邸に入り、応接間に通される。ここは他の邸と同じ造りらしい。
「ここで待っていて」と言って、夏と斎は行ってしまった。
部屋の様子などを見ながらしばらく待っていると、再び二人はやってきた。
二人とも両手に料理を持っていて、座布団まで来ると静かにその前にそれを置く。
「斎、凱君のも持ってきて」
「へーい」
夏に言われた斎はぱたぱたと歩いて部屋から出る。
そう時間も経たないうちに斎は料理を片手に戻ってきて、凱の前に置いた。
「そんじゃ父ちゃんたちもまだ仕事中だし さくさくと食べちゃいますか〜」
斎がご機嫌そうにそう言い、三人で食べた。
斎が精進料理と例える食事はどのようなものかと身構えが、案外品数が多く、美味しかった。
ただ、これを毎日毎日食べていたら飽きるかもしれない。自分たちで用意するなら、内容も似たり寄ったりになりやすいだろう。
食事を口に運ぶ合間に、凱は斎に話しかけた。
「ところで他の神職さまはどうしているの?いつも遅くまで仕事しているの?」
「んー、まあ、そうだよ、大忙し大忙し。年末年始なんてみんな死んだ魚の目してるし」
「わあ……大変そう」
「大変だろ〜?ちなみに俺も手伝いに駆り出される羽目になるんだよなー。みんなでゆるゆる仲良くお節料理、なんて夢のまた夢さー……ってあとちょっとで地獄の年末年始じゃんどーしよ母ちゃん、凱助けて!」
「助ける余裕なんてありゃしませんよ! だいたいあなたは今罰を免除してやっている分、年末年始はいつも以上に働いてもらいますからね!」
母の言葉に斎は「ひえー」と頭を抱える。
こんな調子で食事を食べ終えた。
「凱ー、これからどうすんの? 日も暮れちゃったし、これから帰るの?」
「んー、まあ、帰ろうかな、姉さんのこともあるし」
「そっかー、しょうがないなー、気をつけろよー」
「慣れたことだよ」
そのとき夏が口を挟んだ。
「それなら、斎には免除していた罰を再開させましょうか」
「ええっ!? 凱、やっぱ帰らないで!」
「そう言われても、帰るつもりだよ」
「やだー!罰則やだー!」
「斎、人が帰る邪魔をしない!」
夏に叱られ、斎がしょんぼりとした顔で「じゃあまたなぁ、凱ぃ……」と呟く。
この世の終わりを見たかのようなその様子がなんだかおかしく、凱は思わずくすくす笑ってしまった。
「ここで待っていて」と言って、夏と斎は行ってしまった。
部屋の様子などを見ながらしばらく待っていると、再び二人はやってきた。
二人とも両手に料理を持っていて、座布団まで来ると静かにその前にそれを置く。
「斎、凱君のも持ってきて」
「へーい」
夏に言われた斎はぱたぱたと歩いて部屋から出る。
そう時間も経たないうちに斎は料理を片手に戻ってきて、凱の前に置いた。
「そんじゃ父ちゃんたちもまだ仕事中だし さくさくと食べちゃいますか〜」
斎がご機嫌そうにそう言い、三人で食べた。
斎が精進料理と例える食事はどのようなものかと身構えが、案外品数が多く、美味しかった。
ただ、これを毎日毎日食べていたら飽きるかもしれない。自分たちで用意するなら、内容も似たり寄ったりになりやすいだろう。
食事を口に運ぶ合間に、凱は斎に話しかけた。
「ところで他の神職さまはどうしているの?いつも遅くまで仕事しているの?」
「んー、まあ、そうだよ、大忙し大忙し。年末年始なんてみんな死んだ魚の目してるし」
「わあ……大変そう」
「大変だろ〜?ちなみに俺も手伝いに駆り出される羽目になるんだよなー。みんなでゆるゆる仲良くお節料理、なんて夢のまた夢さー……ってあとちょっとで地獄の年末年始じゃんどーしよ母ちゃん、凱助けて!」
「助ける余裕なんてありゃしませんよ! だいたいあなたは今罰を免除してやっている分、年末年始はいつも以上に働いてもらいますからね!」
母の言葉に斎は「ひえー」と頭を抱える。
こんな調子で食事を食べ終えた。
「凱ー、これからどうすんの? 日も暮れちゃったし、これから帰るの?」
「んー、まあ、帰ろうかな、姉さんのこともあるし」
「そっかー、しょうがないなー、気をつけろよー」
「慣れたことだよ」
そのとき夏が口を挟んだ。
「それなら、斎には免除していた罰を再開させましょうか」
「ええっ!? 凱、やっぱ帰らないで!」
「そう言われても、帰るつもりだよ」
「やだー!罰則やだー!」
「斎、人が帰る邪魔をしない!」
夏に叱られ、斎がしょんぼりとした顔で「じゃあまたなぁ、凱ぃ……」と呟く。
この世の終わりを見たかのようなその様子がなんだかおかしく、凱は思わずくすくす笑ってしまった。
- 1.第一章 始まり(1)
- 2.第一章 始まり(2)
- 3.第一章 始まり(3)
- 4.第一章 始まり(4)
- 5.第一章 始まり(5)
- 6.第一章 始まり(6)
