【カウントダウン投稿#07】忘却の星
宇宙船の外壁に映る無限の星々。その中で、一つだけ光が揺れていた。観測室に立つ影は、目の前のモニターに映る惑星をじっと見つめている。どの惑星も見慣れた風景ではない。地図には存在しない、記録にない星だった。
船内の空気は静まり返り、低い機械音だけが響く。記録データを確認しても、そこにあるのは白紙のログ。何百時間もかけて記録されたはずの航海情報は、まるで消えたかのように何も残っていない。
「ここは…どこだ」
口に出しても、答えは返ってこない。ただ、窓の向こうに広がる星空だけが、変わらず輝いている。足元の影が微かに動き、手元の計器が勝手に点滅を繰り返す。光の点は徐々に船の周囲に集まり、見えない力に引き寄せられるように、観測室の中で軋む音が響いた。
光の渦に触れると、過去の記憶の断片が次々に浮かび上がる。出発前の街並み、別れた人の笑顔、聞き慣れた声。しかしどれもぼんやりとして、名前も顔もはっきりしない。思い出そうとしても、指の間から砂のように零れ落ちる。
やがて光が収まり、目の前には知らない星の大地が広がった。青く光る砂丘、赤く染まる空、そして見たこともない生物の影が揺れる。船の影も、記録も、すべては消え去ったかのようだ。残っているのは、自分だけ。
「忘れられた者だけが、ここに辿り着く」
頭の中に囁きが響く。恐怖よりも奇妙な安堵が広がった。過去を失っても、未知の世界に立つ自分が確かにここにいる。宇宙の果てで、記録されない物語が今、静かに始まろうとしていた。
船内の空気は静まり返り、低い機械音だけが響く。記録データを確認しても、そこにあるのは白紙のログ。何百時間もかけて記録されたはずの航海情報は、まるで消えたかのように何も残っていない。
「ここは…どこだ」
口に出しても、答えは返ってこない。ただ、窓の向こうに広がる星空だけが、変わらず輝いている。足元の影が微かに動き、手元の計器が勝手に点滅を繰り返す。光の点は徐々に船の周囲に集まり、見えない力に引き寄せられるように、観測室の中で軋む音が響いた。
光の渦に触れると、過去の記憶の断片が次々に浮かび上がる。出発前の街並み、別れた人の笑顔、聞き慣れた声。しかしどれもぼんやりとして、名前も顔もはっきりしない。思い出そうとしても、指の間から砂のように零れ落ちる。
やがて光が収まり、目の前には知らない星の大地が広がった。青く光る砂丘、赤く染まる空、そして見たこともない生物の影が揺れる。船の影も、記録も、すべては消え去ったかのようだ。残っているのは、自分だけ。
「忘れられた者だけが、ここに辿り着く」
頭の中に囁きが響く。恐怖よりも奇妙な安堵が広がった。過去を失っても、未知の世界に立つ自分が確かにここにいる。宇宙の果てで、記録されない物語が今、静かに始まろうとしていた。
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