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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#113

第七章 闘い(8)

『これ以上情報が[漢字]漏[/漢字][ふりがな]も[/ふりがな]れないように、これから[漢字]総括[/漢字][ふりがな]そうかつ[/ふりがな]をする。妖怪どもの育成も徐々に進めていく。面倒でないものを我が邸に持って来い。 仁井戸』
 仁井戸の邸が拠点で、間違いないらしい。

 十二枚目。日付は、半年前。ちょうど、凱が馨に初めて会ったくらいの頃だ。
『総括は大方終了した。裏切りそうな三十人は処分した。そしてこの夏祭りに、また裏切り者が出たから、そいつも処分した。邸があると推察していたところには、それはなかったらしい。だが、私の推察は絶対に正しい。盆踊りをやっていたというが、そうではなく邸の結界を張り直していたのだろう。作戦を練り直す。 仁井戸』
 いつもより長文だった。そして、一番情報が多い。まず、三十人が仁井戸に殺された。
 そして———あの盆踊りをやっていたところは百鬼の邸で、結界を張り直していたらしい。
 あそこが百鬼の邸だとすれば、凱がそこに来られたことに対して馨が疑問を持つ理由も分かる。
 さらに、仁井戸は推理に長けているようだった。

 十三枚目。日付は、三ヶ月前。新代神社が襲撃される、少し前。
『大方妖怪どもは作った。試しに、その内の一つに新代神社を襲わせる。私の邸まで来るように。あと、何度も言っているが、私は自分の邸以外に拠点を持つつもりはない。あまりうるさいようならお前たちも処分する。 仁井戸』
 あの襲撃に、戸井君の両親も関わっていたらしい。仁井戸は試しと言っているが、その『試し』に人が二人死んでいるのだ。若干の怒りを覚える。
 そして、拠点は仁井戸の邸のみで決まりだろう。

 十四枚目。日付は、年末。
『首塚山を片付けられない。あれを実行する。私の邸まで来い。 仁井戸』
 あれ、とはたくさんの強い妖怪を町に出すことだろう。実際、それで陥ちてしまったと久世は言っていた。

 とにかく、これで全ての手紙は読み終えられた。
(斎に、伝えなきゃいけないな)
 とりあえず、式を作る。
 ふっと手のひらの上に浮かばせると「拠点は仁井戸さんの邸だけ」と言葉を乗せ、斎のところまで送り出した。
 しばらくしてすぐに、斎のものである伝書鳩が飛んできた。足に文が[漢字]括[/漢字][ふりがな]くく[/ふりがな]り付けられてある。
『分かった。明日、仁井戸の邸に行く。お前も来るよな?』
 もちろんだ、と心の中で呟き、斎からの文を[漢字]懐[/漢字][ふりがな]ふところ[/ふりがな]に仕舞った。
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2025/11/13 11:08

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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