私たちは家へ帰らずにカラオケ直行で行った。
「せんぱーい! 歌ってー!」
そう優香ちゃんに頼まれる。
オープニングを飾るのは私……
そう思うと恥ずかしさと不安でいっぱいになり、嫌だなと感じてしまう。
「え、私、下手だよ」
歌うことは好きだが、下手くそだ。
「いいからいいから!」
そう彼女に押されて私は歌うことにした。
私が選んだのは有名で歌いやすい曲だ。持ち曲という訳ではなく、知っている曲だ。
優香ちゃんの提案で点数制にしたので、点数が分かってしまう。
緊張するが、慎二くんがいたり、この曲を初めて歌うのでさらに緊張した。
採点画面に切り替わった。
──八十点くらいならいいや。
“91.5”という数字が大きく表示された。
「え」
あまりにも高く、私は驚いてしまった。
「結月って歌、上手いんだな」
「本当! 歌手になれるよ!」
慎二くんと遥ちゃんが言う。
「そ、そうかな……」
ちょっぴり恥ずかしかったが、嬉しかった。
「次は慎二せんぱいね!」
優香ちゃんが、にやにやしながら言う。
「なっ……!」
慎二くんは物凄く驚いていた。私は彼のあんな表情を見たことがなかった。
彼は恋愛ソングを歌った。
何故だか分からないが彼らしいなと思った。
──しかも、声がいい。
結果は九十二点だった。
耳が幸せだった。生きててよかったと思うような一曲だった。
「上手すぎる……!」
「それな!」
うんうんと優香ちゃんは頷く。
「そう? ありがとう」
「じゃあ、次は優香ちゃんね!」
私はウインクをしながら言った。
「え」
まさか、と彼女は思っているだろう。
「仕返しだからね。ほら、マイク持って!」
「はぁーい」
優香ちゃんはため息をつきながら私が渡したマイクを持った。
彼女が選んだのは青春を感じさせるような曲だった。
結果は八十八点だった。
「二人に負けた……」
「下手じゃないから! 八十点台はすごいよ!」
「そうだぞ! 俺なんか六十だぞ!」
六十点を出した光くんが言う。
「まあ、光せんぱいよりも上手いからいいやー!」
じろじろと光くんを見て優香ちゃんは言う。
「ひ、光……」
「後輩に馬鹿にされてる……」
彼女の隣には、笑いを堪える明くんと淳司くんがいた。
「馬鹿にするなよ! こっちは本気なんだから!」
彼は感情を込めすぎているなと私は思った。
私は、彼に感情込めないで歌うと取りやすいよと伝えた。
「逆効果」
「んもぉーっ!」
ちなみに、淳司くんは七十八点、明くんと遥ちゃんは八十七点、由依ちゃんは八十九点だった。
こうして大人数カラオケは終わった。
もうそろそろで体育祭だ。私は運動することが苦手なのであまり乗り気ではない。正直、出たくない。
「この中から一つ種目を選んで下さい」
先生が種目が書かれた少し大きめの紙を黒板に貼った。
五十メートル、百メートル、持久走、ハードル、ハンドボールと書かれている。
どうしようかな、と黒板前で考えていると、後ろから「何にする?」という声が聞こえた。
「ひぇっ!」
十六年生きてて聞いたことのない声が出てしまった。
「あ、ごめん……」
慎二くんは申し訳なさそうな顔をした。
そんな顔は絶対に見たくない。
「大丈夫!」
私は悲しませたくないので、明るい声で言った。
「私は五十メートルに出るけど慎二くんは?」
「あ、俺も」
慎二くんは戸惑った顔で言った。
「同じだー!」
私は首をかしげたが、その場でガッツポーズをした。
「そうだな」
慎二くんはなぜか困った顔で笑った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「私は五十メートルに出るけど慎二くんは?」
「あ、俺も」
俺はまだ出る種目は決まっていなかったが、何故か反射的に言ってしまった。
「同じだー!」
結月はガッツポーズをした。
見たこともないくらい嬉しそうだった。
何かリアクションをとらないと、結月が傷ついてしまう。
「そうだな」
俺は笑ったが、苦笑いになってしまった。
「せんぱーい! 歌ってー!」
そう優香ちゃんに頼まれる。
オープニングを飾るのは私……
そう思うと恥ずかしさと不安でいっぱいになり、嫌だなと感じてしまう。
「え、私、下手だよ」
歌うことは好きだが、下手くそだ。
「いいからいいから!」
そう彼女に押されて私は歌うことにした。
私が選んだのは有名で歌いやすい曲だ。持ち曲という訳ではなく、知っている曲だ。
優香ちゃんの提案で点数制にしたので、点数が分かってしまう。
緊張するが、慎二くんがいたり、この曲を初めて歌うのでさらに緊張した。
採点画面に切り替わった。
