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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#48

第三章 神社(15)

 翌朝。
(うーん、朝が来ちゃったけど、結局どうしよう……斎の家に行こうかな……?あーでも罰を手伝わされるとかだったら勘弁だし……)
 起きて布団を片付けながら、凱は考えた。
 留守番というものは暇なものだと思った。 姉と話せるだろうかと少しだけ期待して家に留まったが、姉とは顔を合わせても特に話す内容が見つからない。 姉も同じらしく、話しかけてもこなかった。
 下階に降りると、すでに朝食は準備されてあった。
 さっさと食べ終わると、使用人が食器を下げていった。
 それを見送りつつ、 (やっぱり斎の家に行くのはやめようかな) と思い出しようになった。
 なんとなく考えるのが[漢字]億劫[/漢字][ふりがな]おっくう[/ふりがな]になってきたのだ。 とりあえず自室に行き、おもむろに机の引き出しから本を取り出す。父が 珍しいから、勉強になるからと凱に買ったものだ。
 さっそく読んでみたが、内容が難しいのとつまらないのとでよく分からない。 結局あまり進まないうちに時間が経った。

 ばたばたと窓のあたりで音がした。
 不思議に思って、凱は本を机に置き、窓辺まで寄る。
 窓の向こうで鳥のような影が羽を動かしている。
 そっと凱が窓を開けるとそこには鳩がいた。 伝書鳩だろう、確か斎の家にいた気がする。
 鳩の足には何か紙がくくりつけられてあった。 凱はその紙を取って見る。

[水平線]
 紙を見てすぐに家を出て、凱は斎の家を目指して走っていた。
『新代神社ニ鬼ラシキ妖怪襲撃。既ニ巫女二人死亡』
 伝書鳩が持ってきた情報はそれだった。新代神社とは斎の家である神社の名前である。
 妖怪が襲撃してきたという。死人が二人出るほど、状況は深刻なのだろう。
 凱にはどうにもならないだろうと考え、一度立ち止まってずっと握りしめていた例の紙を取り出した。 紙の空いている場所を破り、式を作る。
 式とは紙に術をかけて自在に扱うもののことである。霊力者にしか作れない。 まだ任務にはついていないとはいえ、凱も霊力者である。式の作り方くらいは心得ている。
 ささっと作り終え、それに父への伝言を託す。
 父はもう知っているかも知れないが、伝えるに越したことはないだろう。
「新代神社に鬼が襲撃してきたって。すぐに来てください。」
 伝言を預かった式は空に浮かび、飛んでいく。
 凱はそれを見届け、再び走り出した。
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2025/11/11 14:41

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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