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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#54

第三章 神社(21)

「あんまり続くようだと、夏さんに言いつけるよ」
「え!?やだ!それだけは勘弁して!小遣い減らされたくなーい」
「いや、もうきっとただでさえ少ないでしょ。あんなことがあったんだし」
「そうなんだよ〜……ってそもそも貰ってないけど」
 そういえば神馬を学校に連れてきて怒られていたことがあったような。
「斎も災難だねー……って僕にも感謝してよ? 起きない斎を背負って逃げ回ったんだから」
「あー、そういえばそうだったなー、ありがとな〜」
 とっても軽く、斎が答えた。
「あの後、体調は———って大丈夫そうだね、悪戯しているくらいだし」
「そーそー、俺はめちゃくちゃ元気だよー。あ、そうだ、ちょうどいいしさ、ついでにさ、吹き矢の練習しねぇ?」
「なんでそうなるの」
「えー、ダメ?」
 斎が 子供のように上目遣いでこちらを見てくる。ため息を吐いた。いつもの展開だ。
「……いいよ、でも、まだ休んでいたほうがいいと思うけど」
「だいじょぶだいじょぶ、そんじゃやろー」

 あれから吹き矢をしながらしばらく時間が過ぎて、「あまり長居していると母さんに叱られるから」と凱は帰ろうとした。
「えー、もう帰んのー?早くね?」
「うーん……でも、帰らなきゃいけないし」
「しょうがねぇなぁ……」
 斎がガックリと肩を落とす。その肩を凱はぽんぽんと叩いて慰めた。
 そのとき、斎が何かを思い出したように、急に顔を上げた。
「どうしたの?」
「あのさ、この前 鬼が襲ってきたじゃん?」
「……? うん」
「その二日後三日後?くらいの夜にさ、なんか鬼がいたところにわらわら人が集まってきてたんだって」
「えっと……野次馬?」
「違うと思う、だってあの人たち普通じゃないもん、なんか、なんというか、圧迫感?というかあの人たちがいる空間だけ 異質です!みたいな感じ」
「『異質です』?」
「そうそう、男の人と女の人と何人かいてさ。何か話してるのは分かるけど、話し声が全くしなくて、あと、ときどきぽつぽつといろんな色の光の球?みたいなのが光ってて。すごく奇妙だったんだよね、それでじーっと様子を見てたらさ、一人女の人が振り返ったの」
 斎が、聞いて驚くなよ?というような目で凱を見る。
「で、で、その人[漢字]久世[/漢字][ふりがな]くぜ[/ふりがな]さんだったんだよね、別人感が半端じゃなかったけど、絶対そう!」
 久世。久しぶりに聞いた名前に凱は息を呑んだ。馨の妹だ。兄妹で出かけていたようだが、帰ってきたのだろうか。
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2025/11/11 14:57

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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