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井伊の赤鬼

虎松(後の井伊直政)は、幼き頃に父を亡くしていた。
主君の今川氏真に、敵の松平元康(後の徳川家康)との内通を疑われて[太字]殺された[/太字]。
幼くして父を亡くした虎松を支えたのが、井伊直虎であった。井伊家は今川を見限り、徳川についた。
虎松は、徳川家康に仕えることになったが、心の中では[太字]父が殺された原因[/太字]に命をかけたくないと思っていた。
家康に仕えてからは、名を虎松から万千代に改めた。
家康に仕えてから数ヶ月ほど経った時のことだ。
家康が鷹狩りに行く供をすることになった。
何か音がした。森の影で何かが動いた…。
その影は家康に向かって走ってきた。忍び(忍者)だ!
俺は家康を守ろうと刀を抜こうとした。だが、ふと一つの考えが頭をよぎった。
家康は俺の父の仇、守って何がある?
俺は刀を抜こうとした手を止めた。
忍びが家康を刺そうとしたその時…
[太字][斜体]キンッ!![/斜体][/太字]
家康の家臣、本田忠勝が家康と忍びの間に入り、忍びと刀を交えた。
忍びは舌打ちをすると走り去っていった。
「ご無事でございますか!」
忠勝は家康に叫んだ。
「大丈夫だ、礼を言う、忠勝」
家康は淡々と答えた。
忠勝はこちらを見ると凄まじい勢いで怒鳴った。
[太字][大文字]「何をやっている!貴様!殿のお側にありながら何故殿を助けようとしなかった!![/大文字][/太字]
「………………。」
[太字]「こら!何か言わんか!」[/太字]
「…うるさい。」
[太字]「なっ!?」[/太字]
[太字][大文字]「俺だってこんな奴に仕えたくはなかった!!」[/大文字][/太字]
俺は家康を指差してそう叫ぶと、山の方へ走って行った。
「貴様!殿に向かって何という事を!」
忠勝は万千代を追いかけようとした。
「待て、忠勝。………皆は先に城へ帰っておれ。」
「ですが殿!まだ敵が潜んでいるやも知れませぬ!」
家臣達が家康に対して反論する。
「万千代はわし1人に任せてくれんかの。」
「ですが!」
[太字]「ええい!やかましい!殿がそうしろとおっしゃるのであればわしらはそれに従うまでよ!」[/太字]忠勝はそう叫び城に向かって歩いて行った。


万千代は木の影でしゃがんでいた。
「なんで父が殺された原因なんかのために俺が命をかけなければいけないんだよ…」
1人でボソボソと愚痴を吐いていると、茂みから音がした。そちらを見ると…
「…家康!?」
「おおっ!おったおった。」
家康は俺を見つけると俺の隣に腰を下ろした。
「…なんだよ」
「…おぬしには話しておきたいことがあってな。」
「お主の父の直親殿とは子供の頃仲良くさせてもらっていた。」
「…父上と?」
「だからこそ、今回、直親殿が殺された事は、私も心を痛めているんだ…。」
「………。」
「私は、直親殿を救いたかったが…わしの力不足で………!」
「万千代!本当に…申し訳なかったっ!」
家康が万千代に向かって頭を下げた。
「…そんなこと話したって…何も変わんねえよ。」
「…そうか。」
「…では、おぬしの、[太字]万千代[/太字]という名をつけた理由を知っておるか?」
「知らねえよ」
「わしの幼名の[太字]竹千代[/太字]から千代をとったのじゃ。」
「家康の?なんでだよ」
「お主の父上にはいつも良くしてもらった。時には戦で助けてもらったり…。」
「その直親殿の子息だから。というのもあるが…なによりも…」
[太字][大文字]「お主を信頼しておるからじゃ」[/大文字][/太字]
「え?」
「信頼しておるぞ、これからも…な?」
「はぁ?」
「さぁ…城に帰ろう。」
「……。」
万千代は返事もしなかったが、家康の隣を歩いていた。


