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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#95

第六章 真実(9)

 そんな中で、永姫は最初の子を産んだ。[漢字]馨[/漢字][ふりがな]かおる[/ふりがな]だ。
 だんだん、情勢があやしくなってきた。妖怪がたくさん襲ってくるようになったのだという。それも、凱が遭ってきたような、強い妖怪が。
 当然、あっという間に死傷者が増えた。
 永姫も、産後間もなかったのにも関わらず討伐に駆り出された。
「人手が足りなかったわけじゃない。人を死なせたくなかった。お母さまは、すごく強かったのよ」
 その二つ名の通り、永姫は本調子でないのにも関わらずあっさりと全ての妖怪たちを倒したらしい。
 その後しばらくは、平穏そのものだった。永姫も、二人目の子を身籠った。
 だが次第に、たくさんの人が竜ヶ崎を囲んでくることが多くなった。先の信者たちだろう。
 邸は巧妙に隠されてあったので、初めは彼らに見つかることはなかったが———。
「私たちは人里離れて暮らしていたからよく分からなかったけど、こちらでは噂が流れていたみたい。ちょうど、今のような。知っている?」
「……聞いたことは、……あるかもしれない。だが、大して興味はなかった。」
 話を振られた父が答える。
「そのうちに、———裏切り者が出た。お母さまの妹。つまり、私の母方の叔母。——脅されたんだって。身体を差し出すか情報を教えるかどっちかを選べって。ひどいよね。それでいて最後は両方奪っていったわけだから最悪よ」
 あんまりな内容に絶句する。
 結局、彼女は裏切りのために一族の者に殺された。十五歳だったという。
 理不尽な妹の死に、永姫は嘆き悲しんだという。
「叔母さま、『こと』って名前だったんだよ。お母さまの『琴子』っていう名前はそこから来ているんでしょうね」
 仲の良い姉妹だったのだろう。
 ともかく、情報を取られてしまったことは百鬼にとって痛手だった。邸の場所も特定され、何度も放火されかけ、実際に [漢字]小火[/漢字][ふりがな]ぼや[/ふりがな]で済んだものの放火されたらしい。
 以前は一族を食べさせるために竜ヶ崎の周囲を出歩いたが、それも出来なくなった。
外に出たら間違いなく人や妖怪に狙われて、殺されるからだ。
 魔力者はいるものの、いかんせん多勢に無勢、殺される者も少なくなかったらしい。
 老人や子ども、そもそも魔力を持たない者を差し引くと使える魔力者は少なく、また邸や邸内の人間の警護をする人材も割いたらほとんど居ないも同然だったらしい。
 よって、[漢字]困窮[/漢字][ふりがな]こんきゅう[/ふりがな]した。[漢字]兵糧[/漢字][ふりがな]ひょうろう[/ふりがな]攻めである。
 永姫の妹の死から約二ヶ月後、永姫に縁談が来た。
「その相手が、[漢字]時庭[/漢字][ふりがな]ときにわ[/ふりがな]さんよ。」
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作者メッセージ

編集しながら、自分で作った設定が恥ずかしすぎて、死にかけました。

2025/10/29 09:12

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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