帰り道。
それなりに慣れている道を歩いている途中、凱は背後に視線を感じた。
(つけられてる……?)
だが背後を振り返ってみても誰もおらず———。
(———っっ!!?)
[漢字]刹那[/漢字][ふりがな]せつな[/ふりがな]、強烈な——凍るような感覚を背筋に覚えた。
長くここに居てはいけない。直感でそう感じた。
(早く———帰らなきゃ……!!)
凱は地面を蹴り、その場を走り始めた。
時庭家の邸に着くやいなや、凱は半ば強引に中に入った。
がたがたばたんっ と大きな音を立てて玄関の扉が閉まる。
はあはあと、息が切れていた。
まだ恐怖が残っていたが、もう視線は感じない。安堵すると、靴を脱ぐのも忘れてその場にへたり込んだ。
奥からばたばたと音がした。
「凱さん……!? どうかなさったんですか!?」
姉だった。おそらく、玄関から大きな音がしたので驚いたのだろう。
「姉さん……」
「と、とりあえず、早くお上がりになってください」
そう言われて、やっと凱は靴をまだ脱いでいないことに気づいた。
緩慢な動作で脱ぎ、下駄箱に仕舞う。そしてよいしょと凱は自分の身体を立ち上がらせた。
「凱さん……? 大丈夫ですか……?」
「大丈夫……心配してくれてありがとう」
姉がそれでも心配そうに凱を見る。
「とりあえず、荷物を持ちましょう。」
そう言って姉は荷物を持つ。
「え、えっと、ほんとに大丈夫だから、自分で持つよ」
なんとなく凱は申し訳なくなった。姉から荷物を受けとる。
「夕食はお取りになりましたか?お風呂には入られましたか?もしまだなら、準備いたしますが———」
「あ、そっか、お風呂をお願いしようかな、その間、支度とかやっているから」
凱がそう言うと、姉は「分かりました」と応じて、 風呂場まで行ってしまった。
姉が用意してくれた風呂にささっと入り、寝る支度をして布団の中に入った。
(明日は、[漢字]斎[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]の家に行こうか、どうしようかな)
また行ったら、今度は本当に罰を手伝わされそうだ。それは正直言って、やりたくない。
だが、行かないのもどこか斎に申し訳ない。
あれこれと考えたが、結局明日の朝の気分で決めようと考え、凱は眠りについた。
それなりに慣れている道を歩いている途中、凱は背後に視線を感じた。
(つけられてる……?)
だが背後を振り返ってみても誰もおらず———。
(———っっ!!?)
[漢字]刹那[/漢字][ふりがな]せつな[/ふりがな]、強烈な——凍るような感覚を背筋に覚えた。
長くここに居てはいけない。直感でそう感じた。
(早く———帰らなきゃ……!!)
凱は地面を蹴り、その場を走り始めた。
時庭家の邸に着くやいなや、凱は半ば強引に中に入った。
がたがたばたんっ と大きな音を立てて玄関の扉が閉まる。
はあはあと、息が切れていた。
まだ恐怖が残っていたが、もう視線は感じない。安堵すると、靴を脱ぐのも忘れてその場にへたり込んだ。
奥からばたばたと音がした。
「凱さん……!? どうかなさったんですか!?」
姉だった。おそらく、玄関から大きな音がしたので驚いたのだろう。
「姉さん……」
「と、とりあえず、早くお上がりになってください」
そう言われて、やっと凱は靴をまだ脱いでいないことに気づいた。
緩慢な動作で脱ぎ、下駄箱に仕舞う。そしてよいしょと凱は自分の身体を立ち上がらせた。
「凱さん……? 大丈夫ですか……?」
「大丈夫……心配してくれてありがとう」
姉がそれでも心配そうに凱を見る。
「とりあえず、荷物を持ちましょう。」
そう言って姉は荷物を持つ。
「え、えっと、ほんとに大丈夫だから、自分で持つよ」
なんとなく凱は申し訳なくなった。姉から荷物を受けとる。
「夕食はお取りになりましたか?お風呂には入られましたか?もしまだなら、準備いたしますが———」
「あ、そっか、お風呂をお願いしようかな、その間、支度とかやっているから」
凱がそう言うと、姉は「分かりました」と応じて、 風呂場まで行ってしまった。
姉が用意してくれた風呂にささっと入り、寝る支度をして布団の中に入った。
(明日は、[漢字]斎[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]の家に行こうか、どうしようかな)
また行ったら、今度は本当に罰を手伝わされそうだ。それは正直言って、やりたくない。
だが、行かないのもどこか斎に申し訳ない。
あれこれと考えたが、結局明日の朝の気分で決めようと考え、凱は眠りについた。
- 1.第一章 始まり(1)
