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曲パロです
私は、テントで、毛布にうずくまって震えていた。
戦争に駆り出されるのだ。それも五回目。
一度目も、私は震えていた。
だけど、周りの子どもたちが、「悪魔どもを殺してやるぞ!」と盛り上がっていたから、恐怖が中和されたんだ。。
でも、今は違う。
「周りの子どもたち」は、今はいない。
大半が死に、残った数少ない子どもたちは自殺した。
残ったのは、私と「君」だけだった。
「君」は、二回目を終えた私に、笑いながら私に話しかけてくれた。嬉しかった。
戦争に賛成するような、終わってる人格を持っている訳でもなく、私は安心した。
「君」がいれば、私はいくらでも爆弾を投げられるし、いくらでも屍の山を築き上げられる。
「君」は、私の生きがいだったんだ。
「君」と出会うまでは、本当に戦争に出たくなかった。
明日なんて来ないでくれ、太陽よ昇らないでくれ。そうひたすらに念じていた。
だが太陽は理不尽なほどに昇り、回る。そして、永遠と私を嘲り笑うのだ。
死にたかった。
でも、兵士さんたちはそれを許さなかった。それはそうだ、有用な使い捨てのコマだったから。
だけど、「君」と出会うことができた。私は生き抜く覚悟ができた。
どんなに過酷な任務が課されようとも、「君」のためなら、生きるためなら何でもできたんだ。
一回目の後、兵士さんたちは私と「君」を会わせてくれなかったことが疑問に残るほどだ。
今日も、「頑張ろう」と「君」は言いながら、自分のテントに入って行った。
そうだ。「君」がいれば、私は最強なんだ。
そんなことを考えていると、テントのジッパーが開けられる音がした。
「管理番号--番、出陣だ。ついて来い」
兵士さんだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
今日も、たくさん人を殺したと思う。
二日、夜が明けても今回の戦いは続いた。
でも、勝利した。敵国もそろそろ傾きはじめると、兵士さんが言っていたから、そろそろ戦争が終わるはずだ。
軍隊の拠点で、夕食の招集がかけられ、テントから出た。
私は自然と、「君」の姿を探していた。
「君」を見つけられないまま、薄いスープと堅パンを受け取り、それを食べていると、隊長が大きな声で言った。
「速報だ。停戦協定が結ばれた。戦争は、終わったんだ」
兵士さんたちが、両手を挙げ、立ち上がり、歓喜の声を上げた。
私も、心の中では同じポーズをしていた。
「明日の早朝、列車に乗って本土に帰る。皆、支度をしておけ。そして、よく休め」
隊長は、優しかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「はい、どうぞ」
駅員さんに切符を渡し、ところどころ錆びれた列車に乗り込む。
座席なんてものはなく、床に座り込む。足を伸ばし、その上に荷物を乗せた。
「君」は、どこにも居なかった。
でも、私の中には、根拠のない、ゆるがない自信があった。「君」は生きていると。
八時間近くかかる列車の旅で、色々な人と話したが、誰も「君」の安否は知らなかった。
自信はあったけど、知りたかったから、色々な人に尋ねた。でも、分からなかった。
諦めはじめたのは、四時間が過ぎたころ。兵士さんたちも皆疲れて、眠っていた。
私も眠った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
目を覚ますと、まだ列車の中だった。あと一時間だった。
水がほしくて、隊長のもとを訪ねた。隊長は起きていたし、元気なようだった。
「おう、水か。ほれ」
水を飲み、諦めかけた低い声で彼に尋ねた。
「あの、――はどこに居るんですか?」
「・・・・・・知らない。天国かもしれないし、敵国の捕虜になっているかもしれない」
隊長は、思いも寄らない返答をした。
私は目を見張った。
「ど、どうして、ですか」
「俺が最後に見たのは、彼が土手っ腹を撃ち抜かれ、大量の出血をして、倒れたところだ。
拠点が落とされかけていたから、仕方なく撤退した。すまん。俺の、力不足だ。ごめんな。ごめんな」
隊長は優しかった。ぼろぼろと泣き、私に詫びた。
