夢小説設定
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──それはある日の話。
私は一人で本を読んでいた。
そのとき、前から声がした。
「ねぇ、何読んでるの?」
私の席は一番前で廊下側だ。
視線を声がしたほうに変えると、そこには見知らぬ女の人がいた。
私は、最近この学校に転校したばかりで同じクラスの人しか知らない。
多分、別クラスだろう。
「えっと……。小説です」
「小説? 見せてー」
そう言われたので、読んでいた『碧落に君を求めて』という本を渡した。
「……おもしろ。これは恋愛系だね。好きなの?」
彼女はゆっくり読みながら言う。
「参考にしてるだけです。小説、書いているので」
私は無意識に言った。
小説執筆は私の趣味であるが、クラスメイトや友人には言ったことがない。
──でも、なぜさっきは言ってしまったのだろう。
彼女は目を丸くしたが、すぐに笑い、
「へー。完成したら見せて! 約束ね!」と手を振って教室を出ていった。
もう来ないだろうと思っていたが、次の日もまた次の日も「できた?」と訊いてくる。
私は少し嬉しく感じた。
やっと完成した日。彼女は来なかった。
何があったのか、クラスメイトに訊いてみると、
「須谷 海の事? 事故で亡くなったよ」と答えた。
私は涙が溢れた。
その夜、彼女の名前にある海に行った。
「空にいる君へ。
出会ったのは一冊の本。参考にしていると私は言ったが、それは嘘。本当は私が一から書いたものだった。
君は「おもしろい」と言ってくれた。私はそれだけで嬉しかった。
だけど君は来なくなった。事故で亡くなったと聞いた。私は泣き崩れた。
亡くなったと聞いた時、初めて君の名前を知った。
──須谷 海」
あまり小説っぽくなかったが、十分だと感じた。
「いつか、この綺麗な海で一緒に夜空を見たいな」
誰よりも大切な君だから。君じゃなきゃダメなんだ。
私は一人で本を読んでいた。
そのとき、前から声がした。
「ねぇ、何読んでるの?」
私の席は一番前で廊下側だ。
視線を声がしたほうに変えると、そこには見知らぬ女の人がいた。
私は、最近この学校に転校したばかりで同じクラスの人しか知らない。
多分、別クラスだろう。
「えっと……。小説です」
「小説? 見せてー」
そう言われたので、読んでいた『碧落に君を求めて』という本を渡した。
「……おもしろ。これは恋愛系だね。好きなの?」
彼女はゆっくり読みながら言う。
「参考にしてるだけです。小説、書いているので」
私は無意識に言った。
小説執筆は私の趣味であるが、クラスメイトや友人には言ったことがない。
──でも、なぜさっきは言ってしまったのだろう。
彼女は目を丸くしたが、すぐに笑い、
「へー。完成したら見せて! 約束ね!」と手を振って教室を出ていった。
もう来ないだろうと思っていたが、次の日もまた次の日も「できた?」と訊いてくる。
私は少し嬉しく感じた。
やっと完成した日。彼女は来なかった。
何があったのか、クラスメイトに訊いてみると、
「須谷 海の事? 事故で亡くなったよ」と答えた。
私は涙が溢れた。
その夜、彼女の名前にある海に行った。
「空にいる君へ。
出会ったのは一冊の本。参考にしていると私は言ったが、それは嘘。本当は私が一から書いたものだった。
君は「おもしろい」と言ってくれた。私はそれだけで嬉しかった。
だけど君は来なくなった。事故で亡くなったと聞いた。私は泣き崩れた。
亡くなったと聞いた時、初めて君の名前を知った。
──須谷 海」
あまり小説っぽくなかったが、十分だと感じた。
「いつか、この綺麗な海で一緒に夜空を見たいな」
誰よりも大切な君だから。君じゃなきゃダメなんだ。