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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#30

第二章 彼の妹(17)

「……あなたたちの名前は、何? どこの子なの?」
 久世が聞いてくる。正真正[漢字]銘[/漢字][ふりがな]めい[/ふりがな] 兄の知り合いであることが分かり、安心したのだろう。
「俺は[漢字]新代[/漢字][ふりがな]にいしろ[/ふりがな]斎、あそこの神社のお坊ちゃま〜」
 斎がそう言って家の方向を指で指した。
「そう……あなたは?」
 久世が凱を見た。それを受けて、凱が口を開こうとする。
「凱君だよ、久世」
 だが、その前に馨に答えられてしまった。
「え?」
 本人ではなく兄が答えたことに、久世が[漢字]呆気[/漢字][ふりがな]あっけ[/ふりがな]に取られたようだった。
「聞かなくていい。……久世は、何も知らなくていい」
 どこか必死な様子の兄に、久世は不思議そうにする。
「兄さん……?」
「馨さん、どうしたん?」
 同じく不思議そうな顔をした斎が、馨を見る。
 馨が落ち着かんと目を閉じた。
「……とりあえず、帰りなよ、二人とも」
 再び目を開き、馨が凱と斎を見た。斎はしばらく馨を見上げていた。
「んー、分かった。凱、帰ろ」
 何かを察したように、斎が凱に話しかける。
 斎にもそう言われてしまうと帰るしかなく、仕方なく兄妹に背を向け、凱は歩き始めた。

[水平線]
 数日後。
 [漢字]凱[/漢字][ふりがな]かい[/ふりがな]は[漢字]斎[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]と例の洋食の店へ行った。
 凱は本当はもっと別のところに行きたかったのだが、斎が「行きたい行きたい」とごねたのだ。
 そのため、仕方なく『店の中で騒がないこと』というなんとも幼児じみた約束というか条件のもとで、凱は[漢字]渋々[/漢字][ふりがな]しぶしぶ[/ふりがな]承諾した。
 どうもこの店は『学校一の問題児』の胃袋を[漢字]掴[/漢字][ふりがな]つか[/ふりがな]んでしまったらしい。
 良いか悪いか凱にはわからないが。

 この前とは逆に、凱がカレー、斎がオムライスを頼んだ。
 料理ができるまで斎と話していると、突然ふっと斎が真顔になる。
「斎? どした?」
「今、急に思い出したんだけどさ、……凱、明日、なんか、課題あったよな?」
「え?」
 言われて、記憶を[漢字]遡[/漢字][ふりがな]さかのぼ[/ふりがな]る。そういえば、何か課題があったような。
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2025/11/09 12:42

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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