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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#43

第三章 神社(10)

 どうも起きたらしい。
「す、すみません……!寝ていて全然気づかなくって、お待たせしてしまいましたか……?」
 姉は凱に気づいたらしく、慌てて謝った。
「あ、ううん、大丈夫だよ」
 凱も慌てて返事をする。
「それで、えっと、本買ってきたのだけれど、要る……?」
 少し[漢字]躊躇[/漢字][ふりがな]ためら[/ふりがな]って、凱は姉に買った本を見せる。
 姉がびっくりしたように本を見て、「ありがとうございます」と言った。
「前に渡したのは、読み終わったの?」
「あ、いえ……まだです。すみません」
「謝らなくていいけど……そっか、早すぎたか……どうする?この本、僕が持ってようか?それとも、姉さんが[漢字]予[/漢字][ふりがな]あらかじ[/ふりがな]めもらっておく?」
「……凱さんさえ良ければ、もらっておきます。ちょうど奥様も周りの皆様もいらっしゃらないから、読む時間も取れそうですし」
 ありがとうございます、と言って姉は頭を下げた。
「あ、そうだ、今度、僕 友達の家に行くんだ、それで、姉さんも一緒に来る?」
 斎との話を思い出し、姉に聞いた。
「え……っと、」
 姉が[漢字]逡巡[/漢字][ふりがな]しゅんじゅん[/ふりがな]したように視線を泳がせた。
「……遠慮します。ほとんど邸の外にも出ていないし……行ったことが奥様に知られてもいけないし……それに、もし凱さんのご迷惑になってしまったら」
「迷惑とは思わないよ、思ってたら誘わないし」
「それでも……遠慮します」
 遠慮しているのを無理やり連れていくことはできないので、「そっか、じゃあまた今度ね」と凱は引き下がった。

 そのあとは明日の斎の家に訪ねる支度をしたり 夕食をとったり 風呂に入ったりして過ごした。
 人がいないと邸が寂しくなるほど広くなるが、母や親戚たちがいない生活も悪くなかった。

[水平線]
「おー凱やっほー、待ちくたびれたぜー」
 斎の家に行くと、鳥居の前で斎が掃き掃除をしていた。
 凱に気づくと、斎は[漢字]箒[/漢字][ふりがな]ほうき[/ふりがな]をすっ飛ばして手を振り、こちらに駆け寄ってくる。
「……罰を受けている途中?」
「そーなんだよー、凱、手伝ってくれよ〜」
「いつまでやってるの?」
「年末までだって〜、ぴえ〜ん」
 斎が泣き真似をする。
「小遣いも年末までなし?」
「小遣い〜? 小遣いは未定だって〜、掃き掃除よりひど〜いー」
「……まあねぇ」
 あの神馬を連れていった事件だけで考えるなら、いささか罰が重いかもしれないが——『学校一の問題児』たる斎のことである。
 今までのこともあってとうとう両親の[漢字]堪忍袋[/漢字][ふりがな]かんにんぶくろ[/ふりがな]の緒が切れたのだろう。
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2025/11/11 14:35

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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