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某繁華街にirxsさんがいたら?のパロディ作品です!地雷ご注意ください!
「しょーちゃん!はやくはやく!!」
「まってや~、いむくん早いんやもん~…」
しょうちゃんはぶつぶつ文句を言っているけれど僕の胸はずっと高鳴っている。
なんてったって、今日は久しぶりに推しに会える日だもん!!!
「きゃ~!まじたのしみ!!」
「僕にはイマイチ分からんけどな…」
階段を駆け降りて分厚い壁の続く廊下を歩いていくとたくさんの女の子たちのざわざわとした騒ぎ声と甘ったるい香水の香りが広がっているこの空間は。
「現場来た~!!」
「今日もチェキ撮るん?ほんますきやなあ…」
メン地下の現場は謎ルールも多くて女の子たちがとにかく怖い。うちのところはみんななぜか後ろに行きたがる。後方彼女面?っていうのかな、相手にすらされないくせに滑稽だ。べつに広くないライブハウスの左端辺りに陣取る。今日は走ったおかげで最前だ。
客席の証明が消え、甲高い歓声と共に足の長いイケメンたちが登場する。その中でも特に目立つ長身はずんずんとこちらへ進んでくる。…今日もツラがいいな、相変わらず。僕の推しは無名のメン地下の端っこのクールぶっている彼だ。
「あ"~まじでよかったほんとに神すぎるありがと~…」
「今日も今日とていむくんはちょろ客やな。僕は真ん中のくにくんのが好みやけど…王子さまでかっこええやん。」
「端っこで頑張ってんのが燃えるんじゃん!!イベント始まるから早く~!!」
小さなハコの中のチェキスペースに移動する。色とりどりの服装をした女の子たちがいそいそと自分の推しの列に並んでいく。僕の推しはというと、明らかにガラガラな整理コーンの奥で長い手足をもて余している。
…相変わらず人気がない。ゆっくりと瞬きを繰り返す青い瞳はどこか儚げだ。
「いふくーん!!きたよー!今日はこのポーズで!!」
「おっ、ほとけくん!久しぶりやんな!来てくれてありがとう。」
「きゃー!覚えてくれてる!!今日もかっこよかったよー!!」
「覚えとるよー、いつもかわいい格好してるもん。」
この日は、いふくんが僕のことを覚えてくれている上にお洋服を褒めてもらい調子に乗りまくってしまったんだと思う。
気づけば僕は予算をはるかにオーバーしているのにも関わらずチェキのおかわりをし続けていた。(いふくん担が少なすぎて周りを気にせず撮りまくれるというのもある、絶対に秘密だけど。)
途中のしょうちゃんの忠告もそこそこにネットで見つけたポーズを次々といふくんと試していく。
「いむくん?そろそろサイフ空になるで?明日僕と映画行くのにどうすんの!!」
「え?まってー、あと1枚…あ、ほんとだもうない…」
「はは、使いすぎやねん、俺みたいなんに。今日はもう終わりにしよ。またきてな、ほとけくん。」
その後の帰り道は、いふくんとたくさんお話しできたというほくほくとした気持ちに加えて少しの罪悪感。またお金を使いすぎてしまった。明日の映画はしょうちゃんがずっと楽しみにしていたやつだ。だけれど今の僕は正真正銘無一文。
「…なぁ、いむくんさあ、ちょっとよくないんちゃう?その散財癖。見てるこっちが怖なっちゃったもん。」
「え?あー…そうかも、気を付ける。」
そう適当に返事はしたものの何をどう気を付けるかなんて考えていなかった。
チェキ一回が1500円。一回のライブが3500円で、2部あるから7000円。月イチの生写真が5種セット4900円。推しは不定期で配信もとるからお茶投げたりするなら3000円はないと名前読んでもらえない。
足りない。お金が足りない。ろくな学歴もないのでまともなところはまず雇ってくれないし、知らない誰かに股をひらくなんてのはもっての他だ。
でも実は、たったひとつだけ、ある。
働くための学歴も、頭脳も、身体を売る勇気もない僕がお金をゲットできるすごい場所。
「……帰るかぁ、家。」
「…おん、気を付けてな。」
「まってや~、いむくん早いんやもん~…」
しょうちゃんはぶつぶつ文句を言っているけれど僕の胸はずっと高鳴っている。
なんてったって、今日は久しぶりに推しに会える日だもん!!!
