文字サイズ変更

【カウントダウン投稿#03】月影の小道

霧が立ちこめる森の奥、小道は静かに月光を反射して光っていた。足を踏み入れると、土の匂いと湿った草の香りが混ざり合い、心が落ち着く。道の両脇には古い石灯籠が並び、かすかな光が霧に揺れていた。
小道を進むと、突如として空気がひんやりと変わった。木々の間から、銀色に光る影がゆらりと動く。恐れるでもなく、進むたびにその影は近づき、やがて目の前で形を成した。長い耳を持つ生き物で、瞳は深い紫色に輝いていた。
「迷ったのか?」低く澄んだ声が耳元で響く。振り返ると誰もいない。しかし、影の生き物が手招きをしているように見える。恐る恐る一歩を踏み出すと、影は道の先へと誘う。
歩を進めるごとに森の空気は変わり、月光は柔らかく、そして暖かくなった。やがて開けた場所に辿り着くと、そこには小さな泉があり、月光を映した水面が静かに揺れていた。影はその泉のほとりで座り、静かに見守るだけだった。
泉の水をのぞくと、自分の顔が映っているはずなのに、そこには見知らぬ風景が広がっていた。小さな家々と灯り、見たことのない花々。まるで別の世界に迷い込んだようだった。
「ここが、君の探していた場所だ」
影はそう囁くと、再び霧の中へ消えていった。残された小道は静かで、ただ月の光だけが道を照らしている。もう戻ることはできないかもしれない。だが、泉の水面に映る世界の美しさに、迷いも恐れも消えた。
静寂の中、月影だけが新たな道を示している。踏み出した一歩が、知らない未来への扉となることを、誰も知らないままに。

2026/01/03 15:19

愛麗ちゃん@ありがとう
ID:≫ 1.6ekCz9QCfE6
コメント

クリップボードにコピーしました

この小説につけられたタグ

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は愛麗ちゃん@ありがとうさんに帰属します

TOP