくて。久世には辛いかもなぁ、って思ってたから」
「あ……」
ハッとした。泣いていた久世の顔が思い出された。
「……凱君?」
それに気づいた馨がこちらを覗き込む。
「心当たりでもあるの?」
「えっ……と……耐えられない、みたいなことを言っていて。あと、帰り際に泣いてました」
もう少し詳しく話そうかと思ったが、馨はそれだけで十分察したようだった。
「そう……」
馨が黙ってしまう。
馨が突っかかった。
「一目惚れ! だってめっちゃ美人じゃんあの人!」
確かに、凱はとつぶやく。
「そっか」
妹が美人と言われて嬉しくなったのだろう、馨は微笑んだ。
「つか何でいなくなんの!?」
「何でーって……大人の事情?」
大人の事情。久世は、『復讐』と言っていた。よくわからない。
「大人ぁ? 馨さん今いくつなの!?」
「今年で十九」
それは凱君は既に知っている。
「十九? それは大人か? 子どもか?」
斎が訝しげにしている。馨が笑って答える。
「大人大人。立派な大人。」
個人差もあるだろうが、馨くらいしっかりしているのなら大人だろう。斎なら……おそらくまだ子どもかもしれないが。
「そういえば、久世さんは今おいくつなんですか?」
「久世? 久世は今年で十八。俺と年子」
「そうなんですか。……縁談とかはあるんですか」
十八となれば、結婚話が出てきてもおかしくはない年だ。既に嫁ぐ人もいるくらいである。
「え! 久世さん結婚すんの!?」
斎が大げさに驚く。その様子に、馨が苦笑した。
「縁談はまだないし、多分しばらくは結婚しないよ」
「そうなんだ、あーよかった〜」
斎は一体、何の心配をしているのだろうか。
そのような感じでしばらく話して、昼になると斎が調達してきた弁当を三人で食べた。
夏もそのうち来て、初対面である馨と挨拶していた。
斎はもうすっかり上達したらしい吹き矢で遊んでいた。馨と一緒に吹き矢用の的も作って遊ばせてみたが、ほぼ[漢字]中[/漢字][ふりがな]あた[/ふりがな]っていて驚いた。
そろそろ[漢字]黄昏[/漢字][ふりがな]たそがれ[/ふりがな]時になり、馨と凱は帰ることになった。
一緒に鳥居をくぐる。家の周辺まで送ってくれることになった。まるで出会って日も浅かった頃が思い出された。
歩きつつ、話す。
「昨日、久世がそっちにいったんだっけ。おもてなし、どうもありがとう」
「あ、いえ、大丈夫です」
「まさか行くと言い出すなんて思わなくて。久世には辛いかもなぁ、って思ってたから」
「あ……」
ハッとした。泣いていた久世の顔が思い出された。
「……凱君?」
それに気づいた馨がこちらを覗き込む。
「心当たりでもあるの?」
「えっ……と……耐えられない、みたいなことを言っていて。あと、帰り際に泣いてました」
もう少し詳しく話そうかと思ったが、馨はそれだけで十分察したようだった。
「そう……」
馨が黙ってしまう。
- 1.第一章 始まり(1)
- 2.第一章 始まり(2)
- 3.第一章 始まり(3)
- 4.第一章 始まり(4)
- 5.第一章 始まり(5)
- 6.第一章 始まり(6)
- 7.第一章 始まり(7)
- 8.第一章 始まり(8)
- 9.第一章 始まり(9)
- 10.第一章 始まり(10)
- 11.第一章 始まり(11)
- 12.第一章 始まり(12)
- 13.第一章 始まり(13)
- 14.第二章 彼の妹(1)
- 15.第二章 彼の妹(2)
- 16.第二章 彼の妹(3)
- 17.第二章 彼の妹(4)
- 18.第二章 彼の妹(5)
- 19.第二章 彼の妹(6)
- 20.第二章 彼の妹(7)
- 21.第二章 彼の妹(8)
- 22.第二章 彼の妹(9)
- 23.第二章 彼の妹(10)
- 24.第二章 彼の妹(11)
- 25.第二章 彼の妹(12)
- 26.第二章 彼の妹(13)
- 27.第二章 彼の妹(14)
- 28.第二章 彼の妹(15)
- 29.第二章 彼の妹(16)
