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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#11

第一章 始まり(11)

「んー、まあ、あんま気に病むなよ、[漢字]所詮[/漢字][ふりがな]しょせん[/ふりがな]はお前が抱えるべき問題じゃないし」
 そんなことはないだろう。家族のことなんだから。
「ま、考えるのは家の中だけでいいだろ。せっかく逃げてきたのに、そんなこと考えてたら逃げた意味ねーよ。」
 そう言われ、少し気分が晴れた。分かった、と斎に言った。

 そんなことを話していると、馨と何人かの警官が来た。
「こんにちは。……それで、この男が銃を持っていたという?」
 斎と話していて忘れていたが、あの話の通じない男がまだ倒れていた。馨が答える。
「ええ、そうです。しかも、子ども相手に撃とうとして。……見覚えございますか。」
「いえ……。分かりました。連れていきますね、目覚めたら後で聴取します。」
 警官がそう言って、何人かで目覚めぬ男を立ち上がらせて連れていった。

 あとに馨と斎と凱の三人が残された。
「———ねーねー兄ちゃん、あの男をどうやって倒したの?まだ目が覚めないみたいだし、銃持ってたし、怖くなかった〜?」
斎が沈黙を破り、馨に声をかける。馨の視線が斎に向いた。
「特に怖くはなかったかな。……それより、君たちそろそろ帰った方がいいんじゃない?もう[漢字]逢魔時[/漢字][ふりがな]おうまがとき[/ふりがな]だよ。」
 言われて気がつけば、日が暮れ始めていた。斎がハッと我に返ったような顔をする。
「やべっ、俺夕方には帰る約束だったんだ、じゃあ凱またなーっ、兄ちゃんもありがとーございましたー!」
 そう言って慌ただしく帰っていった。凱も「またね」と手を振った。

 馨が凱に目を向ける。
「凱君は、帰らないの?」
 ———どうしようか、帰ろうか。でも家を出たときの様子を思い返すと、どうしても帰る気にはなれなかった。
 馨にももっと聞きたいことがあった。
「あ、あの。聞きたいことがあって。……いつも、何されているんですか?」
 とりあえず、そう聞いてみる。少し息を吐いて、馨が目を細めた。
「時庭さ、この前、調べてたよね、俺のこと。何か[漢字]嗅[/漢字][ふりがな]か[/ふりがな]ぎ回ってるなと思ったから。」
 え、と声を漏らす。まさか、知られていたとは。
 こっそり調べさせていただけに、罪悪感でいっぱいになった。謝るしかない。
「あ、あの、すみません……」
「いいよ、怒ってないし。それにどうせ調べても、何も分からないでしょ」
「え? あ、はい。探偵さんも、そう言ってて……」
「でも、本当に知らないんだね。特に時庭の人は知っているかもって思ってたけど」
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2025/10/21 12:07

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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