「きゃ~!まじたのしみ!!」
「僕にはイマイチ分からんけどな…」
階段を駆け降りて分厚い壁の続く廊下を歩いていくとたくさんの女の子たちのざわざわとした騒ぎ声と甘ったるい香水の香りが広がっているこの空間は。
「現場来た~!!」
「今日もチェキ撮るん?ほんますきやなあ…」
メン地下の現場は謎ルールも多くて女の子たちがとにかく怖い。うちのところはみんななぜか後ろに行きたがる。後方彼女面?っていうのかな、相手にすらされないくせに滑稽だ。べつに広くないライブハウスの左端辺りに陣取る。今日は走ったおかげで最前だ。
客席の証明が消え、甲高い歓声と共に足の長いイケメンたちが登場する。その中でも特に目立つ長身はずんずんとこちらへ進んでくる。…今日もツラがいいな、相変わらず。僕の推しは無名のメン地下の端っこのクールぶっている彼だ。
「あ"~まじでよかったほんとに神すぎるありがと~…」
「今日も今日とていむくんはちょろ客やな。僕は真ん中のくにくんのが好みやけど…王子さまでかっこええやん。」
「端っこで頑張ってんのが燃えるんじゃん!!イベント始まるから早く~!!」
小さなハコの中のチェキスペースに移動する。色とりどりの服装をした女の子たちがいそいそと自分の推しの列に並んでいく。僕の推しはというと、明らかにガラガラな整理コーンの奥で長い手足をもて余している。
…相変わらず人気がない。ゆっくりと瞬きを繰り返す青い瞳はどこか儚げだ。
「いふくーん!!きたよー!今日はこのポーズで!!」
「おっ、ほとけくん!久しぶりやんな!来てくれてありがとう。」
「きゃー!覚えてくれてる!!今日もかっこよかったよー!!」
「覚えとるよー、いつもかわいい格好してるもん。」
この日は、いふくんが僕のことを覚えてくれている上にお洋服を褒めてもらい調子に乗りまくってしまったんだと思う。
気づけば僕は予算をはるかにオーバーしているのにも関わらずチェキのおかわりをし続けていた。(いふくん担が少なすぎて周りを気にせず撮りまくれるというのもある、絶対に秘密だけど。)
途中のしょうちゃんの忠告もそこそこにネットで見つけたポーズを次々といふくんと試していく。
「いむくん?そろそろサイフ空になるで?明日僕と映画行くのにどうすんの!!」
「え?まってー、あと1枚…あ、ほんとだもうない…」
「はは、使いすぎやねん、俺みたいなんに。今日はもう終わりにしよ。またきてな、ほとけくん。」
その後の帰り道は、いふくんとたくさんお話しできたというほくほくとした気持ちに加えて少しの罪悪感。またお金を使いすぎてしまった。明日の映画はしょうちゃんがずっと楽しみにしていたやつだ。だけれど今の僕は正真正銘無一文。
「…なぁ、いむくんさあ、ちょっとよくないんちゃう?その散財癖。見てるこっちが怖なっちゃったもん。」
「え?あー…そうかも、気を付ける。」
そう適当に返事はしたものの何をどう気を付けるかなんて考えていなかった。
チェキ一回が1500円。一回のライブが3500円で、2部あるから7000円。月イチの生写真が5種セット4900円。推しは不定期で配信もとるからお茶投げたりするなら3000円はないと名前読んでもらえない。
足りない。お金が足りない。ろくな学歴もないのでまともなところはまず雇ってくれないし、知らない誰かに股をひらくなんてのはもっての他だ。
でも実は、たったひとつだけ、ある。
働くための学歴も、頭脳も、身体を売る勇気もない僕がお金をゲットできるすごい場所。
「……帰るかぁ、家。」
「…おん、気を付けてな。」