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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#47

第三章 神社(14)

 帰り道。
 それなりに慣れている道を歩いている途中、凱は背後に視線を感じた。
(つけられてる……?)
 だが背後を振り返ってみても誰もおらず———。
(———っっ!!?)
 [漢字]刹那[/漢字][ふりがな]せつな[/ふりがな]、強烈な——凍るような感覚を背筋に覚えた。
 長くここに居てはいけない。直感でそう感じた。
(早く———帰らなきゃ……!!)
 凱は地面を蹴り、その場を走り始めた。

 時庭家の邸に着くやいなや、凱は半ば強引に中に入った。
 がたがたばたんっ と大きな音を立てて玄関の扉が閉まる。
 はあはあと、息が切れていた。
 まだ恐怖が残っていたが、もう視線は感じない。安堵すると、靴を脱ぐのも忘れてその場にへたり込んだ。
 奥からばたばたと音がした。
「凱さん……!? どうかなさったんですか!?」
 姉だった。おそらく、玄関から大きな音がしたので驚いたのだろう。
「姉さん……」
「と、とりあえず、早くお上がりになってください」
 そう言われて、やっと凱は靴をまだ脱いでいないことに気づいた。
 緩慢な動作で脱ぎ、下駄箱に仕舞う。そしてよいしょと凱は自分の身体を立ち上がらせた。
「凱さん……? 大丈夫ですか……?」
「大丈夫……心配してくれてありがとう」
 姉がそれでも心配そうに凱を見る。
「とりあえず、荷物を持ちましょう。」
 そう言って姉は荷物を持つ。
「え、えっと、ほんとに大丈夫だから、自分で持つよ」
 なんとなく凱は申し訳なくなった。姉から荷物を受けとる。
「夕食はお取りになりましたか?お風呂には入られましたか?もしまだなら、準備いたしますが———」
「あ、そっか、お風呂をお願いしようかな、その間、支度とかやっているから」
 凱がそう言うと、姉は「分かりました」と応じて、 風呂場まで行ってしまった。
 姉が用意してくれた風呂にささっと入り、寝る支度をして布団の中に入った。

(明日は、[漢字]斎[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]の家に行こうか、どうしようかな)
 また行ったら、今度は本当に罰を手伝わされそうだ。それは正直言って、やりたくない。
 だが、行かないのもどこか斎に申し訳ない。
 あれこれと考えたが、結局明日の朝の気分で決めようと考え、凱は眠りについた。
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2025/11/11 14:40

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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