- 7.第一章 始まり(7)
- 8.第一章 始まり(8)
- 9.第一章 始まり(9)
- 10.第一章 始まり(10)
- 11.第一章 始まり(11)
- 12.第一章 始まり(12)
- 13.第一章 始まり(13)
- 14.第二章 彼の妹(1)
- 15.第二章 彼の妹(2)
- 16.第二章 彼の妹(3)
- 17.第二章 彼の妹(4)
- 18.第二章 彼の妹(5)
- 19.第二章 彼の妹(6)
- 20.第二章 彼の妹(7)
- 21.第二章 彼の妹(8)
- 22.第二章 彼の妹(9)
- 23.第二章 彼の妹(10)
- 24.第二章 彼の妹(11)
- 25.第二章 彼の妹(12)
- 26.第二章 彼の妹(13)
- 27.第二章 彼の妹(14)
- 28.第二章 彼の妹(15)
- 29.第二章 彼の妹(16)
- 30.第二章 彼の妹(17)
- 31.第二章 彼の妹(18)
- 32.第二章 彼の妹(19)
- 33.第二章 彼の妹(20)
- 34.第三章 神社(1)
- 35.第三章 神社(2)
- 36.第三章 神社(3)
- 37.第三章 神社(4)
- 38.第三章 神社(5)
- 39.第三章 神社(6)
- 40.第三章 神社(7)
- 41.第三章 神社(8)
- 42.第三章 神社(9)
- 43.第三章 神社(10)
- 44.第三章 神社(11)
- 45.第三章 神社(12)
- 46.第三章 神社(13)
- 47.第三章 神社(14)
- 48.第三章 神社(15)
- 49.第三章 神社(16)
- 50.第三章 神社(17)
- 51.第三章 神社(18)
- 52.第三章 神社(19)
- 53.第三章 神社(20)
- 54.第三章 神社(21)
- 55.第三章 神社(22)
- 56.第三章 神社(23)
- 57.第四章 別れ(1)
- 58.第四章 別れ(2)
- 59.第四章 別れ(3)
- 60.第四章 別れ(4)
- 61.第四章 別れ(5)
- 62.第四章 別れ(6)
- 63.第四章 別れ(7)
- 64.第四章 別れ(8)
- 65.第四章 別れ(9)
- 66.第四章 別れ(10)
- 67.第五章 異変(1)
- 68.第五章 異変(2)
- 69.第五章 異変(3)
- 70.第五章 異変(4)
- 71.第五章 異変(5)
- 72.第五章 異変(6)
- 73.第五章 異変(7)
- 74.第五章 異変(8)
- 75.第五章 異変(9)
- 76.第五章 異変(10)
- 77.第五章 異変(11)
- 78.第五章 異変(12)
- 79.第五章 異変(13)
- 80.第五章 異変(14)
- 81.第五章 異変(15)
- 82. 第五章 異変(16)
- 83.第五章 異変(17)
- 84.第五章 異変(18)
- 85.第五章 異変(19)
- 86.第五章 異変(20)
- 87.第六章 真実(1)
- 88.第六章 真実(2)
- 89.第六章 真実(3)
- 90.第六章 真実(4)
- 91.第六章 真実(5)
- 92.第六章 真実(6)
- 93.第六章 真実(7)
- 94.第六章 真実(8)
- 95.第六章 真実(9)
- 96.第六章 真実(10)
- 97.第六章 真実(11)
- 98.第六章 真実(12)
- 99.第六章 真実(13)
- 100.第六章 真実(14)
- 101.第六章 真実(15)
- 102.第六章 真実(16)
- 103.第六章 真実(17)
- 104.第六章 真実(18)
- 105.第六章 真実(19)
- 106.第七章 闘い(1)
- 107.第七章 闘い(2)
- 108.第七章 闘い(3)
- 109.第七章 闘い(4)
- 110.第七章 闘い(5)
- 111.第七章 闘い(6)
- 112.第七章 闘い(7)
- 113.第七章 闘い(8)
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- 125.第七章 闘い(20)
- 126.第七章 闘い(21)
- 127.第七章 闘い(22)
- 128.第七章 闘い(23)
- 129.第七章 闘い(24)
- 130.第七章 闘い(25)
- 131.【幕間】作品解説という名の、作者の妄想ネタを吐き出す場
- 132.第八章 再会(1)
- 133.第八章 再会(2)
- 134.第八章 再会(3)
- 135.第八章 再会(4)
- 136.第八章 再会(5)
- 137.第八章 再会(6)