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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#46

第三章 神社(13)

 邸に入り、応接間に通される。ここは他の邸と同じ造りらしい。
「ここで待っていて」と言って、夏と斎は行ってしまった。
 部屋の様子などを見ながらしばらく待っていると、再び二人はやってきた。
 二人とも両手に料理を持っていて、座布団まで来ると静かにその前にそれを置く。
「斎、凱君のも持ってきて」
「へーい」
 夏に言われた斎はぱたぱたと歩いて部屋から出る。
 そう時間も経たないうちに斎は料理を片手に戻ってきて、凱の前に置いた。
「そんじゃ父ちゃんたちもまだ仕事中だし さくさくと食べちゃいますか〜」
 斎がご機嫌そうにそう言い、三人で食べた。
 斎が精進料理と例える食事はどのようなものかと身構えが、案外品数が多く、美味しかった。
 ただ、これを毎日毎日食べていたら飽きるかもしれない。自分たちで用意するなら、内容も似たり寄ったりになりやすいだろう。
 食事を口に運ぶ合間に、凱は斎に話しかけた。
「ところで他の神職さまはどうしているの?いつも遅くまで仕事しているの?」
「んー、まあ、そうだよ、大忙し大忙し。年末年始なんてみんな死んだ魚の目してるし」
「わあ……大変そう」
「大変だろ〜?ちなみに俺も手伝いに駆り出される羽目になるんだよなー。みんなでゆるゆる仲良くお節料理、なんて夢のまた夢さー……ってあとちょっとで地獄の年末年始じゃんどーしよ母ちゃん、凱助けて!」
「助ける余裕なんてありゃしませんよ! だいたいあなたは今罰を免除してやっている分、年末年始はいつも以上に働いてもらいますからね!」
 母の言葉に斎は「ひえー」と頭を抱える。
 こんな調子で食事を食べ終えた。
「凱ー、これからどうすんの? 日も暮れちゃったし、これから帰るの?」
「んー、まあ、帰ろうかな、姉さんのこともあるし」
「そっかー、しょうがないなー、気をつけろよー」
「慣れたことだよ」
 そのとき夏が口を挟んだ。
「それなら、斎には免除していた罰を再開させましょうか」
「ええっ!? 凱、やっぱ帰らないで!」
「そう言われても、帰るつもりだよ」
「やだー!罰則やだー!」
「斎、人が帰る邪魔をしない!」
 夏に叱られ、斎がしょんぼりとした顔で「じゃあまたなぁ、凱ぃ……」と呟く。
 この世の終わりを見たかのようなその様子がなんだかおかしく、凱は思わずくすくす笑ってしまった。
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2025/11/11 14:39

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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