欠損ノ音
99。
赤。
ひと。
ひとつ。
ひと欠け。
音が逆さに落ちてくる。
ポト、ポト、ポト。
私の耳が先に破れたのか、世界が先にひび割れたのか、もうわからない。
数字が喋る。
口はないのに喋る。
私より流暢に、私より正確に。
[太字]カケテイルカケテイルカケテイル[/太字]
その言葉だけが、脳の皮を内側からこする。
はがす。
はがれる。
はがれた。
視界の端で、机が笑う。
椅子も笑う。
空白までも笑う。
なのに、私の顔だけが動かない。
笑えない。
動かない。
止まったまま、数字だけが増えていく。
9999。
99999。
9が増えるたび、私の“私じゃない部分”が膨らむ。
先にどちらが消えるんだろう、とぼんやり思う。
最後に残ったのは、ただひとつの声だった。
[太字] 「完全ハ、オマエヲ嫌ッタ」[/太字]
意味は理解できた。
その瞬間だけ、世界がきれいに割れた。
赤。
ひと。
ひとつ。
ひと欠け。
音が逆さに落ちてくる。
ポト、ポト、ポト。
私の耳が先に破れたのか、世界が先にひび割れたのか、もうわからない。
数字が喋る。
口はないのに喋る。
私より流暢に、私より正確に。
[太字]カケテイルカケテイルカケテイル[/太字]
その言葉だけが、脳の皮を内側からこする。
はがす。
はがれる。
はがれた。
視界の端で、机が笑う。
椅子も笑う。
空白までも笑う。
なのに、私の顔だけが動かない。
笑えない。
動かない。
止まったまま、数字だけが増えていく。
9999。
99999。
9が増えるたび、私の“私じゃない部分”が膨らむ。
先にどちらが消えるんだろう、とぼんやり思う。
最後に残ったのは、ただひとつの声だった。
[太字] 「完全ハ、オマエヲ嫌ッタ」[/太字]
意味は理解できた。
その瞬間だけ、世界がきれいに割れた。
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