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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#25

第二章 彼の妹(12)

「で、そんでも諦められなくてさー、あっちこっち追いかけまくってたんだ、そしたらさ そしたらさ?」
 もったいぶったように斎が両手を広げた。この話のどこにそんなことをする必要があるのか凱にはさっぱりわからないが。
「人に怒られたんだね」
『学校一の[漢字]悪餓鬼[/漢字][ふりがな]わるがき[/ふりがな]』たる斎のことなのできっとそうだろう。
「そーそー。なんか飼い主っぽい女が来てさ。ちょー無愛想にさ、私の子をいじめるな、って」
 きっとその飼い主は自分の子どものように鳥を可愛がっているのだろう。それを獲ろうと追いかけ回す斎の罪は重いと思う。

「それでさそれでさ、本題こっからよ?」
 前置きが長い気がしないでもない。
「その女、どんな見た目だったと思う?」
「えー、どんなって言われても……」
「結構すらっとした体型でさ、歳は結構若そうでさ、俺たちよりちょいと年上ぐらい? それで、髪は後ろで一つに結っててさ、……それでさ———聞いて驚くなよ?」
「え?」
「実はさ———そいつの髪、薄い茶髪でさ、目は[漢字]薄橙[/漢字][ふりがな]うすだいだい[/ふりがな]の瞳してたの!」
 驚いて目を見開いた。それでは、まるで。
「[漢字]馨[/漢字][ふりがな]かおる[/ふりがな]さん……?」
 凱が思わずつぶやくと、斎は大きくうなずいた。
「な? な? そう思うだろ? 似てるだろ? 絶対馨さんの姉妹だって! 姉か妹か知らんけど!」
 馨に兄弟は?と聞いた際ははぐらかされた。でも、姉妹がいるのか。どうして言わなかったのだろう。何か言えない事情でもあるのだろうか。
「でさでさ、あの珍しい鳥いつもあそこにいるからさ、また追いかけ回そうかと思うんだけどさ!あの飼い主をおびき寄せるために!」
 そう息巻きながら、凱の方を見た。
「もちろん、凱も来るよな!?」
 どこかやり方がひどい気がする。しかし、鳥を[漢字]不憫[/漢字][ふりがな]ふびん[/ふりがな]に思う気持ちと 馨の姉妹が分かるかもしれないという興味を[漢字]天秤[/漢字][ふりがな]てんびん[/ふりがな]にかけ——凱は後者をとってしまった。
「……分かった。行くね。」
 そう答えて 凱は、「よっしゃ!」と行って去っていく斎を見送った。
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2025/11/07 14:46

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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