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雨の日に傘を捨てて

[水平線]

昼過ぎの日常に仄めくのは、コンクリートが甘くなったような香りと、蟀谷をつんとさすような痛み。
時折、水が側溝に流れ落ちる音が人の耳に風とともに流れる。

《御降りの方は、扉が開いてから、席を御立ち願います。》

アナウンスが流れて、微睡から叩き起こされたような不快感を覚える。
…正確には、思い出す、の間違いだろうが、そんなことは今更どうでもよかった。

正直言って、雨は嫌いだ。
言い方を変えれば、『雨を拒む人間』が、あまり好みではない。
濡れてしまうのが嫌なのは大いにわかる。確かにそれは、猫でも犬でもそうだ。
たとえ蠅でも、自ら飛ぶための翼を重くしたりしないだろう。

だが、『傘』という存在が、僕はどうも気に食わなかった。
矛盾しているのは自分でもわかっているのだが、
僕が子供の頃から思い続けている矛盾は、今さらどうすることもできないだろう。

『どうして傘はあの形なの?』

答えられるのは、古代の人物か、博識なものだけだろう。
生憎だが、僕は自分でそれを調べたことがない。調べようと思ったことすらない。
『なぜあのように拒絶するような形なのか』それが気になるだけで、特にそれに固執する、といったことは無い。
ただ、知りたいといった感情があふれ出した器だと思ってくれていい。

覚えきれ無いほどの矛盾を構築し、やがてそれが一つの定義を意味した時、僕は何というだろう。
僕は思う。ただ、普通のことだと。ただ生活して、ただ息をして、ただ眠るだけだと。
それが何とももどかしい。決定的な事実を知ったところで、人は執着せずに去ってしまうものである。

作者メッセージ

初投稿です!尼夜(あまよる)といいます。
ずっと温めていた物語を形にするため、今日から投稿をスタートしました。
まずは長編執筆&完結を目指して、全力で執筆に励みます!(今回はお試しみたいな感じです)
読者の皆さんの反応が何よりの励みになります。感想や評価など、ぜひ応援やコメント、アドバイスなど。よろしくお願いします!

2026/01/22 01:06

あまよる
ID:≫ 30rEOlyEovhyk
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