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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#41

第三章 神社(8)

 翌々日。
 母たちは早朝に家を発ってしまい、邸はほとんど がらんどうとなった。
 いささか寂しかったが、凱はいつもと変わらぬ生活を送っていた。
 学校帰り、凱は再び本屋に寄った。
 前の、神馬を学校に連れてきた事件でお小遣いを没収された斎のために漫画を買いに来たのと、姉にまた本を差し入れようかと思ったためだ。
 なんとか目当てのものを見つけて本屋を出ると、なぜかそこには斎が立っていた。
 斎は凱の姿を認めると、ぱっと笑顔になる。
「あ、凱じゃん!久しぶり!」
 今日も学校で会ったので久しぶりではないような気がするが、突っ込まないでおく。
「あ、うん。それで、買ったよ、斎が欲しがってた漫画」
「うおっ、本当!? 本当だ! よっしゃー! アリが十匹ありがとー!」
 どこからアリが出てくるのかさっぱり分からないが、それも突っ込まないでおく。
「はいはい」
「うお〜、夢みたいだ〜、よしこれから凱さえいれば、いくら小遣いぶん取られても心配いらないな!」
 ……なんだか斎のために漫画を買ったのを後悔し始めたのは、気のせいだろうか。
 いや、気のせいではないだろう。凱にねだる前にまずは自分の行いを[漢字]顧[/漢字][ふりがな]かえり[/ふりがな]みるのが正しいというものではないのか。
「——あ!何その真面目そうな本!」
 斎が凱が姉に買った本を見て声を上げる。
「あ、これは姉さんのために買ったんだよ」
「え?あ、へー」
 凱がそう答えると、どこかぎこちなく斎がうなずく。
「あ、そうだ、この前言った俺ん家に行こーって話、どうなった?」
 突然その話題を出され、いささか面食らった。
「あー、うん。ごめん、すっかり忘れてた」
「えー、なんで!? ひどくねぇ!?」
「ひどくないひどくない」
 ひどくねぇと言われても、誰が人の罰を手伝おうと思うのだろうか。
「ひでぇよぉ……俺、小遣い没収の上に境内の掃除という罰も課されているんだぜぇ……」
「そりゃあ斎が悪いんでしょ」
「え〜、で、どうするの?親に許可もらってさー、なんか、こう、お力添えを……」
「しません」
「え!?お願いお願い!」
 斎がその場に土下座した。
 凱はため息をつく。本当にしょうがない。ついに折れることにした。
「分かったよ、二、三日くらいなら勘弁するから」
「ほ、本当!? やったぁ!!」
 斎のその様子を見て凱は再びため息をつく。
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作者メッセージ

100観覧ありがとうございます!

2025/11/11 14:33

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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