「久世さんたちの母親、は。」
すっと息を吸う。
「[漢字]琴子[/漢字][ふりがな]ことこ[/ふりがな]さん———朝水姉さんの母親と同じですか」
一気にたたみかける。
久世が驚いたように目を見開いた。
両親は、凱の言っていることが理解できないといった様子だった。
久世がふっと笑い、形の良い唇を動かす。
「———正解。」
兄とよく似たその顔は、とても美しかった。
「——は? どういう意味だ?」
その後、一番はじめに口を利いたのは、父だった。
久世はというと、「お茶をよろしく」と使用人に空になった湯呑みを渡している。
「どういう意味って?」
新しく茶の入った湯呑みを手にして、久世が逆に質問する。
「琴子が久世さんと馨さんの母というのは、どういう意味だと聞いている」
「どうもこうも、そのままの意味よ。朝水ちゃんと私たちは、異父兄妹。」
茶を飲みながら久世は話す。
斎から聞いていたとはいえ、改めて聞くと信じ難かった。
あのときのことを思い出した。
『俺、たった今 ハッと思いついたんだけどさ、凱の姉ちゃんの母ちゃんと、 馨さん久世さんの兄妹の母ちゃん、一緒なんじゃないの?』
『え……?』
『だから、あの三人は兄妹なんじゃないのかってこと』
斎の言っていることが理解できなかった。
『……え? 何でそうなるの? だってそんな話、聞いたことないし———』
『聞いたことなくて当然だろ。ついさっきまで何も分からなかった、百鬼家だぞ』
『そう、だけど——』
『なんかの理由で琴子さんだっけ? が時庭に嫁いだんだろ』
『でも、そんなこと言われても信じられないよ』
『だけど、その方が凱の話と辻褄が合わないか? 年齢的にもさ』
しばらく、考え込んだ。
『確、かに———』
あの後、考えれば考えるほど、それが正しいのではないかと思わされた。
だから、こうして聞いてみた。
「あの、姉さんは知っているんですか?」
「うん。話したもの。あの子も、びっくりしてたよ」
久世が目を閉じた。
すっと息を吸う。
「[漢字]琴子[/漢字][ふりがな]ことこ[/ふりがな]さん———朝水姉さんの母親と同じですか」
一気にたたみかける。
久世が驚いたように目を見開いた。
両親は、凱の言っていることが理解できないといった様子だった。
久世がふっと笑い、形の良い唇を動かす。
「———正解。」
兄とよく似たその顔は、とても美しかった。
「——は? どういう意味だ?」
その後、一番はじめに口を利いたのは、父だった。
久世はというと、「お茶をよろしく」と使用人に空になった湯呑みを渡している。
「どういう意味って?」
新しく茶の入った湯呑みを手にして、久世が逆に質問する。
「琴子が久世さんと馨さんの母というのは、どういう意味だと聞いている」
「どうもこうも、そのままの意味よ。朝水ちゃんと私たちは、異父兄妹。」
茶を飲みながら久世は話す。
斎から聞いていたとはいえ、改めて聞くと信じ難かった。
あのときのことを思い出した。
『俺、たった今 ハッと思いついたんだけどさ、凱の姉ちゃんの母ちゃんと、 馨さん久世さんの兄妹の母ちゃん、一緒なんじゃないの?』
『え……?』
『だから、あの三人は兄妹なんじゃないのかってこと』
斎の言っていることが理解できなかった。
『……え? 何でそうなるの? だってそんな話、聞いたことないし———』
『聞いたことなくて当然だろ。ついさっきまで何も分からなかった、百鬼家だぞ』
『そう、だけど——』
『なんかの理由で琴子さんだっけ? が時庭に嫁いだんだろ』
『でも、そんなこと言われても信じられないよ』
『だけど、その方が凱の話と辻褄が合わないか? 年齢的にもさ』
しばらく、考え込んだ。
『確、かに———』
あの後、考えれば考えるほど、それが正しいのではないかと思わされた。
だから、こうして聞いてみた。
「あの、姉さんは知っているんですか?」
「うん。話したもの。あの子も、びっくりしてたよ」
久世が目を閉じた。
- 1.第一章 始まり(1)
- 2.第一章 始まり(2)
- 3.第一章 始まり(3)
- 4.第一章 始まり(4)
- 5.第一章 始まり(5)
- 6.第一章 始まり(6)
- 7.第一章 始まり(7)
- 8.第一章 始まり(8)
- 9.第一章 始まり(9)
- 10.第一章 始まり(10)
- 11.第一章 始まり(11)
