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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#53

第三章 神社(20)

 確かによく考えたら、あの状況で部外者を呼ぶ人がいるとは思えない。
「まあいいわ。来てくれてありがとう、凱君。斎のことは私がなんとかするわ、もう帰っていらっしゃい」
 夏が凱の両肩を持ち、くるっと方向を変えさせる。
「……わかりました。夏さんも、お気をつけて。」
 疑問に思いながらも、凱は夏に頭を下げ、家路に着いた。

[水平線]
 あれから十日ほどの時間が経った。
 あの後、新代神社は亡くなった巫女二人の葬儀や壊れたところの修繕などで忙しくしていた。
 斎はあの翌日に目を覚ました。
 父親である宮司に逃がされ、逃げている途中で鬼と出くわしてしまったらしい。鬼の妖気に当てられ続けたために、気を失ってしまったのだろうということだった。
 霊力者でない人は、あの妖気には耐えられないのだという。
 凱も結局、母たちが帰ってくるまで一歩も外に出られなかった。
 事情を聞いた母からもひどく心配されたり、安堵されたりした。
「[漢字]龍二[/漢字][ふりがな]りゅうじ[/ふりがな]さんが来てくれたんですってね。本当によかったわ、あの人は腕が立つから———」

 やがて凱は斎の見舞いに行くことを許され、再び新代神社に足を踏み入れた。
 無惨に壊されていた鳥居は、もう修繕されていた。
(わあ、早いなぁ)
 凱は感心しながら、神社から少し外れた斎たちが住んでいる邸に向かう。
 邸の前まで来ると、がらがらと玄関の扉が開く音がして、中から人が出てきた。確か権宮司だ。この前斎に神社へ案内されたときに、遠目で見たことがある。
 あのとき確か、怪我を[漢字]免[/漢字][ふりがな]まぬか[/ふりがな]れたと聞いた。
 権宮司が凱に気づき、頭を下げる。
「こんにちは」
「こんにちは。お邪魔します」
 凱も挨拶を返し、邸の中へ入った。
「お邪魔しま……す」
 言いつつ玄関の戸を開けると、突然額のあたりに何かがごつんと飛んできた。
 当たった額を押さえつつそれを見ると、それは矢のようだ。
 斎が飛ばしたのだろうかと思う間もなく、
「ひゃっほ〜、大当たり〜」
 奥から聞き慣れた声が聞こえた。
 安堵と呆れをこめて、凱はその方向を見た。もうすっかり本調子となったらしい。
「……見舞いに来た人に悪戯するのは良くないよ」
「いやー、あまりにも暇すぎるから、吹き矢の練習してたんですよ〜。ほら、結構上手かったでしょ?」
 斎はこれをやると決めると上達が早い方である。といえど。
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2025/11/11 14:55

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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