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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#98

第六章 真実(12)

「『百鬼に[漢字]与[/漢字][ふりがな]くみ[/ふりがな]する者、百鬼に賛同する者も滅する』、と。どういうことか分かる?」
「……え? あ——」
 話を振られる。
 少し考えて、気づいた。
「時庭も、滅ぼす対象だってことですか……? 姻戚関係に、あったから……」
「そう。頭良いのね、凱君。」
 久世がにっこりと微笑んだ。
「それはおかしいでしょう……! 不本意だったのよ……!?」
 黙っていた母が、声を上げる。
「そうね。おかしいわね。そもそも、向こうから振ってきた縁談だったのに。……でも、きっとそれが目的だったのよ。仁井戸さんは、時庭の家のことも気に入らないんでしょう」
 父が絶句した。
「だから、最初に言ったでしょう? 『仁井戸さんを信用しないでください』と。———今度こそ分かってくれた?」
 ———そういう意味だったのか。
「……分かった。留意する」
 父が端的に答えた。
「よろしく。……それで、困ったのはここから」
 久世が話を再開させる。
「時庭に接触する手段が無いこと」
「え? そうですか?」
「そうよ。少なくとも水面下で接触することは出来ないし、かと言って露骨に接触したら向こうに知られてしまうでしょう」
「そういうこと、ですか……」
「個人的な感情もあるわね。私個人の気持ちとして、時庭に接触するなんて心の底から嫌だった」
 馨が、久世に 凱の出身の家を伏せたくらいである。
 母親を奪った家———恨む気持ちになるのだろう。
「だから、かしらね。兄さん、教えてくれなかったの。凱君に会ったこと。時庭の邸に来ていたことも」
 凱が時庭の人間であることを知って、馨に問い詰めて、やっと知ったのだという。
 だが、異父妹の[漢字]朝水[/漢字][ふりがな]あさみ[/ふりがな]のこともあり、気持ちを切り替えたらしい。
「兄さまが凱君に接触してから、二ヶ月くらい状況は変わらなかったのよね、だから一応、竜ヶ崎の邸も行ったのよ。二週間くらい、空けたわね」
 少し出かける、とはそのことだったのか。
「そのときに起こったことは、周知の通り」
 斎の家、[漢字]新代[/漢字][ふりがな]にいしろ[/ふりがな]神社が襲撃された。
「その後、私と何人かの親戚で新代神社に行って調べたけど、やっぱり仁井戸さんの仕業ね」
 斎が見たのはその様子か。
「……あれは強い妖だった。それを———」
 父が呆然としながらつぶやく。
『気をつけなさい、これは人によるものかもしれない。』
 新年の挨拶に向かった際の、仁井戸の言葉が思い出される。
 その『人』が仁井戸本人だったのなら、笑えないのにも程がある。
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2025/10/31 07:53

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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