文字サイズ変更

男二人のバレンタイン

俺の名前は西山モミジ。高校1年生で、特に目立つところもない平凡な奴だ。平凡すぎてクラスでは空気のような存在だ。まぁ、うちの家庭は親も兄妹もそうだが。そんな俺にも好きな人はいる。3年の吉川イロハさんだ。明るくて優しくて美人で、委員会が同じだ。…勿論俺には釣り合わない。もうとっくに諦めている。
俺はいつも仲のよい友人と学校に行く。そいつの名前は村中コウキ。昔から仲が良くて、裏表の激しい奴だ。他の知り合い(特に女子)の前では明るくて爽やかな奴だが、俺の前では暗くて性格の悪い奴だ。だが、表の顔はいいのでまぁまぁ人気者でまぁまぁモテる。彼女持ちらしい。
コウキ「なぁ、モミジ。」
モミジ「なんだよ。暗い顔して。」
コウキ「聞いてくれよー。彼女にフラれた…」
モミジ「いつものことだろ。今さら何落ち込んでるんだ。」
コウキは裏表の激しい性格のせいで、ところどころ本性が表に出て、よく彼女にフラレている。
コウキ「だってよぉ。考えてみろよ。今日、何の日か。」
モミジ「………バレンタイン…」
コウキ「……今回は長かったのに…」
そこからは空気が重くなって、気まずい沈黙が続いた。これは、あくまで俺の憶測に過ぎないが、彼女は恐らくコウキの本性に前から気付いていて、フるタイミングを考えていたのだろう。そして、バレンタインが近づいてきてチョコを準備するのが面倒になり、このタイミングでフッたんだろうな。
沈黙のまま歩いて学校に着いた。下駄箱に行くと男子生徒たちの声が聞こえてくる。
『下駄箱にチョコ入ってたー』『チョコなかった…』『お前すごいもらってるな』『やった可愛い〇〇からだ』『うわ、最悪〇〇からだ』『今年も義理だ』
バレンタインはいつも男子生徒たちの声でにぎわっている。俺は少し緊張しながら下駄箱を開ける。
モミジ「…」
わかってはいたが、勿論上履きしか入っていない。横からコウキが覗いてきて、嫌味を言ってくる。
コウキ「うわー。今年もチョコ0か。俺は3個もらったけどな。ま、ガンバレ」

昼休み、俺はコウキと屋上に昼ごはんを食べに行く。前から気になっていたんだが、コウキは彼女ができても登下校、休み時間はいつも俺といる。まぁ、俺の前では裏の顔でいられるから楽なんだろう。
コウキ「あ、俺昼休み女子から呼び出しされてたんだった。じゃあな。」
そう言ってコウキはニヤニヤしながら屋上を出ていった。この時期で寒い屋上には俺一人になった。と、思うと屋上のドアを開ける音がした。ドアの方を見てみると、憧れのイロハさんがいた。びっくりして心臓が止まりそうになった。イロハさんはゆっくり俺に近づいてきて、小さな声で言った。
イロハ「モミジくん…あの、これバレンタインのチョコ。」
綺麗にラッピングされて袋に入っている手作りのチョコマフィンを俺に差し出してきた。
イロハ「は…ハッピーバレンタイン……」
そう言って少し微笑んで直ぐ去って行ってしまった。
数秒経って、嬉しい。という感覚が湧いてきた。嬉しすぎて涙が出そうだ。あんな綺麗で丁寧な手作りお菓子をくれるなんて、本命にしか思えない…ホワイトデーには高いお返しをして、告白をしようか…脳内で妄想をしていると、ドアが開いてコウキが屋上に入ってきた。そして、俺を見るなり言った。
コウキ「お、それイロハさんから?」
モミジ「おう。これ、いいだろ。絶対俺に気が…」
コウキ「あ、勘違いすんなよ。それ、義理だから。なんか、クラスメイトと同じ委員会の人に配って回ってるらしい。」
モミジ「え……」
コウキ「どんまい。俺はなんと元カノからマシュマロもらったぜ。これって、よりを戻したいって…」
モミジ「バレンタインにマシュマロを贈るのは「嫌い」「消えてほしい」って意味だよ。」
コウキ「…」
モミジ「…」
俺達は昼休みの間ずっと無言で見つめあっていた。その後も無言で1日を過ごした。
家の前で別れるとき、俺達は
「まぁ…来年に期待だな……」
と言って歩いていった。

作者メッセージ

長いです。ごめんなさい。あと、ところどころおかしい所があるかもですけど気にしないでください。

2026/02/14 22:58

相川
ID:≫ 041SeWM/cfQKs
コメント

クリップボードにコピーしました

この小説につけられたタグ

バレンタインデー学校短編

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は相川さんに帰属します

TOP