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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#6

第一章 始まり(6)

「いやそんな大して悪いことしてないよ?」
「……斎の『大したことない』はみんなにとっては大したことあるんだよ」
「本当だって!大して悪いことしてないって!」
「だから、何やったの」
「えー、なんか、えっと、あそこに林もどきみたいなのあるじゃん? [漢字]首塚[/漢字][ふりがな]くびづか[/ふりがな]山って言うらしいけど」
 斎が指で示す。凱も振り向いた。馨と再会した、馨が近づくなと言っていた、あの小さな林だ。
 首塚山とは、物騒な名前の林だなと思いつつ うなずく。
「うん」
「さっき、あそこに行ってみたんだよねー。何かおもしろそーなのあるかなーって」
 ……おもしろそうなとはなんだろうか。
 斎のことだから、またろくでもないことは分かっているが。
「そしたらさ、なんか変な感じがしてさ、戻ってきたんだよねー。だって、誰かの気配がするんだよ、そんで振り返っても誰もいないしー。なんだか気味悪くってさ」
 凱は目を見開いた。斎もあそこに行っていたとは。
「あのさ、斎、あそこで盆踊りやってなかった……?」
 斎の話を最後まで聞くのを我慢できず、聞いた。
「え? やってなかったよ。ていうか、あんな不気味なところでそんなのやってたら怖いだろーが」
「そっか……」
「? 凱?なんかあったのか?あ、凱もあそこに行ったとか?」
「あ、うん、実はそうなんだ。なんか迷い込んでしまって。」
「へー。あ、そうだ、それでさ、それを俺のばーちゃんに言ったらさ、すんげー怒って。『あんなところ行くんじゃない、あそこは呪われているんだ』とか云々。なんだそりゃ」
 ……呪われている?あの場所が?
 ああでも、だから馨は来るなと言ったのか。だがなんの呪いだろうか。なぜ呪われたんだろうか。なぜ馨やあの場にいた人たちは、呪われた場所にいたのだろうか。
 斎の家である新代家はそこそこ大きな神社であり、この近くにある。この夏祭りも新代家が主催しているし、会場となったこの場所も、新代家が所有しているものである。
 だから、この場所には詳しいはずだ。
 呪われている、という話も本当なのかもしれない。
「……と、まあそんな感じでバケツ持たされて、、って凱?どした?」
 考え込んでしまった凱に、斎が不思議そうに声をかける。
「あ、ううん、なんでもない、ちょっと考えていただけ」
「そ? 何かあったら言えよ〜? 俺、凱きゅんのことが大ちゅきだからネ?」
 とても気持ち悪い言い方で、斎が言う。
 ちなみに、斎には母や姉のことは言ってある。
「うん。ありがとう。」
 さっきのとても気持ち悪い言い方には触れず、凱は礼を述べる。
 そのとき「斎!?あ、何[漢字]怠[/漢字][ふりがな]なま[/ふりがな]けているの!」と女性の声が聞こえた。
「やべっ、母ちゃんだっ」
 斎が慌てる。そういえば、斎は罰を受けている最中だった。
 急いで凱も退散することにした。

 そのあとは買い物をしたり出し物を見たり食べ歩きをしたりして過ごし、日付が変わる頃に家に帰った。
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2025/10/21 10:23

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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