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オタクは今日も恋をする

#45

なぜだろう

 今は七月。
体育祭は八月に行う予定だ。
 今日は待ちに待った林間学校。裏で班決めなどやっていたのだ。
私は慎二くん、遥ちゃん、光くんと同じ班になった。
由依ちゃん、明くん、淳司くん、莉音とは別の班になった。
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「みんな、こわ〜い話、しよっか?」
ついさっきまで騒がしかったバスの中。今はしんと静まり返った。
光くんはしゅんとしていたが、「いいよー!」と大きな声で返事をした。
「オッケー! じゃあするね!」
光くんは一人で会話をしている。少しだけ可哀想だと思った。
「澄川くん、一人で会話してるけど大丈夫なのかな?」
一人のクラスメイトが言う。
「正常」
光くんとの付き合いが長い淳司くんが彼女に向かって言う。
バスの中はまた静かになった。
光くんが口を開ける。
「俺らが泊まる所、幽霊出るらしい」
「は⁉︎」
私は驚きのあまり、叫んでしまった。幽霊や心霊現象は大の苦手だ。
「ひ⁉︎」
次になぜか光くんが叫んだ。
「ふ⁉︎」
次は遥ちゃん。
「へ?」
そして慎二くん。
「そこは“⁉︎”だろ!」
なぜ私たちは、は行を言っているのか。
不思議に思っていると、「ほ⁉︎」と近くから聞こえた。
声がした方を振り返ると、明くんがいた。
明くんってそんな性格だったのだろうか。
明くんはクールで、少し無口で頭がいい。そんなイメージだった。
意外な一面を知れて、私はわくわくした。
──何かが起こりそう。
そんな感じがした。

「着いたー!」
バスに乗って何時間経ったのだろう。一時間以上乗っていた気がした。
「えーっと、今日は……。登山かぁ……。だりぃー」
光くんはしおりを見て言った。
「だるいとか言わない!」
彼は独り言のように言ったと思うが、先生に聞かれていた。
「聞かれてた」
へこんでいる彼を励ますように私は「でも、夜はキャンプファイヤーと星空観察だよ」と言った。
「そうだったじゃん!」
そう彼は言い、目を輝かせながら笑みを浮かべた。
今の彼の表情はなんだか無邪気かわいいなと思ってしまう自分がいる。……慎二くんに言ったら怒られちゃう。
意外と彼は嫉妬深い人なのだ。
──そんな所も好きだけど。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
 時は経ち、山の中。
私は少しだけ整備されている道を頼りに頂上を目指していた。
まだ始まったばかりだが、私は完全に疲れていた。
「下、不安定……」
隣は崖だ。踏み外したら大怪我か、最悪死に至るかもしれない。そう考えると怖くなってきた。
足元を見るとガタガタと震えているのが分かった。
──ここで死にたくない。
「結月ちゃん、大丈夫? 顔色悪いよ」
「大丈夫。隣見たら怖くなって……」
指を指しながら言った。その手も震えていた。
あまりにも震えていたので、私は思わずふっと笑ってしまった。
すると、「わっ!」
油断大敵。私は踏み外してしまった。
──私、もう死ぬ。
楽しかったなぁ。
走馬灯のように次々と沢山の思い出が流れていく。
最後に言っておくことは……やはり、[漢字]彼[/漢字][ふりがな]慎二くん[/ふりがな]についてだろう。
「……また、会えますように」
私は心の中で「ありがとう」や「さようなら」などの別れの言葉を言い、目を瞑った。
「おっと──」
背中が何かに支えられていた。グイッと道に戻される。
一瞬の出来事だったので私は何も覚えていなかった。
「最後の言葉はまだ早い。生きてるだろ?」
目の前には慎二くんの顔があった。
──でも、ドキドキしない。
決して冷めた訳ではない。緊張が嘘のように消えた感覚だった。
素の自分でいられるような気がして、前の倍以上居心地がいいなと感じた。
「確かに。助けてくれてありがとう」
私はにっこりと笑った。今までのこと、全てに感謝して。
慎二くんの顔は赤くなっていた。

作者メッセージ

これは中二の頃の私が書いたので、体育祭の種目決めをやった後に林間学校という地獄になっております。
私はこの学校には通いたくないな。絶対、種目決めと林間学校関係が重なって頭が爆発する。
しかも七月という設定で無理やり押し込んでる。相当、林間学校書きたかったんだろうな……。
大目に見てやってください。

2026/01/28 14:21

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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