文字サイズ変更

【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#5

第一章 始まり(5)

 翌日。
 [漢字]凱[/漢字][ふりがな]かい[/ふりがな]はまた夏祭りの会場に来ていた。
 夏祭り最終日とあって、会場は人で混んでいた。
(あの盆踊りのところにいってみようかな……でも止められてるし……)
 何度も馨に止められたのを思い出し、思いとどまる。
 馨は今、どうしているのだろうか。 
 気になったが、どうしようもなかった。

 しばらく所在なく歩いていると、やがて人通りの少ない場所に入った。
「あれ、凱じゃん!」
 声をかけられ、振り向く。[漢字]新代[/漢字][ふりがな]にいしろ[/ふりがな][漢字]斎[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]がいた。中学校の友人である。斎は水が満タン入ったバケツを持って立っていた。
「お前、一昨日も昨日もいたよなー?」
「わ、え、うん。」
「また遊び歩いてんのか〜? ま、家にいたくないことぐらい誰にでもあるけどさー」
「うーん、まあ、そんなところ……」
「元気ないなー、どした〜? あ、気になる人でもできたとか? 美人が多いもんな!ここの辺り〜」
「そういうことじゃないよ、斎じゃないんだから」
「ああ? 俺じゃないとはどーゆーことだぁ?」
 斎がガラの悪い奴のような真似をする。
「何も言ってないよ」
 さらっと[漢字]誤魔化[/漢字][ふりがな]ごまか[/ふりがな]しておいた。
「ふーん。まあいいや」
 斎の追及が止んだ。
 好きな人ができたことにしておこう、という斎の[漢字]微[/漢字][ふりがな]かす[/ふりがな]かな[漢字]呟[/漢字][ふりがな]つぶや[/ふりがな]きは聞かなかったことにする。
「ところで斎はどうしてバケツを持っているの?」
「え?いやー、怒られちゃってさー」
「いや、それは分かってるんだけど、具体的に何したの?」
 中学校入学早々、授業をさぼったり、教師に[漢字]悪戯[/漢字][ふりがな]いたずら[/ふりがな]を仕掛けたり、脱走を試みたり、学校に野良猫を大量に連れてきたり、学校に池を作ったり(いつどうやって作ったのかは知らないが)、[漢字]繁殖[/漢字][ふりがな]はんしょく[/ふりがな]力の強い[漢字]薄荷[/漢字][ふりがな]ミント[/ふりがな]を中庭に植えてそこら中 [漢字]薄荷[/漢字][ふりがな]ミント[/ふりがな]まみれにしたり等々まさに"やりたい放題"をして、皆に『学校一の[漢字]悪餓鬼[/漢字][ふりがな]わるがき[/ふりがな]』という負の[漢字]名誉称号[/漢字][ふりがな]めいよしょうごう[/ふりがな]なるものを与えられている斎のことである。
 また何かやらかしたのだろうということは猿でも馬鹿でも分かるだろう。
ページ選択

2025/10/21 10:22

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は錦野 真名さんに帰属します

TOP