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某繁華街にirxsさんがいたら?のパロディ作品です!地雷ご注意ください!
玉ねぎを切って、炒める。
肉は食べやすいように小さめに。
あいつはにんじんが嫌いやから、細かくして避けて食べないように。
ここで食う飯くらいは栄養のあるもの食べてもらわんと。あいつらは育ち盛りやし。
「よし、あとはルーを入れるだけ…」
1人で作業をしていると背後から騒がしい気配が。
その気配は乱暴にドアを開けドタドタとこちらに向かってくる。きゃっきゃっと話しながら歩いてくるこいつらはきっと。
……やっぱ帰ってきちゃったか。今回はもしかしてと思ったんやけどな…
「ゆうくーん!!ただいま!!」
「あにきー!!えめっちゃいい匂いする!!なにこれ!?」
「ほとけ、しょうおかえり。はよ手洗ってき。あー、しょうはいったんこっちな。」
ほとけははーいなんて間の抜けた返事をして行った。でもここ最近は話しかけても上の空、飯も拒否してたので嬉しそうな様子に少し安心する。病んだあいつを宥めるのは本当に骨が折れる。
「…ごめんな、ゆうくん。帰ってきちゃった笑」
あぁ、頼むからそんな風に苦々しく笑わないでくれ。見ているこちらの胸が締め付けられる。
「ええんよ、ここはいつだってお前の居場所やし。逃げてこれて偉かったな。」
そういって真っ白な頭をわしわしとかき回す。しょうの表情がゆっくり柔らかなものになっていく。
…かわいい。
「しょう、怪我ないか?」
「うん。」
「なら花丸や。手あらってき。」
「…うん!」
小さな後ろ姿が遠のくと途端に静かになるキッチン。こういうとき、ああ俺ってこんなことしかしてやれることがないのかと改めて想い知らされる。
きっとしょうはまた苦しめられたんだろう。
…社会のいう幸せは、家に返され家族と暮らすこと。ここに帰ってきてしまったことは俺がしょうの役に立てていないことの証明。
…やけど、なんでかな。しょうが帰ってきた
ことに安心してしまう自分が胸の奥で引っ掛かる。
少なくとも、ここにいればあいつらが傷つくことはない。…このキッチンでこんなことを考えるのは何回目になるのだろうか。