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曲パロです

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《リクエスト募集中》曲パロ / プレイリスト

#1

1000年生きてる / いよわ

 窓枠に身を乗り出し、外を眺める。

(あ、人間だ)

「ひっ、化け物!」

 人間は、尻尾を巻いて逃げて行った。

(化け物はそっちでしょうに)
(恥ずかしくないのかしらね)

(ああ、私も人のこと言えないか)
(私は、くだらない一人の命に執着し続けた)
(絵画の中に生きる地縛霊なのだから)

 窓枠は額縁。
 私は外側に出られない。絵画の中の世界に閉じ込められた地縛霊。

(どっかの偉人の画家が)
(描いたキャンバスを誰かが塗りつぶして)
(ガラクタの山で捨てられて)
(誰かを待ち続けていた)
(そこに現れたのが「彼」で)
(拾ってくれたと思えば、神様の怒号が轟いて)
(引き裂かれた「彼」と私)

 なんてくだらない典型的でありふれたストーリー。

(その後、謎の物品として世界を転々とした)
(「彼」がよかったから)
(狂ったフリして売られてを繰り返した)
(とっくのとっくに死んで消えた父母よ!)
(それがやっぱり最善手だったみたいね!)
(そして「彼」が拾ってくれたと思えば)
(「彼」もすでに狂っていた)
(私のことを知りたくて)
(わざと祭り上げて)
(正体を知れば私を捨てた)
(なんてくだらない矛盾の存在)
(ひねくれてひねくれて全部を嫌った)
(「彼」も「彼」の気持ちも)
(私と一緒に永遠を生きてる)

 後ろを向く。
 透明の立方体のケースに閉じ込められた、血濡れたナイフ。
 透明の立方体のケースに閉じ込められた、哀れな「彼」。

(彼は何も知らなかった)
(右利きになる方法も)
(深い恐怖の感情を消す方法も知らなかった)
(だから私に殺される恐怖を、未だに彼は抱え続けてる)
(殺してから1000年近く経つけどね)
(まあ、こんな汚かった生活を思い出しても無意味なだけか)

 「彼」を額縁の中に引っ張り込んで
 「彼」の喉元を――

 その感触は、今でも鮮明に思い出せる。
 大きな透明の立方体のケースに閉じ込められた、「彼」だったモノを一瞥し、また外を眺めた。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 私が飾られた美術室は、誰も入れなくなったみたいだ。

(面白いことないかなあ)
(「彼」だったモノに執着する意味もないし)
(こんな「彼」は「彼」じゃない)

 額縁の中の地縛霊は、
 立方体のケースに入れられたヒューマンを、
 ケースから解放し、
 額縁から放り投げた

(泣き腫らしたあの日々を)
(忘れられるなんて、なんて最高!)
(「彼」は生き返って何をするのか)
(アディショナルタイムの始まりだ)

 ヒューマンは、
 地縛霊の宿る絵画を一瞬だけ振り向いて
 絵画のある美術室から
 尻尾を巻いて逃げて行った。
 幾度も転びながら。

(「彼」はどうするんだろうね)
(私の奴隷で居続けるのか?)
(私の首に牙を立てるのか?)
(残り少ない寿命で何をするんだろうね?)
(観戦してあげるから)
(精一杯私を楽しませてね?)

(生き汚く生きて)
(「彼」の中の「私」を創ったら)
(それがまた)
(永遠を生きるかもしれないから)
(あなたの気持ちも永遠を生きるかもしれないから)
(また死にたくないのなら)
(精々頑張ることね)

 ふふふ。
 不敵な笑みが零れ落ちた。

作者メッセージ

歌詞の言い換えばっかです。

2025/08/28 21:41

シロツメクサと朝ぼらけ
ID:≫ 1rbH5j8ImDtsI
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