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スズネコ様の「16兄妹はとにかくうるさい!?」と設定が似ておりますが、スズネコ様の承認を得ております。ご了承ください。

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【半参加型】塔で足掻く16人のものがたり

#6

#5 邂逅 (タム)

タム視点

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 ダダダダッ。
 ショウが、敵を散弾銃と連射銃で敵を蹴散らした。
 ソウタは、ラノが回収していったけど。

「さすが。ナイス」
「いや。タム兄ほどじゃない」
「嘘つくな。死体は、一、二、三、四、・・・七か」
「じゃあ、全員・・・」
「やあやあ、ゴミクズ二人。実験体No.1601、No.1605。久しいね」

 バッ、と地下入口のほうを見上げる。
 声音、口調、その容姿。
 自然と、身体が震えだした。

 コイツは――!
 俺達を使って数多の人体実験を行い、使えないと分かった途端に下層に捨てた正真正銘の人でなし。
 研究者、ロディアス。

「お前ッ!」
『――』
「おっと。通信しちゃダメだよ。ご主人様に反抗しちゃダメって何度も教えたよね?」

 数多におよぶ人体実験。骨、血、肉が飛散した実験室。
 地下深くに埋めた記憶が呼び起こされた。

 憎しみ。恨み。怒り。・・・殺意。

 感情に任せて、殴りつけようとした。
 が、腕が震えて動かない。
 全身の細胞が、戦いを拒否している。

「さて、死んでもらおうか」

 腕がショウの首に伸びる。ショウは反抗しない。

「やめろ」

 誰かが現れた。女性だった。
 深い青のドレスを着ていて、肌は異様に白く、肩にかかるくらいの白髪の女性。
 頭には、角が生えていた。片方は白、片方は黒。
 そして、その顔は、白いモヤで隠されていた。

 その女性は、ロディアスの前に立ちふさがり、ロディアスの首をぎりぎりと締めていた。

「ロディアス。お前はやりすぎだ」
「お前には関係ないだろう、《守り人》!」
「ある。ここは私の領域で、領域を守護するのが《私》だ」
「俺は領域を害する害獣だとでも言いたいのか!?」
「ああそうだ。今ここで殺してもいいのだぞ」
「お前は、できない。《守り人》は、住人に関与することはできないはずだ」
「別にできるが?」
「嘘をつくな。この俺が――」

 訳のわからない会話は続く。

 理解できない。
 この女性は誰だ。何故、俺達を助けた?

「ねえ」

 パキパキパキ、と音がした。
 周りを見ると、真っ白な立方体の中に移動していた。
 どこだ? 何の異能だ? ショウは無事か?

「案ずる必要はない。ここは異空間。あちらの世界は、今止まっている」
「・・・」
「疑うのも仕方がないな。私は《塔の守り人》。この塔の支配者にして管理者だ」

 絶対的強者。塔のすべての事象を言いなりにさせてしまう、そういうことなんだな。

「取り引きしよう。君たちは《私》の庇護下に入り、命令を聞く。そのかわり、私は君たちを[漢字]ロディアスから[/漢字][ふりがな]・・・・・・・[/ふりがな]守ってあげよう」
「・・・」

 正直、乗りたい。
 弟妹たちのためにも。

 だが、必ず裏があるはずだ。
 現に、コイツはロディアスから守る、とだけ言っている。他の脅威からは守ってくれないということだ。
 ロディアス以外に負けるなら、あの時は間違っていた、とでも言って見殺しにするのだろう。

「信じていない様子だね。まあ、無理もないか。
 命令、という表現は少々誤りがあったね。正しくは『頼み事』かな」
「・・・」
「分かりやすいように説明しよう。取り引きは二つ。
 一つ目。君たちは私の興味を引くものだ。だから、失いたくない。そのために、私の庇護下に入ってほしい。その代わり、[漢字]ロディアスからは[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・[/ふりがな]守ってあげよう。
 二つ目。庇護下に入るならば、不定期に『頼み事』をする。引き受けるも引き受けないも君たちの自由だ。やり遂げてくれたら、もちろん報酬はあげるよ」
「具体的に。『頼み事』って何だ?」
「人殺し」
「それだけだな?」
「人じゃないものも依頼するかもだけれど、殺すことには変わりないよ」
「分かった。受けよう」

 《守り人》は、不敵な笑みを浮かべた。目元は相変わらず、白いもやで見えない。

「感謝しよう。ああ、言っていなかったけど、君たちの中から三人、眷属として選ばせてもらおう。
 ・・・二番目と七番目かな。あと一人は後々決めるよ」
「眷属? 庇護下と同じではないか?」
「『眷属』は、私と魂の繋がりを持つ。それだけ言っておこうか。
 さて、現実に戻してあげよう」

 立方体が崩れ去り、気がつけば現実に戻っていた。
 先程と変わらぬ風景だった。

「ロディアス。死ね」

 《守り人》は、ロディアスの首を強く締めた。
 ロディアスは、粒子となって掻き消えた。

作者メッセージ

最近、切れ目が悪くて、1800文字とかいう長編が多いです。すみません。
最後まで読んで下さった皆様には感謝です! 本当にありがとうございます!
キャラクターの募集はずっと続けるつもりなので、何人でもお願いします!

では、また次のお話で。

2025/08/19 11:27

シロツメクサと朝ぼらけ
ID:≫ 1rbH5j8ImDtsI
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