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柚夏の読切小説集

#5

出会いと別れ

[太字]去年[/太字]
私は市のボランティアで、イベントの司会を務めた。
その時、指導をしてくれた人がいた。
「原稿ばっか見ていないで、まっすぐ、前を見る。人が沢山いて緊張したらほら、あそこ。黒い所を見るといいよ」
「大丈夫。上手いから自信持って!」など言ってくれた。
私は、その優しさで涙が溢れ出してきた。[小文字](すごく涙もろいです)[/小文字]
泣いているのに気づいたその人は、「ごめんね。強く言っちゃって」と何回も謝ってきた。
あの人が悪いわけじゃない。私が悪いんだ。しかも強く言ってないし。私は謝りたかった。だけど言葉が出なかった。
来年もまた、このボランティアに参加しようと思った。
──あの人にお礼を言うために。
 今年
あの人いるかな。
そうワクワクしながら集合場所に言った。
だが、その人の姿はなかった。
今回、指導してくれる人は優しそうな人だった。
「上手い!」
「最初の練習よりも上手くなった!」そう、拍手をしながら言う。私は少し嬉しかった。
 今回の司会は本気を出す。そう決めたのだ。
──あの人はこの場所にはいないけれど、あの人がいる場所まで届くように。
 本番
私はものすごく緊張した。
照明の光を浴びてきらきらと光る制服のスカート。
そのスカートの上に両手を添える。
指導してくれた人から、「いいよ」という指示が来た。
明るく。「ようこそ」は語尾を上げる。
某テーマパークの人みたいに言う。
思っている以上ゆっくり。
あの人(去年指導してくれた人)に教えてもらった所を見る。
色々思い出す。
「〇〇へようこそ!」
「司会を務める〇〇と、〇〇と、[漢字]貴志[/漢字][ふりがな]きし[/ふりがな]です。よろしくお願いします!」
私の番が終わる。後ろに移動する。
指導してくれた人は「上手かったよ」と、褒めてくれた。
「ありがとうございます」
 来年は、もう出来ない。
だけどそのイベントには行こうと思う。
──あの人に会いに行くため。
 帰り
太陽に照らされ、制服のスカートはより一層きらきらと光っていた。
出会いがあれば必ず別れがある。
だけど、もう会えないと落ち込んではいけないんだ。いつか、再会するかもしれないから。
──きっと。いつか。

作者メッセージ

出会いがあれば必ず別れがある。
だけどその悲しみを引きずったままではいけない。
その悲しみをしまっておき、ダイヤル式の鍵をかけとく。
それで、悲しみを忘れ、カラオケに行く予定の12月の私。
(名言が台無しになったwww)

貴志柚夏の貴志は名字です。(本当の名字は違うけどね?)
読み方は「きし」だよ

2025/03/28 21:46

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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