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人間



あーあ、落ちちゃった。

真っ赤なのが、転がって泥がついた。

みんな「綺麗だね」って言いながら、それを拾う指先が、欲張りに震えてる。



ねえ、これって「拾いもの」?

それとも「奪いもの」?


僕らは、誰かの真似をして服を着る。

恥ずかしいからじゃなくて、中身が空っぽなのがバレるのが怖いから。

お揃いの布を纏って、安心という名前の毒を、ちびちびと飲む。



左の脇腹が、ときどきチクっとするんだ。

何かを差し出した記憶なんてないのに、最初から、僕らは欠けて生まれてきたみたい。



足りないものを埋めるために、「愛」とか「正義」とか、賞味期限の切れたシールを貼り合っている。



ねえ、見て。

あの人は、自分の影を切り刻んで食べてるよ。

それが一番、手っ取り早い「栄養」なんだって。



賢くなったつもりで、僕らはどんどん、バカなフリが上手くなる。

透明なカゴの中で、 外の世界を「地獄」と呼んで笑うんだ。



ねえ、本当の地獄は、この実が、実は「ただの石ころ」だったと
気づいてしまう瞬間じゃないかな。

一番最初に嘘を教えたのは、足のない、お喋り上手な誰かだったっけ?

「知れば自由になれるよ」なんて、 今思えば、最大級のジョークだね。


自由になったはずの僕らは、今じゃ「いいね」の数で首を絞め合って、土に還る日を指折り数えてる。




ねえ、神様。

あなたが作ったこの箱庭、 もう、飽きちゃった。



次は、何を食べて 何を知ったフリをする?




2026/02/02 22:00

人間
ID:≫ .17gmtoznyuzg
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