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東方終焉譚~パチュリー・ノーレッジ編~

[打消し]                             [/打消し]『紅魔館の大図書館』。


そこでは、図書館の主ともいえる、パチュリー・ノーレッジが今日も本を読み耽っていた。


所狭しと並ぶ本たち。中には危険な魔導書もちらほらと混じって入る。


その中には、1つ、今までだれの目にもつかなかった、真っ白な本が棚の中にひっそりと入っていた。


まるでその本が、機会を窺っていたかのように。









































パチュリーは久々に、ほんの少しだけ館内を歩き他の本を探すことにした。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「ふぅ、それにしても最近は良さげな本を見ないわね」
最近は新しい本を見ていない…というよりも彼女自身が歩いて探したことはほとんどないからである。まるで家が図書館であるかのように過ごす彼女にとって、外は別世界のようなものに感じているのだろう。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「そういえば、こあがいないわね、どこ行ったのかしら」
ふとその疑問が浮かび上がり、無駄に動きたくはないがうろちょろしていると、1枚の紙切れが机に置かれていることに気づいた。




[打消し]                                            [/打消し]
パチュリー様へ
最近パチュリー様が新しい本を欲しそうにしていると思いましたので、少しの間本を探しに出かけてきます。
なかった場合はすみません。
頑張ってパチュリー様にふさわしい本を探してきますので、それまで待っていてください。



[右寄せ]こあより[/右寄せ]
[打消し]                                            [/打消し]
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「……仕方ないわね」
紙切れを1冊の本のページにしおり代わりとして挟み、もう一度彼女は棚を漁ることにした。…とそこへ。
















ゴトッ…
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「……?何、この本…」
何となく手にしたのは、表紙がまっさらな本。絵も題名も著者も何も書かれていない、空白の本だった。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字](……新しい本かしら?いいえ、それなら私の目についているはず…だったら古くからあったの?いや、それでもこんな本は私は一度も見たことはなかったはずよ……それならこの本は、何?)
色々と考えても思い当たる節はなかった。取り敢えず読めば記憶の奥底にあることでも思い出せると考えた彼女は、恐る恐るページをめくった。























[打消し]                                            [/打消し]
この幻想郷を終わりにしようか。でも、ただ終わらせるのはつまらない。誰かに話してもらおう。幻想郷の住民に語ってもらわないと。私が話すのは決して嫌ではないけれど、見ず知らずの私がこれを語ったとしても…いや、結局はどちらも[漢字]同じことに変わりはない[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・[/ふりがな]けれど。
誰に話してもらおうか。
寿命が永遠と続く[漢字]存在[/漢字][ふりがな]キャラクター[/ふりがな]がいいだろう。他の[漢字]者達[/漢字][ふりがな]キャラクター[/ふりがな]はどうしようか?藤原妹紅、彼女が一番適任だろうな。彼女には序章を飾る存在になってもらおう。それに、序章と同じくらい大事なフィナーレは…誰にしようかな?
結末はどうなるのか。私自身にも[漢字]まだ[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]分からない。
さて、ストーリーにどういう名前を付けようか。相応しいものがいい。…終焉に向かうなら。これが1つの物語なのだから。


















































[中央寄せ]『東方終焉譚』[/中央寄せ]
そう名付けさせてもらおうかな。
[打消し]                                            [/打消し]





































[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「……何なの、これ…」
結局は一部は読んだのだが、思い出すことはなかった。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字](幻想郷を終わらせる?私たちに語ってもらおう…?『東方終焉譚』…?意味が分からない…)
話が飛躍しすぎていまいち理解していなくとも、これが重要なことは彼女には分かった。それと同時に、誰かに伝えなければならない[打消し]        [/打消し]そう感じ、久々に走ろうとしたその時。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「…!!」
パチュリーは視線を動かす。そこには誰も居ない。しかし今の今まで感じなかったことが、彼女にはようやく見ることができた。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「そうなのね…そうだったのね…」
妙に上手くできていると思っていた。丁度1人の図書館、初めて見たかのような空白の本、今になって気付く数々の視線。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「…あなたたちでしょ、私を見ているのは」
この先は、彼女が知ることはなかった。
その瞬間、深紅の光が、パチュリーの視界を覆ったからである。














[大文字][大文字]ドォォオオオオンッ!![/大文字][/大文字]



















































[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字](治らないわね、このけが…)
彼女が何度魔法をかけても、一向に回復しない。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字](恐らく、私はもう不要ということね…)
冷たくなる体。粉々にされた紅魔館。彼女の手元には、傷1つない先程までの真っ白な本があった。パチュリー自身は傷や怪我だらけだというのに対し、その本だけはおかしいと言っていい程に無傷だった。レミリアの全力の『神槍スピア・ザ・グングニル』を直撃してはないものの、その近くに位置していたのなら無傷はありえないからだ。
力を振り絞って、本を読む。彼女は最後まで読み終えた時、はぁ、と何かを悟ったかのように溜息を吐いた。
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字](ああ、そういうこと。初めから、どうにもならなかったってことね…)
[太字]パチュリー・ノーレッジ[/太字]「…[小文字]レミィ、早く[漢字]こっち[/漢字][ふりがな]あの世[/ふりがな]に来たら許さないわよ[/小文字]」
ゆっくりと視界の色彩が消えて、[漢字]意識[/漢字][ふりがな]命[/ふりがな]を失う直前に見えたのは、[漢字]幻想郷にいない[/漢字][ふりがな]こちらを見ている[/ふりがな][漢字]人間[/漢字][ふりがな]私達[/ふりがな]だった。





































































[打消し]                       [/打消し]東方終焉譚に新たなページが追加された

作者メッセージ

ヒロアカ書きたい。でも別垢で投稿したい。パチュリーは私たちが彼女の置かれている状況を見ていることに気が付いた。一番真実に近いのは誰なのか。小説が生まれる度、死んだことになる存在が幾度なくいる。それを「架空」の存在だと思っている?もしかすると私たちも、また誰かに見られている「架空」の存在なのかもしれない。

2025/03/02 15:54

ビターチョコ
ID:≫ 01tP/3FyKl7KA
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