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XXしないと出られない部屋
世の中には最低二人、最悪それ以上の人数を閉じ込めてある条件を達成しないと出られない個性があるという。
もし一緒に閉じ込められた相手が私の想い人だったら、ヴィランであるその人は私のヒーローになっていたと思う。
でも現実は違うんだな、これが。
「……チッ。ビクともしねェ」
残念ながら一緒に閉じ込められた相手は幼馴染であり片思いの相手でもある切島くん、ではなくその親友の爆豪くん。
たぶん、小学生のときに切島くんにラブレターを渡して返事が来なかったから……、振られたのはわかってたけど再度告白する勇気も諦める勇気も無かった私は、一度だけ流れ星に願ったことがある。
『もう一度切島くんと遊びたい』と。
だって、ラブレターの返事がこないままどんな顔をして話しかければいいのかわからなくて、気がつけば疎遠になっていた。
付き合えなくてもいいから、せめて昔のように切島くんと話したいっていう私の傲慢が招いた結果閉じ込められたのなら、爆豪くんは巻き込まれただけの被害者。
ごめん、本当にごめん。声に出して説明したら生きて帰れる保証がないから言わないけど。伝われ、……いや伝わるなこの思い。
「そうだね……。にしてもベッド以外何もないね、この部屋。お風呂とかトイレくらいは欲しかったなぁ。後冷蔵庫とかキッチンとか……」
「はぁ?! 俺はンな部屋になんざ泊まる気はねェよ!! さっさとこの扉をぶっ壊して帰るぞ!!」
爆豪くんは苛立った口調で叫ぶと、再度扉を爆破した。
だがビクともしない。
扉の横に張られていた『XXしないと出られない部屋』と書かれた紙はとうの昔に燃え尽きて、その残骸が床に散らばっている。
そう、爆豪くんはこの部屋に入ったときからずーーーーっと、爆破を続けているんだ。
……本当に、本当にごめん。
そのタフネスさを見習って、この部屋を出たら切島くんに告白してみよう。
……万が一出られたら、の話だけどね。
「……やっぱ条件を飲まなきゃ出られない、よね……」
私は俯きながら、ポツリと呟いた。
本当に、本当にごめん。
もう事情を隠してないで説明するしかない。
「はぁ?!てめェが好きなのは俺じゃなくてクソ髪だろ!?ンな奴に手ェ出せるか!!」
……えっ。な、なんで知ってるの……?切島くん以外に言ったことないのに。
やばい、顔がめっちゃ熱い。恥ずかしすぎて顔がが上げられない。絶対顔赤くなってる。
「……な、なんで知ってる、の……?」
私達がこうやって会話を続けてる間もずっと爆破する音は響いてる。
爆豪くん、体きつくないのかな。
そう思って爆豪くんのほうを見たら掌が真っ赤に火傷していた。
きっと個性を使いすぎた結果だと思う。
普段はヒーロースーツを着てるからこういうことは少ないけど、今はタンクトップに短パン姿。
爆豪くんのあの手袋って大切なんだなぁ……。
「……ごめん、爆豪くん」
絞り出した声は、思ってたより震えてた。
ずっと俯いていたせいか、コンクリートの地面の一部が真っ黒に染まってる。
……いつの間に泣いてたの?頑張ってる爆豪くんに失礼だから、泣き止まないと。
「そのすぐ背負い込む癖どうにかしろや、このクソ◆◆!!そもそもてめェに責任はねーだろ、勝手に謝んな!!!後てめェは顔に出やすいから秒でわかるわ!!つってもクソ髪の野郎は鈍すぎてわかってねェけどな」
爆豪くんに申し訳無さすぎて、ずっと顔が上げられない。
本当は、私が流れ星に祈ったせいなのに……。私はズルいから、本当のことが言えない。
顔を覆って涙を零さないよう努力したけど、液体なんて止める素手はなくて、私の手をすり抜けるように地面へ流れてコンクリートを黒く汚してった。
……それはまるで、切島くんに振られた後のように。何度好きになるのを止めよう、と思っても、どれだけ距離が出来ても何年も話さなくても、あの太陽のようにキラキラと輝いてる切島くんの笑顔が忘れられない。
私の気持ちとは裏腹に、私の心さえもすり抜けていくのに。
「あ゛ー、ったく面倒臭ェ!!!ンなに好きならさっさと告ればいいだろーが!!!」
