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【完結】虐げられている異母姉のことを、僕たちは知らなかった。

#93

第六章 真実(7)

「久世さんたちの母親、は。」
 すっと息を吸う。


「[漢字]琴子[/漢字][ふりがな]ことこ[/ふりがな]さん———朝水姉さんの母親と同じですか」


 一気にたたみかける。
 久世が驚いたように目を見開いた。
 両親は、凱の言っていることが理解できないといった様子だった。
 久世がふっと笑い、形の良い唇を動かす。


「———正解。」
 兄とよく似たその顔は、とても美しかった。


「——は? どういう意味だ?」
 その後、一番はじめに口を利いたのは、父だった。
 久世はというと、「お茶をよろしく」と使用人に空になった湯呑みを渡している。
「どういう意味って?」
 新しく茶の入った湯呑みを手にして、久世が逆に質問する。
「琴子が久世さんと馨さんの母というのは、どういう意味だと聞いている」
「どうもこうも、そのままの意味よ。朝水ちゃんと私たちは、異父兄妹。」
 茶を飲みながら久世は話す。
 斎から聞いていたとはいえ、改めて聞くと信じ難かった。
 あのときのことを思い出した。
『俺、たった今 ハッと思いついたんだけどさ、凱の姉ちゃんの母ちゃんと、 馨さん久世さんの兄妹の母ちゃん、一緒なんじゃないの?』
『え……?』
『だから、あの三人は兄妹なんじゃないのかってこと』
 斎の言っていることが理解できなかった。
『……え? 何でそうなるの? だってそんな話、聞いたことないし———』
『聞いたことなくて当然だろ。ついさっきまで何も分からなかった、百鬼家だぞ』
『そう、だけど——』
『なんかの理由で琴子さんだっけ? が時庭に嫁いだんだろ』
『でも、そんなこと言われても信じられないよ』
『だけど、その方が凱の話と辻褄が合わないか? 年齢的にもさ』
しばらく、考え込んだ。
『確、かに———』
 あの後、考えれば考えるほど、それが正しいのではないかと思わされた。
 だから、こうして聞いてみた。
「あの、姉さんは知っているんですか?」
「うん。話したもの。あの子も、びっくりしてたよ」
 久世が目を閉じた。
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2025/10/27 10:07

錦野 真名
ID:≫ 49jonrKhevwZo
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