それから万千代は、稽古に励むようになった。
[太字]「脇が甘いぞ!!」[/太字]
俺は忠勝に鍛えてもらうことになった。こいつ力ばかりは強くて一度も勝てたことがない。本人いわく、戦で傷がついたことが一度もなかったとか。
[太字]「そんなようでは殿をお守りすることはできんぞ!」[/太字]
「おりゃぁ!」
[斜体][太字]カン![/太字][/斜体]
万千代は忠勝に跳ね返された。
「う…やっぱりこいつ強い。」
「おぉっ励んでおるなぁ」
声の主は、徳川四天王の1人に数えられる榊原康政だ。
「康政様!」
忠勝があきれながら万千代に言う
「お前なぁ…俺には言葉遣い荒いくせに康政には丁寧だな…。」
「お前には尊敬できる場所がないからだ」
[太字]「なんだと!この小僧っ!!」[/太字]
「まぁまぁ、お前も力ばかりで人には理解されにくいからな」
康政が笑いながら忠勝の肩を叩いて言う。
「万千代、殿をお守りできるように頑張れよ」
「はい!康政様!」
(忠勝にも康政様にも…こんなに家臣達が家康に命をかけようとしてるのか…皆に信頼されているんだな…家康は……。)
万千代の中で、何かが変わろうとしていた。万千代が全国に名を轟かせるまで、残り9年をきっている時のことであった。


______1582年
信長のもてなしで家康一行が堺見物をしている時のことであった。
[太字]「家康様ぁぁー!」[/太字]
茶屋四郎次郎が家康の元へ走ってきた。
「どうした?」
「明智日向守が謀反により!信長様、本能寺にて御自害!並びに信忠卿、二条新御所にて御自害あそばされたよし!」
「!!!!」
一同がざわめいた。
「信長様が!?」
忠勝が動揺している。
「謀反人!明智日向守光秀を成敗する!」
家康が叫ぶ。
「…ですが光秀は家康追討の命令を出しているらしいですぞ」
康政が家康に答える。
「…周りは敵だらけ、という事でございますな。」
万千代が口を開いた。
そこへ側についていた服部半蔵が家康にささやく。
「伊賀を越える…というのはいかがでしょう。」
「……伊賀越えか。…わかった、皆の者!伊賀を越えるぞ!!!!」
家康が一同に叫ぶ。
[太字][大文字]「おおおおおおお!」[/大文字][/太字]


その後、伊賀を無事越えた一行は、秀吉に一足先に光秀を討ち取られたことを知る。
秀吉は、信長の後を継ぎ、天下を取ろうと画策する。それに反発した織田家重臣、柴田勝家、織田信長の三男、織田信孝らが秀吉と戦を交えるが敗北、自害する。
一方徳川家中では、万千代は元服、井伊直政と名乗ることになる。そして武田の遺臣を直政が受け継ぐことになる。
武田の元家臣で、直政に仕えることとなった広瀬郷左衛門と三科形幸が話している。
「…あんな若造に仕える事になるとはな…」
郷左衛門が不満そうに言う。
「…まぁ、お手並み拝見だな〜」
郷左衛門を見て形幸が微笑みながら言った。


そんな中、織田信長の次男、織田信雄が秀吉の暴走を止めるべく、家康に助けを求める。
「信雄殿に協力して秀吉と戦うぞ!」
家康が家臣を集めて皆に伝えた。
1584年3月 家康が小牧山に本陣を置く。一方、秀吉は楽田に本陣を置いて、小牧山を北東から包囲して諸将を布陣させた。
____世にいう、小牧・長久手の合戦である。
4月5日、徳川軍と羽柴軍が激突、直政が先端を切った。
「はっははは!大将が家臣より前に出て戦うなんて見た事ないぜ!おもしろい!」
形幸が笑いながら敵を薙ぎ倒して言った。
「あぁ…まるで昌景様だな…。」
郷左衛門も敵を倒しながら進んでいった。
____一方敵陣では
「うわぁぁ!」
[斜体]ズバッ![/斜体]
「まだまだだーっ!」
直政が敵陣まで侵入、羽柴軍を翻弄している。
「くそっ!今まで名もなかった奴がここまで強いなんて!…ぐわっ!」
[太字][斜体]ズバッ![/斜体][/太字]
羽柴軍の森長可が叫ぶ。
[太字]「皆の者ー!撤退じゃ!退けっ!退けーーーっ!」[/太字]
「あれはまるで…赤鬼じゃあ!くそぉ…井伊直政ぁーーー!」
長可は悔しそうに叫びながら陣から撤退した。
「…井伊の赤鬼、か」
羽柴軍本陣にいる秀吉は舌打ちをした。
「我が軍は押されている。撤退しろ。」
[太字]「ハハーーーッ!」[/太字]