私は、涙が出なかった。呆然としていた。
隊長が立ち直った後、私はもとの場所に戻り、寝た。
――死にたい気分だった。
久しぶりに、夢を見た。
「君」との会話だった。
星降る夜空の下、隊長に秘密で二人で話していた。
私は、「弱くて臆病な自分を捨てたい。強くなりたい。それで、この辛い日々を壊したい」と意味の分からないことを打ち明けていた。
「君」は、それを笑うことなく、「願ったんなら、その夢を叶えよう。約束だ」と、小指を差し出した。
私は、「君」との約束を交わした。
でも、「君」は死んだ。約束は果たされなかった。
そこで目が覚めた。
そうだ。私は、
強くならなければならない。
死んだかもしれない君への手向けに。
何もすることができなかった、僕の、せめてもの償いに。
すっと立ち上がる。
列車は未だに走っている。
でも、少しずつ景色が薄れる。
光の粒子となり、また別の景色を形成する。
『私には、やらなければならないことがある。』
――目が覚めた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
目が覚めた。
病院だった。
白い清潔感のある天井のタイルが目に入る。
そうだ、「君」は。
重病に倒れた私に、僅かな希望をくれた。
毎日毎日、ただのクラスメイトだった私に、お見舞いに来てくれた。
最愛の親友だ。
でも、「君」は、引っ越して、この街から消えた。
『私には、やらなければならないことがある。』
あの日の約束。
「私は強くなって、この病院から退院する。それで、君に・・・」
会いに行くよ。
戦争に駆り出されるのだ。それも五回目。
一度目も、私は震えていた。
だけど、周りの子どもたちが、「悪魔どもを殺してやるぞ!」と盛り上がっていたから、恐怖が中和されたんだ。。
でも、今は違う。
「周りの子どもたち」は、今はいない。
大半が死に、残った数少ない子どもたちは自殺した。
残ったのは、私と「君」だけだった。
「君」は、二回目を終えた私に、笑いながら私に話しかけてくれた。嬉しかった。
戦争に賛成するような、終わってる人格を持っている訳でもなく、私は安心した。
「君」がいれば、私はいくらでも爆弾を投げられるし、いくらでも屍の山を築き上げられる。
「君」は、私の生きがいだったんだ。
「君」と出会うまでは、本当に戦争に出たくなかった。
明日なんて来ないでくれ、太陽よ昇らないでくれ。そうひたすらに念じていた。
だが太陽は理不尽なほどに昇り、回る。そして、永遠と私を嘲り笑うのだ。
死にたかった。
でも、兵士さんたちはそれを許さなかった。それはそうだ、有用な使い捨てのコマだったから。
だけど、「君」と出会うことができた。私は生き抜く覚悟ができた。
どんなに過酷な任務が課されようとも、「君」のためなら、生きるためなら何でもできたんだ。
一回目の後、兵士さんたちは私と「君」を会わせてくれなかったことが疑問に残るほどだ。
今日も、「頑張ろう」と「君」は言いながら、自分のテントに入って行った。
そうだ。「君」がいれば、私は最強なんだ。
そんなことを考えていると、テントのジッパーが開けられる音がした。
「管理番号--番、出陣だ。ついて来い」
兵士さんだった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
今日も、たくさん人を殺したと思う。
二日、夜が明けても今回の戦いは続いた。
でも、勝利した。敵国もそろそろ傾きはじめると、兵士さんが言っていたから、そろそろ戦争が終わるはずだ。
軍隊の拠点で、夕食の招集がかけられ、テントから出た。
私は自然と、「君」の姿を探していた。
「君」を見つけられないまま、薄いスープと堅パンを受け取り、それを食べていると、隊長が大きな声で言った。
「速報だ。停戦協定が結ばれた。戦争は、終わったんだ」
兵士さんたちが、両手を挙げ、立ち上がり、歓喜の声を上げた。
私も、心の中では同じポーズをしていた。
「明日の早朝、列車に乗って本土に帰る。皆、支度をしておけ。そして、よく休め」
隊長は、優しかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「はい、どうぞ」
