文字サイズ変更

【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#136

第八章 再会(5)

 一瞬姉と顔を見合わせて、久世についていく。
 三人で応接間に入ると、既に両親がいた。久世の姿を見るなり、二人とも驚いたように瞠目する。
「二人とも、お久しぶり」
 久世が微笑んで会釈する。
「ああ」
 父が気まずそうに短く応える。
 母も同じように、久世に軽くお辞儀した。
「ごめんなさいね、突然話したいだなんて」
 久世を軽く眉を下げる。
「いや、問題はない。ちょうど今日は非番だった」
「そう」
「……その、体調……具合はどうなんだ?」
「大丈夫」
「……そうか」
 久世が片目だけとなった目を閉じる。
「時庭さんは」
 話しかけられて、父が久世の方を見る。
「どうしてあのとき、仁井戸さんのところにいたの?」
 父が[漢字]逡巡[/漢字][ふりがな]しゅんじゅん[/ふりがな]したような顔になる。
「……仁井戸さんに、そう指示されたからだ。」
 久世が半ば大げさに嘆息した。
「指示されたから、って。何かあらぬ疑いでもかけられていたらどうしたのよ? 仁井戸を信用するなと言ったはずですけど」
「まあ、そうだが……」
「来ても大して役にも立たなかったし、」
「お姉様」
 どこまでも毒舌な[漢字]異父姉[/漢字][ふりがな]あね[/ふりがな]に、姉が袖を引っ張って止める。
 妹に止められたからか、久世は口をつぐんでそっぽを向いた。
「[漢字]辛辣[/漢字][ふりがな]しんらつ[/ふりがな]なものだ」
「当たり前でしょう」
 父が困ったように後頭部をかく。
「……久世さん、これから、どうするつもりなの?」
 母が[漢字]躊躇[/漢字][ふりがな]ためら[/ふりがな]いがちに口を開いた。
「美冬の面倒を見ながら暮らそうかなと思ってる」
「……そう」
「あの……[漢字]不躾[/漢字][ふりがな]ぶしつけ[/ふりがな]なことを聞きますが、結婚されないんですか」
 凱が半ば恐る恐る聞いてみた。
「しない。多分ずっと独身」
 特に嫌がることもなく、久世は答えてくれた。斎が聞いたら、また大げさに安心するだろう。
「……復讐といえども、人殺しに手を染めてしまったから」
 どこか[漢字]自嘲[/漢字][ふりがな]じちょう[/ふりがな]するように、久世が笑む。
「お姉様……」
 姉が案じたように久世を見る。久世をちらりと朝水の方を見た。
 姉妹仲は良いようだった。
ページ選択

2025/12/04 10:41

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は錦野 真名さんに帰属します

TOP