- 12.第一章 始まり(12)
- 13.第一章 始まり(13)
- 14.第二章 彼の妹(1)
- 15.第二章 彼の妹(2)
- 16.第二章 彼の妹(3)
- 17.第二章 彼の妹(4)
- 18.第二章 彼の妹(5)
- 19.第二章 彼の妹(6)
- 20.第二章 彼の妹(7)
- 21.第二章 彼の妹(8)
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- 24.第二章 彼の妹(11)
- 25.第二章 彼の妹(12)
- 26.第二章 彼の妹(13)
- 27.第二章 彼の妹(14)
- 28.第二章 彼の妹(15)
- 29.第二章 彼の妹(16)
- 30.第二章 彼の妹(17)
- 31.第二章 彼の妹(18)
- 32.第二章 彼の妹(19)
- 33.第二章 彼の妹(20)
- 34.第三章 神社(1)
- 35.第三章 神社(2)
- 36.第三章 神社(3)
- 37.第三章 神社(4)
- 38.第三章 神社(5)
- 39.第三章 神社(6)
- 40.第三章 神社(7)
- 41.第三章 神社(8)
- 42.第三章 神社(9)
- 43.第三章 神社(10)
- 44.第三章 神社(11)
- 45.第三章 神社(12)
- 46.第三章 神社(13)
- 47.第三章 神社(14)
- 48.第三章 神社(15)
- 49.第三章 神社(16)
- 50.第三章 神社(17)
- 51.第三章 神社(18)
- 52.第三章 神社(19)
- 53.第三章 神社(20)
- 54.第三章 神社(21)
- 55.第三章 神社(22)
- 56.第三章 神社(23)
- 57.第四章 別れ(1)
- 58.第四章 別れ(2)
- 59.第四章 別れ(3)
- 60.第四章 別れ(4)
- 61.第四章 別れ(5)
- 62.第四章 別れ(6)
- 63.第四章 別れ(7)
- 64.第四章 別れ(8)
- 65.第四章 別れ(9)
- 66.第四章 別れ(10)
- 67.第五章 異変(1)
- 68.第五章 異変(2)
- 69.第五章 異変(3)
- 70.第五章 異変(4)
- 71.第五章 異変(5)
- 72.第五章 異変(6)
- 73.第五章 異変(7)
- 74.第五章 異変(8)
- 75.第五章 異変(9)
- 76.第五章 異変(10)
- 77.第五章 異変(11)
- 78.第五章 異変(12)
- 79.第五章 異変(13)
- 80.第五章 異変(14)
- 81.第五章 異変(15)
- 82. 第五章 異変(16)
- 83.第五章 異変(17)
- 84.第五章 異変(18)
- 85.第五章 異変(19)
- 86.第五章 異変(20)
- 87.第六章 真実(1)
- 88.第六章 真実(2)
- 89.第六章 真実(3)
- 90.第六章 真実(4)
- 91.第六章 真実(5)
- 92.第六章 真実(6)
- 93.第六章 真実(7)
- 94.第六章 真実(8)
- 95.第六章 真実(9)
- 96.第六章 真実(10)
- 97.第六章 真実(11)
- 98.第六章 真実(12)
- 99.第六章 真実(13)
- 100.第六章 真実(14)
- 101.第六章 真実(15)
- 102.第六章 真実(16)
- 103.第六章 真実(17)
- 104.第六章 真実(18)
- 105.第六章 真実(19)
- 106.第七章 闘い(1)
- 107.第七章 闘い(2)
- 108.第七章 闘い(3)
- 109.第七章 闘い(4)
- 110.第七章 闘い(5)
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- 128.第七章 闘い(23)
- 129.第七章 闘い(24)
- 130.第七章 闘い(25)
- 131.【幕間】作品解説という名の、作者の妄想ネタを吐き出す場
- 132.第八章 再会(1)
- 133.第八章 再会(2)
- 134.第八章 再会(3)
- 135.第八章 再会(4)
- 136.第八章 再会(5)
- 137.第八章 再会(6)