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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#45

第三章 神社(12)

「———そんで、ここが[漢字]本殿[/漢字][ふりがな]ほんでん[/ふりがな]。しょぼいだろ〜、一番大事らしいけど」
「……そうかな? 立派だと思うけど」
 本殿にはあまり参拝客は来ないらしい。拝殿についで本殿に参拝に行こうとすると、申込が必要になったり別の参拝料なるものがかかったりとかなんとかで大変なのだそうだ。
 そのためか、本殿は拝殿に比べて装飾が少なくいささか質素な印象を受ける。しかし御神体を[漢字]祀[/漢字][ふりがな]まつ[/ふりがな]っているとあって、どことなく厳かな雰囲気があり、建物の外から見てもとても立派だった。
「それでさー、俺一回ここに忍び込んだことあるんだけどさ〜」
まあ、斎のことなので、思ったとおりである。
「それで、いつも通り怒られたの?」
「いつも通りってひどいな〜、まあそうだけどさ、禰宜に見つかって、大変だったんだ〜」
「……本当にもう……」
そのあともあちらこちら行き、[漢字]杜[/漢字][ふりがな]もり[/ふりがな]の中まで見に行った。

 ひとしきり遊んで、凱たちが戻ってくる頃には、日は傾いていた。
「おかえり。大丈夫だった?斎が何かしていないかしら?」
 夏が出迎えくれた。さっそく息子が何かしていないかを最初に心配する。
「そんなことしないって〜 ひどいな母ちゃん〜」
「あなたが人を困らせることばっかりするからでしょう」
 そう言って夏は額に手を押さえる。凱は苦笑した。問題児を息子に持つと、母親はさぞ大変だろう。
「とりあえず、ついてらっしゃい、お腹も空いたでしょう。というか、お昼ご飯は食べたの?」
「え?あっ、忘れてた!」
 確かに昼飯は食べていなかった気がする。通りでお腹がとても空いているのだ。
 夏が 斎を見て小さくため息をつき、歩き始める。凱もついていった。

[水平線]
 社務所と近い、杜と[漢字]玉垣[/漢字][ふりがな]たまがき[/ふりがな]の境目あたりに、こぢんまりとした邸があった。
「邸……?」
 [漢字]凱[/漢字][ふりがな]かい[/ふりがな]が見上げると、夏は微笑む。
「そうね、みんな、ここに住んでいるのよ」
 聞けば、だいたい神主や巫女たち二十人ほどが、住み込みでいるらしい。
「使用人の方とかは……?」
「いないわね、みんなで掃除も料理もやるのよ」
「俺も手伝わされて大変なんだぞー」
「当たり前でしょう」
 当たり前。……当たり前なんだ。凱はいつも使用人に任せていたから、掃除も料理もやったことがなかった。
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2025/11/11 14:37

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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