文字サイズ変更

【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#17

第二章 彼の妹(4)

「それで、この[漢字]様[/漢字][ふりがな]ザマ[/ふりがな]ということか」
「はい」
「……[漢字]新代[/漢字][ふりがな]にいしろ[/ふりがな]、来い。説教だ」
「はあ!? 何で!? 凱も来るよな!? 凱も説教だよな!?」
「時庭が来るわけあるか!何故も何も、お前が悪戯ばかりするからだろう!」
 斎が押し黙る。そのまま今日も今日とて教師に連行されていった。
 ぎゃーぎゃーと騒ぐ斎の後ろ姿に凱はそっと手を合わせた。

[水平線]
「あー大変だった……って凱なんでお前来てくんないんだよ!俺たち友達だろ!?」
 一刻ほど説教を食らっていた斎がようやく帰ってくる。帰ってくるなり、文句を言われた。
「……友達だからだよ、友達の過ちをちゃんと正すことも友達の役割でしょ?」
 とりあえずそう言ってみると、案の定「はあ——!?」と絶叫される。少し、というかだいぶうるさい。
「だいたい、なんで説教食らうのが大変とか言いながら悪戯するのさ」
「えー、だって楽しいし……」
「『楽しい』と思うのは、斎だけだよ、みんな迷惑してるから、僕含めて」
 斎が「ええー」と唇を[漢字]尖[/漢字][ふりがな]とが[/ふりがな]らせた。

「そーだ、本題に戻って、なんでお前機嫌いいの?」
 本題と言われ、面食らった。本題と言うが、これを聞いたのは初めてだ。
「え、っと……」
「あ、そういえばお前、好きな人できたとか言ってたな!?」
「はあ?」
 そんなこと言っただろうか。
「ほら言ってたじゃん夏祭りのときに!お前めっちゃ誤魔化してたけど、言ってたじゃん!」
 しばらく考え、「ああ」と思い至る。夏祭りの最終日、斎と偶然会ったときにそんな話をした気がする。
 しかしよくそんな前のことを、しかもそんな細かいことを覚えているものだ、
 ………ではなく、凱はそんなことを言ったことはない。斎が勝手に勘違いしただけである。
「で、どうなのさ、なんか進展でもあったか?」
 物言いたげな凱を置いて、斎が聞いてくる。
「だからなんでそうなるの。気になる人もいないってば」
 斎が何か言おうとしたが、ちょうどそのとき授業の始まりを知らせる鐘が鳴り、それと同時に教師が入ってきた。
 半ば強制的に会話は終了し、凱と斎は席に戻った。

[水平線]
 全ての授業が終わり、凱は家に帰った。
「ただいま」
 そう言っていつも通り荷物を自室に置いた。
 なんとなく二階にある自室から一階の居間へ行った。
 何やら騒がしい声が聞こえて、不思議に思いながらそちらへ行く。
「———なんであんたが、出来損ないが、こんな高価なもの持ってるのよ!誰かから奪ったわけ!?ほんっと性格が歪んでいるんだから!」
「申し訳ありません、すみません、」
 親戚のうちの一人と、姉だった。またいびられているらしい。
ページ選択

2025/10/23 14:40

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は錦野 真名さんに帰属します

TOP