駅員さんに切符を渡し、ところどころ錆びれた列車に乗り込む。
座席なんてものはなく、床に座り込む。足を伸ばし、その上に荷物を乗せた。
「君」は、どこにも居なかった。
でも、私の中には、根拠のない、ゆるがない自信があった。「君」は生きていると。
八時間近くかかる列車の旅で、色々な人と話したが、誰も「君」の安否は知らなかった。
自信はあったけど、知りたかったから、色々な人に尋ねた。でも、分からなかった。
諦めはじめたのは、四時間が過ぎたころ。兵士さんたちも皆疲れて、眠っていた。
私も眠った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
目を覚ますと、まだ列車の中だった。あと一時間だった。
水がほしくて、隊長のもとを訪ねた。隊長は起きていたし、元気なようだった。
「おう、水か。ほれ」
水を飲み、諦めかけた低い声で彼に尋ねた。
「あの、――はどこに居るんですか?」
「・・・・・・知らない。天国かもしれないし、敵国の捕虜になっているかもしれない」
隊長は、思いも寄らない返答をした。
私は目を見張った。
「ど、どうして、ですか」
「俺が最後に見たのは、彼が土手っ腹を撃ち抜かれ、大量の出血をして、倒れたところだ。
拠点が落とされかけていたから、仕方なく撤退した。すまん。俺の、力不足だ。ごめんな。ごめんな」
隊長は優しかった。ぼろぼろと泣き、私に詫びた。
私は、涙が出なかった。呆然としていた。
隊長が立ち直った後、私はもとの場所に戻り、寝た。
――死にたい気分だった。
久しぶりに、夢を見た。
「君」との会話だった。
星降る夜空の下、隊長に秘密で二人で話していた。
私は、「弱くて臆病な自分を捨てたい。強くなりたい。それで、この辛い日々を壊したい」と意味の分からないことを打ち明けていた。
「君」は、それを笑うことなく、「願ったんなら、その夢を叶えよう。約束だ」と、小指を差し出した。
私は、「君」との約束を交わした。
でも、「君」は死んだ。約束は果たされなかった。
そこで目が覚めた。
そうだ。私は、
強くならなければならない。
死んだかもしれない君への手向けに。
何もすることができなかった、僕の、せめてもの償いに。
すっと立ち上がる。
列車は未だに走っている。
でも、少しずつ景色が薄れる。
光の粒子となり、また別の景色を形成する。
『私には、やらなければならないことがある。』
――目が覚めた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
目が覚めた。
病院だった。
白い清潔感のある天井のタイルが目に入る。
そうだ、「君」は。
重病に倒れた私に、僅かな希望をくれた。
毎日毎日、ただのクラスメイトだった私に、お見舞いに来てくれた。
最愛の親友だ。
でも、「君」は、引っ越して、この街から消えた。
『私には、やらなければならないことがある。』
あの日の約束。
「私は強くなって、この病院から退院する。それで、君に・・・」
会いに行くよ。
- 1.1000年生きてる / いよわ
- 2.くろうばあないと / いよわ
- 3.ビターチョコデコレーション / syudou
- 4.Overdose / なとり
- 5.あの夏が飽和する。 / カンザキイオリ
- 6.モニタリング / DECO*27
- 7.化けの花 / なきそ
- 8.混沌ブギ / jon-YAKITORY
- 9.グッバイ宣言 / Chinozo
- 10.DAYBREAK FRONTLINE / Orangestar
- 11.アスノヨゾラ哨戒班 / Orangestar
- 12.電機 / 原口沙輔
- 13.共依存 / ちいたな
- 14.今はいいんだよ。 / MIMI
- 15.Be My Guest / Azari
- 16.ウルフィズム / ふぁるすてぃ
- 17.ギラギラ / Ado
- 18.アンヘル / かいりきベア
- 19.堕落ちゃん / ¿?
- 20.あいしていたのに / MARETU
- 21.IMAWANOKIWA / いよわ
- 22.Shadow Shadow / Azari
- 23.雨乙女 / Raon
- 24.ゆびきりレイン / カラフルピーチ