やれやれ、とでも言いたげなその口調は荒っぽいけど、その声色はとても優しかった。
やっと爆破が止まったと思えば、頭を撫でられた。
髪を梳かすように丁寧に撫でるその手付きは普段の爆豪くんの姿からは想像できないほど優しくて、それだけに巻き込んでしまった事実が胸に突き刺さってくる。
私は、こんなに優しい人に迷惑をかけてるんだ。その事実だけが残ってぐんぐんと胸を締め付けていく。
「ごめ、ん……。もう、した……。私、振られ、た、から……。ぐすっ。流れ星にお願いした、の」
不意に、爆豪くんに抱き締められた。
そして、あやすように優しく髪を撫でてもらって……。
私の背中に回った手が熱い。
私のせいで頑張って、ボロボロになったその手はきっと、個性のせいで焼けたから熱いんだ。
泣き止んで、私も脱出する方法を見つけなきゃいけないのに、思えば思うほど涙が溢れてくる。
すると、軽く頭を押され、私は爆豪くんの分厚い胸板に顔を押し付けてしまった。服、濡れちゃうのに……。
「……ッ、な、泣き止むまで大人しくしとけ。……っつか、何て願ったんだ?」
爆豪くんの性格は怒りっぽいけど、やっぱヒーローを目指すだけあって優しいんだ。
その優しさが胸に染み込むようで、申し訳無さと一緒に体が熱くなってくる。
私を抱きかかえる太い腕が、低く掠れてる男らしい声が、受け止めてくれる鍛えられた胸板が。
こうして抱き締められてると、嫌でも爆豪くんを意識してしまう。
「……また昔のように一緒に遊びたいって。振られたすぐ後、気まずくなっちゃったから……」
「はぁ?!彼奴から告られたなんて聞いてねーけどな。本当に告ったンか?」
何……?!私と切島くんのこと、何も知らないくせに……!!一言文句を言いたくて顔を上げたら、不機嫌そうに目を細めている爆豪くんと目が合った。
しかも、抱きしめてる腕の力が強くなってる。
……まさか、嫉妬してる、とか……?いやいや、まさかね。
「当たり前だよ!だって、小学生の時に切島くんの下駄箱に手紙を入れたんだから……」
強く抱き締められてるから、嫌でも爆豪くんの顔をまじまじと見てしまう。
……睫毛が長かったり、赤い瞳が不思議と宝石のように煌めいてるように見える。
その、爆豪くんだって轟くんに負けないくらいイケメンだから、顔が近いともっと意識しちゃうんだって……!爆豪くん、かなり鍛えてるからその、胸板を押すけどビクともしないし。
ずーっとニトロの匂いがする。たぶん、これが爆豪くんの匂いなんだ。
普通の人の汗とは違った独特な匂いだけど、好き、かも……?
「ンなら今回のこととは何も関係ねーだろ。っつか本当に切島の下駄箱に入れたんか?」
そんな爆豪くんは腕の力を少し緩めてくれたけど、私を離す気は無さそうで。その証拠に、優しく微笑みながらも落ち着かせるように抱き締めたままゆっくりと背中を撫でてくれる。
しかも、くつくつと喉を鳴らして楽しそうに笑ってるし……。
何、なんでそんなに飄々としてるの……?な、なんか凄く私の顔が熱い。それと爆豪くんがイケメンすぎて怖い。
「入れた、もん……。友達と、何度も確認したし……。は、離して……。も、泣き止んだ、から……」
「……そーかよ」
小さいけれど、優しくて聞き心地の良い爆豪くんの声が聞こえて。
不意に優しく頬を撫でられたと思ったら手慣れた手付きで顎を持ち上げられ、ルビーのような瞳に絡め取られ、だんだん顔が近づいてきて……。
思わず目を瞑ったその時だった。
突然爆豪くんの体が離れていくのを感じたと思えば力が入らなくて、その場に座り込んでしまった。
呆然としたまま目を開くと、フッと不敵に笑いながら見下ろしてる爆豪くんと目が合った。
その後ろにはゆっくりとドアが開いてて……。
「じゃあな、○○。てめーもさっさと帰れよ」
ぽんぽん、と頭を撫でられたと思えば、爆豪くんは開いたドアの向こうに去って行って、私は座り込んだままその逞しい背中を見送っていた。
そして、爆豪くんが遠くなるにつれて視界が広がって、私の方へと走ってくる切島くんの姿が見えた。
「おい、大丈夫……爆豪、●●に何したんだよ?!」
私の様子を見た瞬間、切島くんは爆豪くんを怒鳴りつけてそのまま追いかけて走り去ってしまった。
