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平和の腐敗

街路樹の葉が落ちるたび、風がそれを集めて道に広げた。
人々はそれを掃き、踏み、また集める。
誰も自分の足跡を見ない。
誰も、踏んだ葉が自分の手でちぎれたことを思わない。
夜になると、路地の隅に小さな光が揺れる。
誰も拾わない。
誰も振り返らない。
でも、光を見つけた者はすぐに指を差して笑う。
「ほら、ここにも誰かの失敗がある」
家の窓からは、家族の声が漏れる。
隣人は壁に耳を押し当て、秘密を味わう。
そして朝になると、笑顔で挨拶する。
「いい日だね」
その裏で、互いの弱さを貪るように楽しんでいることを知らない。
人は鏡を嫌う。
でも、泥の中に映る自分の姿は愛おしそうに覗く。
汚れた顔を見て、誰かを責めることで、自分の指先の泥を忘れる。
街は平和だ。
道には葉が散り、路地には光が揺れ、家々には声が響く。
でも、その平和は、誰かの心の腐敗でできていることを、
誰も知らない。

作者メッセージ

貴方はこのたった370文字の小説で、何を感じましたか?
ぜひ、コメントで教えてください!
活動報告で考察出してるので、そちらも見るとさらにおもしろいかも…

2025/12/29 15:58

愛麗ちゃん@ありがとう
ID:≫ 1.6ekCz9QCfE6
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