「なぁ、テツ。本当にこの方角で合ってんの」
「だってリト君、デバイスがそう言ってるんだもん。もうすぐ近くまで来てるよ、俺達」
俺がテツと行動を共にして一週間。初めはお互いに少し緊張していてよそよそしかったのも、段々と打ち解けてきてテツが俺を下の名前で呼ぶようになった頃だ。
俺達が探している、エウリスにいる人物はかなり行動的らしく、延々と追いかけっこをしている気分だ。最初はエウリス海岸にいたのが、翌日には極寒のグラキエル、数日後には西のオクシデア、そして今は南のノトリア。僅か1週間で全方角を網羅してやがる。何をしているんだ、此奴は。
観光地から少し外れた郊外のノトリアは快晴。真っ青な空に、一本の飛行機雲。
ガコン!
途中で買って既に飲み干した缶コーヒーの空き缶を、道端の自販機の隣に備え付けられたごみ箱に投げ入れる。
「うぇ〜い、ナイッシュー」
「うぇ〜い」
こんなつまんないような午後も少しふざけて楽しんで、俺達はまた新たな仲間の元へ歩き出す。
[水平線]
「ちょいちょいちょい、人多すぎwwwはぐれる〜テツ~あ〜www助けてwww」
「リト君、待って待って。いや、マジでこんなに人がいるとは思わなかったもん、だって!」
テツのデバイスに従ってやって来たのは、ノトリアの超有名観光地。その名もノトリア市場。天下の台所と呼ばれ、各地の特産品が破格の値段で買える。あちらでは綺麗な織物や宝石が光り、こちらでは新鮮な果物や魚が売られている。だがそれらをゆっくりと見る暇もなく、大量の人に押し流されながら俺達は必死に歩く。
店と店の隙間に、1台の自販機がスッポリと収まりそうな空間を不意に見つけた。
「テツwwwあの、一回避難しよう」
俺は後ろを振り向いて叫んだ。テツの姿が見えない。
「テツ、お前どこにいんだwww」
にしても…何か……焦げ臭い?
「誰か水を!」
「調理に使っていた火が燃え移ったんだろうな」
「ママぁ、あの男の人死んじゃうの?」
「こら、そんな縁起でもないことを言わないの」
まさか………嘘だろ。
気が付けば俺は、微かに聞こえるテツの声を頼りにテツの元へ駆け出していた。
「すみません!友達なんです、どいて下さい!」
沢山の人を押しのけて、やっとテツの姿が見えた。テツの服を、真っ赤な炎が包んでいる。
「燃え移るといけないから、離れてください!」
当の本人は全く自分が火に包まれていることを気にもとめず、近くにいる人に離れるように呼び掛けている。
[太字][大文字]「おい、テツ!!」
[/大文字][/太字]
俺は居てもたってもいられず、テツの服を脱がそうとテツに手を伸ばした。火なら俺だって慣れっこだ。俺の声に気が付いたテツは、パァッと安心したような表情を浮かべてこう言った。
「あ、リト君!俺、一回死ぬよ!そっちのほうが怪我も残らないし楽だから」
「は?!バカだろ、お前」
俺はこの時は心底呆れたが、あの時不発弾の破片に全身を貫かれて内臓破壊も起こしたテツが、怪我も治った状態でケロリと生き返ってきた事を思うと、ほっといたほうが良いかもしれないと段々感じた。
[小文字]ドドドド……![/小文字]
周囲の人達がパニックになる中、テツは目を瞑って自分が死ぬのを冷静に待っている。
ドドドド……!
一旦テツを看取る俺。両手に腰を当てて、テツが炎に包まれていくのを見届けている。
「あ…ヤバい、デバイス壊れる!リト君、預かってて!」
「え?!あ、わかったよ」
[太字]ドドドド…![/太字]
何か、誰か全力疾走でこっちに走ってきてね…?