- 30.第二章 彼の妹(17)
- 31.第二章 彼の妹(18)
- 32.第二章 彼の妹(19)
- 33.第二章 彼の妹(20)
- 34.第三章 神社(1)
- 35.第三章 神社(2)
- 36.第三章 神社(3)
- 37.第三章 神社(4)
- 38.第三章 神社(5)
- 39.第三章 神社(6)
- 40.第三章 神社(7)
- 41.第三章 神社(8)
- 42.第三章 神社(9)
- 43.第三章 神社(10)
- 44.第三章 神社(11)
- 45.第三章 神社(12)
- 46.第三章 神社(13)
- 47.第三章 神社(14)
- 48.第三章 神社(15)
- 49.第三章 神社(16)
- 50.第三章 神社(17)
- 51.第三章 神社(18)
- 52.第三章 神社(19)
- 53.第三章 神社(20)
- 54.第三章 神社(21)
- 55.第三章 神社(22)
- 56.第三章 神社(23)
- 57.第四章 別れ(1)
- 58.第四章 別れ(2)
- 59.第四章 別れ(3)
- 60.第四章 別れ(4)
- 61.第四章 別れ(5)
- 62.第四章 別れ(6)
- 63.第四章 別れ(7)
- 64.第四章 別れ(8)
- 65.第四章 別れ(9)
- 66.第四章 別れ(10)
- 67.第五章 異変(1)
- 68.第五章 異変(2)
- 69.第五章 異変(3)
- 70.第五章 異変(4)
- 71.第五章 異変(5)
- 72.第五章 異変(6)
- 73.第五章 異変(7)
- 74.第五章 異変(8)
- 75.第五章 異変(9)
- 76.第五章 異変(10)
- 77.第五章 異変(11)
- 78.第五章 異変(12)
- 79.第五章 異変(13)
- 80.第五章 異変(14)
- 81.第五章 異変(15)
- 82. 第五章 異変(16)
- 83.第五章 異変(17)
- 84.第五章 異変(18)
- 85.第五章 異変(19)
- 86.第五章 異変(20)
- 87.第六章 真実(1)
- 88.第六章 真実(2)
- 89.第六章 真実(3)
- 90.第六章 真実(4)
- 91.第六章 真実(5)
- 92.第六章 真実(6)
- 93.第六章 真実(7)
- 94.第六章 真実(8)
- 95.第六章 真実(9)
- 96.第六章 真実(10)
- 97.第六章 真実(11)
- 98.第六章 真実(12)
- 99.第六章 真実(13)
- 100.第六章 真実(14)
- 101.第六章 真実(15)
- 102.第六章 真実(16)
- 103.第六章 真実(17)
- 104.第六章 真実(18)
- 105.第六章 真実(19)
- 106.第七章 闘い(1)
- 107.第七章 闘い(2)
- 108.第七章 闘い(3)
- 109.第七章 闘い(4)
- 110.第七章 闘い(5)
- 111.第七章 闘い(6)
- 112.第七章 闘い(7)
- 113.第七章 闘い(8)
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- 118.第七章 闘い(13)
- 119.第七章 闘い(14)
- 120.第七章 闘い(15)
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- 126.第七章 闘い(21)
- 127.第七章 闘い(22)
- 128.第七章 闘い(23)
- 129.第七章 闘い(24)
- 130.第七章 闘い(25)
- 131.【幕間】作品解説という名の、作者の妄想ネタを吐き出す場
- 132.第八章 再会(1)
- 133.第八章 再会(2)
- 134.第八章 再会(3)
- 135.第八章 再会(4)
- 136.第八章 再会(5)
- 137.第八章 再会(6)