「ねぇ、大丈夫なん?!何されたん?!」
「ちょっと、爆豪と何があったの?!」
もし一緒に閉じ込められた相手が私の想い人だったら、ヴィランであるその人は私のヒーローになっていたと思う。
でも現実は違うんだな、これが。
「……チッ。ビクともしねェ」
残念ながら一緒に閉じ込められた相手は幼馴染であり片思いの相手でもある切島くん、ではなくその親友の爆豪くん。
たぶん、小学生のときに切島くんにラブレターを渡して返事が来なかったから……、振られたのはわかってたけど再度告白する勇気も諦める勇気も無かった私は、一度だけ流れ星に願ったことがある。
『もう一度切島くんと遊びたい』と。
だって、ラブレターの返事がこないままどんな顔をして話しかければいいのかわからなくて、気がつけば疎遠になっていた。
付き合えなくてもいいから、せめて昔のように切島くんと話したいっていう私の傲慢が招いた結果閉じ込められたのなら、爆豪くんは巻き込まれただけの被害者。
ごめん、本当にごめん。声に出して説明したら生きて帰れる保証がないから言わないけど。伝われ、……いや伝わるなこの思い。
「そうだね……。にしてもベッド以外何もないね、この部屋。お風呂とかトイレくらいは欲しかったなぁ。後冷蔵庫とかキッチンとか……」
「はぁ?! 俺はンな部屋になんざ泊まる気はねェよ!! さっさとこの扉をぶっ壊して帰るぞ!!」
爆豪くんは苛立った口調で叫ぶと、再度扉を爆破した。
だがビクともしない。
扉の横に張られていた『XXしないと出られない部屋』と書かれた紙はとうの昔に燃え尽きて、その残骸が床に散らばっている。
そう、爆豪くんはこの部屋に入ったときからずーーーーっと、爆破を続けているんだ。
……本当に、本当にごめん。
そのタフネスさを見習って、この部屋を出たら切島くんに告白してみよう。
……万が一出られたら、の話だけどね。
「……やっぱ条件を飲まなきゃ出られない、よね……」
私は俯きながら、ポツリと呟いた。
本当に、本当にごめん。
もう事情を隠してないで説明するしかない。
「はぁ?!てめェが好きなのは俺じゃなくてクソ髪だろ!?ンな奴に手ェ出せるか!!」
……えっ。な、なんで知ってるの……?切島くん以外に言ったことないのに。
やばい、顔がめっちゃ熱い。恥ずかしすぎて顔がが上げられない。絶対顔赤くなってる。
「……な、なんで知ってる、の……?」
私達がこうやって会話を続けてる間もずっと爆破する音は響いてる。
爆豪くん、体きつくないのかな。
そう思って爆豪くんのほうを見たら掌が真っ赤に火傷していた。
きっと個性を使いすぎた結果だと思う。
普段はヒーロースーツを着てるからこういうことは少ないけど、今はタンクトップに短パン姿。
爆豪くんのあの手袋って大切なんだなぁ……。
「……ごめん、爆豪くん」
絞り出した声は、思ってたより震えてた。
ずっと俯いていたせいか、コンクリートの地面の一部が真っ黒に染まってる。
……いつの間に泣いてたの?頑張ってる爆豪くんに失礼だから、泣き止まないと。
「そのすぐ背負い込む癖どうにかしろや、このクソ◆◆!!そもそもてめェに責任はねーだろ、勝手に謝んな!!!後てめェは顔に出やすいから秒でわかるわ!!つってもクソ髪の野郎は鈍すぎてわかってねェけどな」
爆豪くんに申し訳無さすぎて、ずっと顔が上げられない。
本当は、私が流れ星に祈ったせいなのに……。私はズルいから、本当のことが言えない。
顔を覆って涙を零さないよう努力したけど、液体なんて止める素手はなくて、私の手をすり抜けるように地面へ流れてコンクリートを黒く汚してった。
……それはまるで、切島くんに振られた後のように。何度好きになるのを止めよう、と思っても、どれだけ距離が出来ても何年も話さなくても、あの太陽のようにキラキラと輝いてる切島くんの笑顔が忘れられない。
私の気持ちとは裏腹に、私の心さえもすり抜けていくのに。
「あ゛ー、ったく面倒臭ェ!!!ンなに好きならさっさと告ればいいだろーが!!!」
やれやれ、とでも言いたげなその口調は荒っぽいけど、その声色はとても優しかった。
やっと爆破が止まったと思えば、頭を撫でられた。