[太字][大文字]ドドドドドドドドドドドド!![/大文字][/太字]
[太字][大文字]「ちょっとぉ~!何ボンヤリしてんのよ、あんたたち〜!」
[/大文字][/太字]
全身真っピンクの男が、ティラノサウルスみたいな勢いで突進してきた。
[太字][大文字]バーン![/大文字][/太字]
そんな漫画チックな幻聴すら聞こえるような迫力だった。
「だってリト君、デバイスがそう言ってるんだもん。もうすぐ近くまで来てるよ、俺達」
俺がテツと行動を共にして一週間。初めはお互いに少し緊張していてよそよそしかったのも、段々と打ち解けてきてテツが俺を下の名前で呼ぶようになった頃だ。
俺達が探している、エウリスにいる人物はかなり行動的らしく、延々と追いかけっこをしている気分だ。最初はエウリス海岸にいたのが、翌日には極寒のグラキエル、数日後には西のオクシデア、そして今は南のノトリア。僅か1週間で全方角を網羅してやがる。何をしているんだ、此奴は。
観光地から少し外れた郊外のノトリアは快晴。真っ青な空に、一本の飛行機雲。
ガコン!
途中で買って既に飲み干した缶コーヒーの空き缶を、道端の自販機の隣に備え付けられたごみ箱に投げ入れる。
「うぇ〜い、ナイッシュー」
「うぇ〜い」
こんなつまんないような午後も少しふざけて楽しんで、俺達はまた新たな仲間の元へ歩き出す。
[水平線]
「ちょいちょいちょい、人多すぎwwwはぐれる〜テツ~あ〜www助けてwww」
「リト君、待って待って。いや、マジでこんなに人がいるとは思わなかったもん、だって!」
テツのデバイスに従ってやって来たのは、ノトリアの超有名観光地。その名もノトリア市場。天下の台所と呼ばれ、各地の特産品が破格の値段で買える。あちらでは綺麗な織物や宝石が光り、こちらでは新鮮な果物や魚が売られている。だがそれらをゆっくりと見る暇もなく、大量の人に押し流されながら俺達は必死に歩く。
店と店の隙間に、1台の自販機がスッポリと収まりそうな空間を不意に見つけた。
「テツwwwあの、一回避難しよう」
俺は後ろを振り向いて叫んだ。テツの姿が見えない。
「テツ、お前どこにいんだwww」
にしても…何か……焦げ臭い?
「誰か水を!」
「調理に使っていた火が燃え移ったんだろうな」
「ママぁ、あの男の人死んじゃうの?」
「こら、そんな縁起でもないことを言わないの」
まさか………嘘だろ。
気が付けば俺は、微かに聞こえるテツの声を頼りにテツの元へ駆け出していた。
「すみません!友達なんです、どいて下さい!」
沢山の人を押しのけて、やっとテツの姿が見えた。テツの服を、真っ赤な炎が包んでいる。
「燃え移るといけないから、離れてください!」
当の本人は全く自分が火に包まれていることを気にもとめず、近くにいる人に離れるように呼び掛けている。
[太字][大文字]「おい、テツ!!」
[/大文字][/太字]
俺は居てもたってもいられず、テツの服を脱がそうとテツに手を伸ばした。火なら俺だって慣れっこだ。俺の声に気が付いたテツは、パァッと安心したような表情を浮かべてこう言った。
「あ、リト君!俺、一回死ぬよ!そっちのほうが怪我も残らないし楽だから」
「は?!バカだろ、お前」
俺はこの時は心底呆れたが、あの時不発弾の破片に全身を貫かれて内臓破壊も起こしたテツが、怪我も治った状態でケロリと生き返ってきた事を思うと、ほっといたほうが良いかもしれないと段々感じた。
[小文字]ドドドド……![/小文字]
周囲の人達がパニックになる中、テツは目を瞑って自分が死ぬのを冷静に待っている。
ドドドド……!
一旦テツを看取る俺。両手に腰を当てて、テツが炎に包まれていくのを見届けている。
「あ…ヤバい、デバイス壊れる!リト君、預かってて!」
「え?!あ、わかったよ」
[太字]ドドドド…![/太字]
何か、誰か全力疾走でこっちに走ってきてね…?
[太字][大文字]ドドドドドドドドドドドド!![/大文字][/太字]
[太字][大文字]「ちょっとぉ~!何ボンヤリしてんのよ、あんたたち〜!」
[/大文字][/太字]
全身真っピンクの男が、ティラノサウルスみたいな勢いで突進してきた。
[太字][大文字]バーン![/大文字][/太字]
そんな漫画チックな幻聴すら聞こえるような迫力だった。