- 2.第一章 始まり(2)
- 3.第一章 始まり(3)
- 4.第一章 始まり(4)
- 5.第一章 始まり(5)
- 6.第一章 始まり(6)
- 7.第一章 始まり(7)
- 8.第一章 始まり(8)
- 9.第一章 始まり(9)
- 10.第一章 始まり(10)
- 11.第一章 始まり(11)
- 12.第一章 始まり(12)
- 13.第一章 始まり(13)
- 14.第二章 彼の妹(1)
- 15.第二章 彼の妹(2)
- 16.第二章 彼の妹(3)
- 17.第二章 彼の妹(4)
- 18.第二章 彼の妹(5)
- 19.第二章 彼の妹(6)
- 20.第二章 彼の妹(7)
- 21.第二章 彼の妹(8)
- 22.第二章 彼の妹(9)
- 23.第二章 彼の妹(10)
- 24.第二章 彼の妹(11)
- 25.第二章 彼の妹(12)
- 26.第二章 彼の妹(13)
- 27.第二章 彼の妹(14)
- 28.第二章 彼の妹(15)
- 29.第二章 彼の妹(16)
- 30.第二章 彼の妹(17)
- 31.第二章 彼の妹(18)
- 32.第二章 彼の妹(19)
- 33.第二章 彼の妹(20)
- 34.第三章 神社(1)
- 35.第三章 神社(2)
- 36.第三章 神社(3)
- 37.第三章 神社(4)
- 38.第三章 神社(5)
- 39.第三章 神社(6)
- 40.第三章 神社(7)
- 41.第三章 神社(8)
- 42.第三章 神社(9)
- 43.第三章 神社(10)
- 44.第三章 神社(11)
- 45.第三章 神社(12)
- 46.第三章 神社(13)
- 47.第三章 神社(14)
- 48.第三章 神社(15)
- 49.第三章 神社(16)
- 50.第三章 神社(17)
- 51.第三章 神社(18)
- 52.第三章 神社(19)
- 53.第三章 神社(20)
- 54.第三章 神社(21)
- 55.第三章 神社(22)
- 56.第三章 神社(23)
- 57.第四章 別れ(1)
- 58.第四章 別れ(2)
- 59.第四章 別れ(3)
- 60.第四章 別れ(4)
- 61.第四章 別れ(5)
- 62.第四章 別れ(6)
- 63.第四章 別れ(7)
- 64.第四章 別れ(8)
- 65.第四章 別れ(9)
- 66.第四章 別れ(10)
- 67.第五章 異変(1)
- 68.第五章 異変(2)
- 69.第五章 異変(3)
- 70.第五章 異変(4)
- 71.第五章 異変(5)
- 72.第五章 異変(6)
- 73.第五章 異変(7)
- 74.第五章 異変(8)
- 75.第五章 異変(9)
- 76.第五章 異変(10)
- 77.第五章 異変(11)
- 78.第五章 異変(12)
- 79.第五章 異変(13)
- 80.第五章 異変(14)
- 81.第五章 異変(15)
- 82. 第五章 異変(16)
- 83.第五章 異変(17)
- 84.第五章 異変(18)
- 85.第五章 異変(19)
- 86.第五章 異変(20)
- 87.第六章 真実(1)
- 88.第六章 真実(2)
- 89.第六章 真実(3)
- 90.第六章 真実(4)
- 91.第六章 真実(5)
- 92.第六章 真実(6)
- 93.第六章 真実(7)
- 94.第六章 真実(8)
- 95.第六章 真実(9)
- 96.第六章 真実(10)
- 97.第六章 真実(11)
- 98.第六章 真実(12)
- 99.第六章 真実(13)
- 100.第六章 真実(14)
- 101.第六章 真実(15)
- 102.第六章 真実(16)
- 103.第六章 真実(17)
- 104.第六章 真実(18)
- 105.第六章 真実(19)
- 106.第七章 闘い(1)
- 107.第七章 闘い(2)
- 108.第七章 闘い(3)
- 109.第七章 闘い(4)
- 110.第七章 闘い(5)
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- 129.第七章 闘い(24)
- 130.第七章 闘い(25)
- 131.【幕間】作品解説という名の、作者の妄想ネタを吐き出す場
- 132.第八章 再会(1)
- 133.第八章 再会(2)
- 134.第八章 再会(3)
- 135.第八章 再会(4)
- 136.第八章 再会(5)
- 137.第八章 再会(6)