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アンティーク・ホラー

「マユミ〜?どこ〜?」
シホはハルと共に、通学路から外れた道を歩いていた。
マユミとはケンカしてから丸1ヶ月、学校であっていない。LINEも既読が全くつかない。家にも帰っていないらしい。
そんなマユミを心配したシホと“お飾り”の友人であるハルとマユミを探していた。

だって、オシャレが好きでギャルっぽい服…例えばルーズソックスなどを着たマユミとシホとは気が合わなさそうだったから。
みんな「アムラー!」とバカにしてきたがマユミがいればなんと言われようとOKだった。
ハルなんて地味な洋服を着てばっかりで、趣味は読書。大人しい陰キャと言ったところだろう。
でも、「お人よし」って性格を利用したのは正解だった。そのおかげで、このようにマユミを探すことができている。

しかし。裏路地で見つけた建物に、シホは心奪われた。
クリーム色の建物で、鉄の飾りがオシャレ。ドアも洋風で、かわいい模様が彫られていた。
「可愛い!入ってみましょうよ!」
気が進まなさそうなハルのことを無視して、私は建物の中へ。

建物の中は、外観とは裏腹にひんやりとしていて、まるで時間が止まったような静けさだった。
シホは「うわ、アンティークっぽくて最高じゃん!」と目を輝かせながら、奥へ奥へと進んでいく。
ハルはというと、入口で立ち止まったまま、何かを感じ取ったように震えていた。

「シホちゃん、ここ…なんか変だよ。空気が…重いっていうか…」
「なにそれ、ビビってんの?大丈夫だって〜、ほら、見て!この鏡とか超かわいい〜!」

シホが指差したのは、壁にかけられた大きな楕円形の鏡。
だが、鏡に映るのはシホとハルだけではなかった。
その背後に、見知らぬ少女が立っていた。ルーズソックスに、アムラー風の服装。
…マユミだった。

「マユミ!?ちょっと、なにしてんの!?ずっと探してたんだよ!」

シホが振り返ると、そこには誰もいなかった。
鏡の中だけに、マユミはいた。
そして、にやりと笑った。

「…見つけてくれて、ありがと。」

次の瞬間、鏡の表面が水のように揺れ、シホの身体が吸い込まれるように中へ引きずり込まれた。
ハルの叫び声が、建物中に響いた。

気がつくと、シホは鏡の中の世界にいた。
そこは、マユミが消えたあの日の放課後が、永遠に繰り返される空間だった。
誰も気づかず、誰も助けてくれない。
マユミは笑っていた。「ここ、楽しいよ。ずっと一緒にいようね、シホ。」

外の世界では、ハルが警察に通報したが、建物は跡形もなく消えていた。
ただ、地面にはルーズソックスが一足、ぽつんと落ちていた。

2025/12/18 17:58

笹芽
ID:≫ 2eRGY3oC1RxsM
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