______その後、織田信雄の無断の和議により、家康が戦う理由をなくしてこの戦は終結した。
「……若造だと思って甘く見ていたが、我らの主君としてふさわしいかも…な。」
郷左衛門が頭をかきながらそう言う、
「…そうだなー」
形幸も笑いながら言った。
最終的には家康が秀吉に従う形にはなったが、この戦いで、直政は井伊の赤鬼、として全国に名を轟かせる。
次第に、直政は徳川家臣からも認められるようになっていった。


______1600年、関ヶ原の合戦
徳川家康と石田三成の決戦である。
直政の姿は、家康の東軍、福島正則の陣にあった。
「おい、この戦の先鋒はこの福島正則だぞ。まさか抜け駆けしようとしていないだろうな?」
福島正則が直政を睨みながら言う。
「家康様のご子息が戦の見学をするためにここにいるだけだ。」
直政が答える。
「………そうか」
不満そうながらも正則はそう返事をした。
だが、直政は抜け駆けをしたのである。
「おいこら直政ぁ!手柄を横取りしようとしおって!われらも早く出陣じゃ!!!」


______はじめは数に勝る三成の西軍が優勢だったが、西軍の主力、小早川秀秋の裏切りにより東軍が勝利する。
そんな中、家康の陣にまっすぐ向かってくる軍勢があった。
「…あれは、島津!」
「島津義弘の軍勢じゃー!!!」
「…まずいな、家康様の本陣にぶつかられたら…殿が生きている保証はないぞ!」
直政はそういうと馬にまたがった。
「お待ちください!直政様!あれは攻撃に見せかけた撤退やもしれませぬ!追うだけ無駄では?」
「もし攻撃であったらどうするのだ?それからではもう遅いぞ!わしは行く!殿をお守りするのじゃー!」
直政は島津の軍勢に向かって1人で走っていく。
「おいおい…殿を死なせるな!行くぞお前らー!」
形幸がそう叫ぶと皆も直政に従って走っていく。
「なんだ?追いかけてくる軍勢が…!あれは!井伊直政だ!」
島津義弘が叫ぶ。
「鉄砲で撃てーーーー!」
[太字][大文字][斜体]バァァァン!!!!!![/斜体][/大文字][/太字]
その大きい音と共に血が吹き飛ぶ
「殿ーーー!」
直政が鉄砲で撃たれた。
直政は馬から落ちて倒れ込む。
「殿っ!大丈夫ですか!」
形幸が直政に駆け寄る。
「俺は…いい!島津を逃すな!」
「…ははっ!」
「義弘ぉー、よくも我が殿をぉ!」
直政の軍が凄まじい勢いで島津を襲った。
この戦いで、直政軍は義弘の甥、島津豊久を討ち取った。


[水平線]
「殿っ!殿っ!」
「おい殿っ!死なれたら困る!」
戦が終わった頃、直政の家臣達が直政に駆け寄った。
「大丈夫だ…。」
[太字]「直政ー!」[/太字]
家康が叫びながら直政に駆け寄る。
「直政、わしのためにっ!」
「…殿………。」
直政が力無く答える。
「わしは…!お主の父も死なせてしまって…!お主まで!」
「いや…俺は死にませんって……」
そう言いながら直政は目を瞑った。


(………あれ?)
直政がガバッと起き上がる。
(ここは…?……!俺は布団に寝かされていたのか…)
横を見ると家康がいた。
「おおっ!起きたか直政!」
「と…の?」
「直政!よかった!生きててくれてよかった!わしのために死なれては…直親殿に顔向けできなかったわ…!」
「…というか直政…おぬし、今まではわしに命かけないような感じだったじゃろ。」
直政は少し微笑むと話し始めた。
「…わしは、殿のことを、殿のせいで父が死んだと、ずっと憎んでおりました。ですが、殿と話したり、家臣達と話しているうちに、殿は皆から信頼されている理由が分かり申した。何よりも家臣達を大事にして…、それでわしも、…殿のために生きて…殿のために命をかけたいと…そう思ったのです」
「…そうか!ありがとう!ありがとう!直政!」
家康は涙を流しながら直政の手を握った。


______1602年、2月1日
関ヶ原の合戦での傷がもとで、直政はこの世を去った。
翌年の1603年に、家康は征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた。家康の天下は、井伊直政ら徳川家臣団の尽力が生んだものであった。

作者メッセージ

天下人・徳川家康を命をかけて守った井伊直政についての小説でした。 初めて描いた小説なので、色々と問題はありますが、、、、、最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。

2024/10/12 02:15

バナナ警察
ID:≫ 45LIKm4Z8iENg
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暴力表現歴史戦国

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