──八十点くらいならいいや。
“91.5”という数字が大きく表示された。
「え」
あまりにも高く、私は驚いてしまった。
「結月って歌、上手いんだな」
「本当! 歌手になれるよ!」
慎二くんと遥ちゃんが言う。
「そ、そうかな……」
ちょっぴり恥ずかしかったが、嬉しかった。
「次は慎二せんぱいね!」
優香ちゃんが、にやにやしながら言う。
「なっ……!」
慎二くんは物凄く驚いていた。私は彼のあんな表情を見たことがなかった。
彼は恋愛ソングを歌った。
何故だか分からないが彼らしいなと思った。
──しかも、声がいい。
結果は九十二点だった。
耳が幸せだった。生きててよかったと思うような一曲だった。
「上手すぎる……!」
「それな!」
うんうんと優香ちゃんは頷く。
「そう? ありがとう」
「じゃあ、次は優香ちゃんね!」
私はウインクをしながら言った。
「え」
まさか、と彼女は思っているだろう。
「仕返しだからね。ほら、マイク持って!」
「はぁーい」
優香ちゃんはため息をつきながら私が渡したマイクを持った。
彼女が選んだのは青春を感じさせるような曲だった。
結果は八十八点だった。
「二人に負けた……」
「下手じゃないから! 八十点台はすごいよ!」
「そうだぞ! 俺なんか六十だぞ!」
六十点を出した光くんが言う。
「まあ、光せんぱいよりも上手いからいいやー!」
じろじろと光くんを見て優香ちゃんは言う。
「ひ、光……」
「後輩に馬鹿にされてる……」
彼女の隣には、笑いを堪える明くんと淳司くんがいた。
「馬鹿にするなよ! こっちは本気なんだから!」
彼は感情を込めすぎているなと私は思った。
私は、彼に感情込めないで歌うと取りやすいよと伝えた。
「逆効果」
「んもぉーっ!」
ちなみに、淳司くんは七十八点、明くんと遥ちゃんは八十七点、由依ちゃんは八十九点だった。
こうして大人数カラオケは終わった。
もうそろそろで体育祭だ。私は運動することが苦手なのであまり乗り気ではない。正直、出たくない。
「この中から一つ種目を選んで下さい」
先生が種目が書かれた少し大きめの紙を黒板に貼った。
五十メートル、百メートル、持久走、ハードル、ハンドボールと書かれている。
どうしようかな、と黒板前で考えていると、後ろから「何にする?」という声が聞こえた。
「ひぇっ!」
十六年生きてて聞いたことのない声が出てしまった。
「あ、ごめん……」
慎二くんは申し訳なさそうな顔をした。
そんな顔は絶対に見たくない。
「大丈夫!」
私は悲しませたくないので、明るい声で言った。
「私は五十メートルに出るけど慎二くんは?」
「あ、俺も」
慎二くんは戸惑った顔で言った。
「同じだー!」
私は首をかしげたが、その場でガッツポーズをした。
「そうだな」
慎二くんはなぜか困った顔で笑った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「私は五十メートルに出るけど慎二くんは?」
「あ、俺も」
俺はまだ出る種目は決まっていなかったが、何故か反射的に言ってしまった。
「同じだー!」
結月はガッツポーズをした。
見たこともないくらい嬉しそうだった。
何かリアクションをとらないと、結月が傷ついてしまう。
「そうだな」
俺は笑ったが、苦笑いになってしまった。
- 1.とまどい
- 2.なかよく
- 3.決断
- 4.本当に、ありがとう
- 5.もう一度、キミの居る世界へ──
- 6.無理しないでね、
- 7.嫌なこと、忘れよう
- 8.ちょっと、気まずいな
- 9.不安
- 10.キミの言葉で、元気でたよ
- 11.ごめんね
- 12.本当に?
- 13.こどもに、もどろうよ
- 14.悪い日? いい日?
- 15.楽しい旅行!
- 16.ふたりだけのひみつ、だよ?
- 17.たのしいね
- 18.奇遇だね、
- 19.なんだろう?
- 20.解決
- 21.ありがとう
- 22.新学期
- 23.たのしみ
- 24.めんどくさいな、
- 25.暴露
- 26.どきどき
- 27.体育祭
- 28.修学旅行
- 29.修学旅行②
- 30.もう、そんな時期か
- 31.え……?
- 32.奇跡
- 33.新しいともだち
- 34.なぜ?
- 35.めんどくさい。
- 36.そうだったんだね
- 37.わくわくっ!
- 38.うれしくて、はずかしくて
- 39.手とキミのくせ
- 40.思いがけない展開
- 41.衣装と、私
- 42.まほうの言葉
- 43.部活動
- 44.青春だね