髪を梳かすように丁寧に撫でるその手付きは普段の爆豪くんの姿からは想像できないほど優しくて、それだけに巻き込んでしまった事実が胸に突き刺さってくる。
私は、こんなに優しい人に迷惑をかけてるんだ。その事実だけが残ってぐんぐんと胸を締め付けていく。
「ごめ、ん……。もう、した……。私、振られ、た、から……。ぐすっ。流れ星にお願いした、の」
不意に、爆豪くんに抱き締められた。
そして、あやすように優しく髪を撫でてもらって……。
私の背中に回った手が熱い。
私のせいで頑張って、ボロボロになったその手はきっと、個性のせいで焼けたから熱いんだ。
泣き止んで、私も脱出する方法を見つけなきゃいけないのに、思えば思うほど涙が溢れてくる。
すると、軽く頭を押され、私は爆豪くんの分厚い胸板に顔を押し付けてしまった。服、濡れちゃうのに……。
「……ッ、な、泣き止むまで大人しくしとけ。……っつか、何て願ったんだ?」
爆豪くんの性格は怒りっぽいけど、やっぱヒーローを目指すだけあって優しいんだ。
その優しさが胸に染み込むようで、申し訳無さと一緒に体が熱くなってくる。
私を抱きかかえる太い腕が、低く掠れてる男らしい声が、受け止めてくれる鍛えられた胸板が。
こうして抱き締められてると、嫌でも爆豪くんを意識してしまう。
「……また昔のように一緒に遊びたいって。振られたすぐ後、気まずくなっちゃったから……」
「はぁ?!彼奴から告られたなんて聞いてねーけどな。本当に告ったンか?」
何……?!私と切島くんのこと、何も知らないくせに……!!一言文句を言いたくて顔を上げたら、不機嫌そうに目を細めている爆豪くんと目が合った。
しかも、抱きしめてる腕の力が強くなってる。
……まさか、嫉妬してる、とか……?いやいや、まさかね。
「当たり前だよ!だって、小学生の時に切島くんの下駄箱に手紙を入れたんだから……」
強く抱き締められてるから、嫌でも爆豪くんの顔をまじまじと見てしまう。
……睫毛が長かったり、赤い瞳が不思議と宝石のように煌めいてるように見える。
その、爆豪くんだって轟くんに負けないくらいイケメンだから、顔が近いともっと意識しちゃうんだって……!爆豪くん、かなり鍛えてるからその、胸板を押すけどビクともしないし。
ずーっとニトロの匂いがする。たぶん、これが爆豪くんの匂いなんだ。
普通の人の汗とは違った独特な匂いだけど、好き、かも……?
「ンなら今回のこととは何も関係ねーだろ。っつか本当に切島の下駄箱に入れたんか?」
そんな爆豪くんは腕の力を少し緩めてくれたけど、私を離す気は無さそうで。その証拠に、優しく微笑みながらも落ち着かせるように抱き締めたままゆっくりと背中を撫でてくれる。
しかも、くつくつと喉を鳴らして楽しそうに笑ってるし……。
何、なんでそんなに飄々としてるの……?な、なんか凄く私の顔が熱い。それと爆豪くんがイケメンすぎて怖い。
「入れた、もん……。友達と、何度も確認したし……。は、離して……。も、泣き止んだ、から……」
「……そーかよ」
小さいけれど、優しくて聞き心地の良い爆豪くんの声が聞こえて。
不意に優しく頬を撫でられたと思ったら手慣れた手付きで顎を持ち上げられ、ルビーのような瞳に絡め取られ、だんだん顔が近づいてきて……。
思わず目を瞑ったその時だった。
突然爆豪くんの体が離れていくのを感じたと思えば力が入らなくて、その場に座り込んでしまった。
呆然としたまま目を開くと、フッと不敵に笑いながら見下ろしてる爆豪くんと目が合った。
その後ろにはゆっくりとドアが開いてて……。
「じゃあな、○○。てめーもさっさと帰れよ」
ぽんぽん、と頭を撫でられたと思えば、爆豪くんは開いたドアの向こうに去って行って、私は座り込んだままその逞しい背中を見送っていた。
そして、爆豪くんが遠くなるにつれて視界が広がって、私の方へと走ってくる切島くんの姿が見えた。
「おい、大丈夫……爆豪、●●に何したんだよ?!」
私の様子を見た瞬間、切島くんは爆豪くんを怒鳴りつけてそのまま追いかけて走り去ってしまった。
「ねぇ、大丈夫なん?!何されたん?!」
「ちょっと、爆豪と何があったの?!」
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