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欠損ノ音

 99。
 赤。
 ひと。
 ひとつ。
 ひと欠け。

 音が逆さに落ちてくる。
 ポト、ポト、ポト。
 私の耳が先に破れたのか、世界が先にひび割れたのか、もうわからない。

 数字が喋る。
 口はないのに喋る。
 私より流暢に、私より正確に。

 [太字]カケテイルカケテイルカケテイル[/太字]
 その言葉だけが、脳の皮を内側からこする。
 はがす。
 はがれる。
 はがれた。

 視界の端で、机が笑う。
 椅子も笑う。
 空白までも笑う。

 なのに、私の顔だけが動かない。
 笑えない。
 動かない。
 止まったまま、数字だけが増えていく。

 9999。
 99999。
 9が増えるたび、私の“私じゃない部分”が膨らむ。
 先にどちらが消えるんだろう、とぼんやり思う。

 最後に残ったのは、ただひとつの声だった。

[太字] 「完全ハ、オマエヲ嫌ッタ」[/太字]

 意味は理解できた。
 その瞬間だけ、世界がきれいに割れた。

2025/12/09 16:11

愛麗ちゃん@ありがとう
ID:≫ 1.6ekCz9QCfE6
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