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曲パロです

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《リクエスト募集中》曲パロ / プレイリスト

#24

ゆびきりレイン / カラフルピーチ


 ⚠ご注意

  筆者はカラフルピーチの動画を視聴したことがないため、一部解釈違いなどがあるかもしれません。

  理解度が低いです。すみません。

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦

「ね、××くん、帰ろ」
「あ、いいよ」

 幼馴染の○○。「彼氏ほしい〜」とか言ってたけど、かなりかわいい女の子。
 対して俺は、運動神経まあまあで性格△の低スペック。顔もフツーである。

 それなのに、○○はずっと一緒に居てくれる。
 まあ非リア同士仲良くしてくれてるんだと思いたい。

 参考書の類をカバンに押し込み、階段を駆け下りる。
 靴箱には、○○が待っていた。

「もう〜、遅いよっ」
「ごめんごめん」

 ふと昇降口のドアの先を見る。ザーザー降りの大雨だ。

「やべっ、傘持ってきてない」
「え〜、天気予報で言ってたよ」
「俺は遅刻ギリギリなの知ってるだろ、朝はテレビなんて見てる場合じゃないんだよ」
「ったく、今日は傘入れてあげるから」

 彼女はそう言いながら、靴箱からレインブーツを取り出した。
 そういえば、そのレインブーツを、前見たのはいつだっけ。

 中学校で、文化祭の準備のために二人で居残りした時だっけ。
 にわか雨が突然降ってきて、その時も彼女の傘に入れてもらった。
 あの時見た虹は綺麗だったな。

「お〜い、××くん。聞いてるー?」
「あ、ごめん、ぼーっとしてた」
「早く行こっ」
「ああ」

 急いで乱雑に靴を取り出し、足でどうにかいじって靴を浅く履く。

「行くよ」

 彼女の傘に入る。低くて背を若干曲げる。

「うん。あ、傘持つぜ」
「別にいいよ〜」
「俺が窮屈なの! お前の方が背低いんだからさぁ」

 ひょいっと、彼女の手から傘の柄を奪い取る。

「あっ! まあいいや、頼んだ」
「そういえば、小学校の頃はお前のほうが背高かったなぁ」
「見下せて良かったのに、今じゃ××のほうが大きいもんね」
「見下すってのはこんなにいい気分なんだな」
「なんだとっ!」
「ははっ、別にいいだろ! 小学校の分のやり返しだ」
「む〜っ」
「男子ってのは後伸びするタイプなんですぅ〜」
「うざっ。そんなんだからモテないんだよ」

 他愛もない話をしながら、踏み切りの時間を待つ。

「あっ、雨弱まった?」

 狭い傘から、右手を外に出す。手のひらに当たる水滴はまばらだった。

「俺、出るよ」

 傘の柄を彼女に押し付け、傘から出る。
 彼女は少しだけ不服そうな顔をしていた。

「ていうか、ほぼ降ってないぜ。傘畳んだら?」
「・・・そうだね」

 返ってくる返事は、予想よりずっと低い声だった。
 彼女は少し俯きながら、傘を畳んだ。

 電車が轟音を立てながら、通過していく。
 ゆっくりと、踏み切りの棒が上がっていく。

「? ほら、行くぞ」
「・・・うん」
「あ? どうした、さっきから」
「あのね、聞いてほしいんだけど」

 なんだ? 彼氏でもできたのか?
 そんなことを少しでも考えた自分を後悔した。

「あのさ、私、余命があと半年なんだ」
「はっ!?」

 思いがけない言葉に、大きく目を見開く。

「えっ、えっえっ嘘だろ? ドッキリかなんかか?」
「いや、本当」
「嘘だろ? だって、お前は今までずっと元気で・・・」

 彼女がこちらを見つめる。
 その目は涙で潤んでいた。しかも、泣き笑いするような顔で。

 信じたくなかった。

「ごめんね、言いたくなかった。ずっと前から、重い病気だったんだ。
 どうにか治療して、手術も受けて、今は回復したけど。もう、体が限界なんだって」
「・・・」
「悲しませたくなかったから、言わなかった。
 ・・・私だって、信じたくなかったよ。もっと、××といたかった」

 何か、励ましの言葉を言おうと思った。
 だが、口はぱくぱく動くばかりで、何も言葉が出てこなかった。

[小文字]「・・・うん。うん。大丈夫。」[/小文字]

 彼女は小声で何かを言った後、こちらに体の向きを揃えて、言った。

「好きです! 付き合ってください!」

 彼女の顔は、赤く染まっていて、泣きながら、何か覚悟を決めた顔だった。

「こちらこそ」

 そう言ったけど、その言葉は雨の音でかき消された。
 さっきまでほぼ止んでいたのに、ザーザーと再び降り始めた。

 彼女は、笑いをこらえきれないと言うかのように口を押さえて笑っていた。
 俺も、腹をかかえて笑った。少し、涙で滲んでいた。

 土砂降りの中、俺らは公園で遊んだ。
 笑いながら。

 雨が上がって、公園の蛇口を使って靴から泥を落とした。
 水たまりには、虹が映っていた。

「君だけを見つめる。だから、俺と、付き合ってください」

 俺は、頭を下げて、告白し返した。
 頭を下げたのは、誠意を示したかったのもそうだけど、顔を隠したかった。

 彼女は少し笑って、

「こちらこそ」

 と答えてくれた。

 笑いあいながら、僕らは別れた。

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦

「天国でも、元気にしてるかな」

 結局、アイツはあの時から九ヶ月くらい元気に過ごした後、倒れて入院して闘病して、天国に行った。
 ザーザー降りの雨の日、俺は必ずあの公園に寄り道する。

 夕立が上がって、俺は一人傘を畳む。
 水たまりの奥に、虹が見える。その先に、いつもアイツが笑っているような気がした。

2026/01/11 11:18

シロツメクサと朝ぼらけ
ID:≫ 1rbH5j8ImDtsI
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