文字サイズ変更

貴志柚夏:没コレクション

#8

君がいない世界で

「リ……! リン……!」
私は彼の声で起きた。
周りを見るとまだ薄暗い。カーテンの隙間から差し込む暖かい光で、私は朝だと認識した。
時計を見ると六時半。起きる時間だが、気力がない。
──彼がいなくなったのは、いつだっけ?
ぼんやりと思った。
 彼──[漢字]雨宮[/漢字][ふりがな]あまみや[/ふりがな] ユウトは幼稚園からの幼馴染。幼・小・中・までは一緒で高校からは別になったが、まるで小学生に戻ったかのように毎日のように家に行っていたり、毎年彼と一緒に夏祭りに行ったりした。
──夏祭り。
私は頭の中で反芻した。
 初めて彼と夏祭りに行った小学一年生の頃。私は彼と一緒に屋台をまわっていた。一緒に同じ食べ物を食べて他愛もない話をしながら笑って、奢ってもらって……。私は浮かれていた。
「ねぇ、ユウく……」
私の横にいた彼に目をやり声をかけると、そこには彼の姿はなかった。
──そう、私ははぐれたのだ。
当時、私はクラスの中で一番背が低かったので、そう簡単には見つからない。また、屋台も混雑していたため、難易度が上がる。
「ユウくん! ユウくん!」
私は必死になって叫んだが、返事はない。
「もうやだ……! ユウくんなんて……!」
私は泣きながら[漢字]人気[/漢字][ふりがな]ひとけ[/ふりがな]のない場所──丘まで走った。

 相当疲れたのだろう。私は寝てしまった。
(花火見たかったなぁ)
物音や騒ぎ声はせず、ただ虫の声だけが聞こえる。この場所で私は心の中でそう呟いた。

 夢を見た。
暗い暗い場所でひとり、佇んでいた。
「ここはどこ⁉︎」
そう叫んでも反響するだけだった。淋しさと孤独に襲われながら歩き始めた。
すると、暗い場所に一人、立っている人を見つけた。歩くにつれ、その人はユウトだと判った。
「あ! ユウくん!」
私は、淋しさと孤独はすぐに吹き飛び、その代わりに安心がやって来たような気持ちになった。……が、様子がおかしい。
彼は、毎日私に笑顔を見せる。だが、目の前にいる彼は無表情だった。
更に近づくと、かれはニヤリと笑いながら「俺に付いてこいよ。付いてくればはぐれなかっただろう。お前はバカだな」と言った。
──なんで、そんな酷いことを言うの?
彼はそんなことは言わない。いつも私の味方だから。
そう思っていると「またな」と目の前の彼は言い、歩いていった。
「待って!待って!」
私はなぜか体が勝手に動き、彼を追いかけた。

「っ!」
目の前にはいつも通りのあの優しい彼がいた。
──夢だったのだ。
「どこに行ってたんだよ。心配したんだからな」
いつも通りの笑顔で言う。私は安心し夢のことを言った。彼は笑って「そんなことは絶対に言わないからな。花火始まるから行こう」と手を差し出した。
私は笑顔で手を握った。泣きそうになったのは秘密だけど。

「早く戻ってきてよ……」
高校生になってすぐに彼はいなくなった。原因は“かくれんぼ”だ。
 私たちは学校は別だが、通学路は同じなので一緒に学校に行っていた。
ある日、ユウトが突然「かくれんぼしよう」と言ってきた。私は断ることはせず「いいよ」と言った。
私が鬼で、彼を見つけようとした。……が探しても見つからなかった。
私の両親やユウトの両親に訊いても無言だった。

作者メッセージ

リンの名字は佐倉です。
ユウトが失踪して、リンが手がかりみ見つけたりするミステリー物語らしいですね。
アイディアノートNo.3に書いてありました。
絶筆してましたね。理由は多分ネタ切れです。
どうやら2025年の4月9日に書いたらしいです。
まだ純粋な心を持っていましたね。今は学校に行く度にその心は汚れていきます。
ーーー
人付き合いって難しいね

2026/04/28 13:28

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
コメント

この小説につけられたタグ

お蔵入り

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は貴志柚夏さんに帰属します

TOP