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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#12

第一章 始まり(12)

「え?」
 よく分からず、馨を見上げた。
「親御さんは、このこと知っているの? ああでも、子どもだけで探偵は動かせないか。親御さんは何て言っているの?」
 何も分からなかったと凱に言ったときの母を思い出した。
「え、えっと、『変な人』って……馨さんのこと」
 すると馨は目を見開き、少しおかしそうに笑った。
「変な人、か……まあでも変な人かもね、調べても出てこない人なんて」
 そう言って目を細めた。
 笑った顔も綺麗だなと、何となく思う。

「そうだ、それで、凱君は帰らないの?」
 馨が最初の話題に戻してきた。再び気が重くなった。
「え、えっと、帰りたくなくて……」
 小さな声でそう言うと、馨がきょとんとする。
「そう? 何かあった?」
 顔を[漢字]覗[/漢字][ふりがな]のぞ[/ふりがな]き込まれ、思わず家を出る前のことを話した。
 しばらく馨は凱の話を聞いていたが、やがてどんどん表情が曇っていった。
「ご、ごめんなさい、こんな話、するものじゃないですよね……」
 顔を曇らせた馨に、申し訳ない気持ちになる。
「謝らなくていいよ、君のせいじゃないし」
 馨が顔を上げ、微笑む。
「そうですか……?」
「そうだよ、だから、大丈夫」
 その言葉に安心する。
 馨が少し考え込んだ。
「そうだ、俺、送ってあげようか。一人で帰るより、二人の方がいいでしょ? それに、もう暗いし」
 思わず顔を上げ、馨の顔を見た。
「え?いいんですか?」
 いいよ、と言われ、一緒に歩いた。

 聞きたいことがたくさんある。聞くとしたら、今だろう。どうやって切り出そうか。
 あれこれ考え、思い切って聞くことにした。
「あの、どこに住んでらっしゃるんですか……?」
 馨がこちらを見た。
「んー、人目につかないところ?」
「人目につかないところ……?」
「うん、そう。」
 これ以上言うつもりはないらしく、馨が前を向く。
「それなら、えっと、おいくつなんですか……?」
 これはすぐ返事が来た。
「今年で十八だよ」
 つまり、凱より五つ年上だ。年の割には、大人びているように見える。
「趣味は、なんですか?」
「うーん、特にないかな……」
 要領を得ない回答が返ってきた。凱とて、街をふらふら歩くぐらいしか趣味がない。馨も、そのようなものなのだろう。
「あ、じゃあ、ご兄弟はいらっしゃるですか……?」
 纏う空気が キンと張り詰めた。馨が何かを言いかけ、ふっと口をつぐむ。そのまま黙りこんだ。
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2025/10/21 12:09

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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