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オタクは今日も恋をする

#43

部活動

 数ヶ月後、私たちは二年生になり、全員同じクラスになった。
私と由依ちゃん、慎二くん、光くんはバレー部に、遥ちゃんは美術部に、淳司くんは卓球部に、明くんはバスケ部に所属している。
今日は男女合同練習。私は(慎二くんがいるので)恥をかかないように本気で練習した。
すると、「ゆづきせんぱーい!」と私を呼ぶ声がした。その声は段々と近づいてくる。
「なにー?」
振り返ると、そこには、私の後輩である[漢字]花房 優香[/漢字][ふりがな]はなふさ ゆうか[/ふりがな]がいた。
花房さんのプレーは私より遥かに上手いと私は思っている。
「先輩って上手くないですかー?」
「そう? 私は花房さんの方が上手いと思うよ」
「そんなことないですよー」
 花房さんとは、家で飼っている猫の話や、昨日の出来事、弟や姉のおもしろい話をよく話している。
花房さんと一緒にいると時間が短く感じるのは気のせいだろうか。
しかも莉音のようにぶりっ子でもなく、接しやすい人だ。
 そんな彼女だが、練習になると別人のように変わる。
いつもは穏やかな顔だが、練習や試合になると真剣な顔になる。
 部活終了後、花房さんは由依ちゃんの所に駆け寄った。
「ゆいせんぱーい!」と花房さんが声をかけると、由依ちゃんは笑みを浮かべて「なにー?」と言う。
「これ、どうやってやるんですかー?」
「あー、それ、難しいよね。まずは、こうやって……こう!」
「あー! ありがとうございます!」
活動後も練習について話している。やっぱり、すごいな。
私は二人をぼーっと見ていると、花房さんと目が合った。
「あ、結月せんぱい! どうしたんですかー?」
「いや、やる気があって凄いなって思って見てたの。私、そういうことしないから」
そう私は言うと、花房さんは顔を赤らめた。
「そんなことないですよー。あ、結月せんぱいも一緒に帰りましょうよ!」
「いいよ!」
 体育館を出ると、丁度いいタイミングで慎二くんと光くんに会った。
「あ」
私と慎二くんの声が重なった。
すると、花房さんは「しんじせんぱーい!」彼の名前を呼びながら駆け寄った。
「ん?」
慎二くんは不思議そうに首をかしげる。
「手、出してください!」
慎二くんが右手を差し出すと、花房さんは掌に何かを乗せた。
「これあげます!」
隙間から見えたのは、熱中症予防タブレットだった。
「あ、あと、ひかるせんぱいも」
「“も”って何だよ!」
光くんはそう言いながらも、花房さんが差し出すタブレットを嬉しそうに受け取った。

「横浜でーす!」
部活の休憩時間、私の問いかけに花房さんが明るく答えた。
私たちの学校は毎年、校外学習の場所が変わる。
先輩たちが東京に行ったと聞いていたので、てっきり今年も東京だと思っていたが、予想は外れた。
「私は東京だったよ」
思わず口にすると、花房さんは目を輝かせた。
「え⁉︎   東京⁉︎   いいなー。東京行きたかったなー」
すると、「休憩おわりー!」と顧問の声が聞こえた。

[小文字][小文字][小文字][小文字]練習とかはカットします。文化部なので分かりません。[/小文字][/小文字][/小文字][/小文字]

 部活が終わり、帰り支度をしていると、ふとカラオケに行きたくなった。
「ねぇ、カラオケ行かない?」
唐突に声をかけると、花房さんは少し驚いた顔をした。
「二人で、ですか?」
「うーんと、花房さんと私合わせて八人」
急な提案で、しかも大人数。驚かせてしまっただろうか。
「え⁉︎ 行ってもいいですか⁉︎」
「もちろん」
[中央寄せ]*[漢字][/漢字][ふりがな][/ふりがな][/中央寄せ]
「ねぇ、カラオケ行かない?」
結月先輩からの突然の誘いに、私は少し戸惑った。
「二人で、ですか?」
もし二人きりなら、いくら仲が良くても少し気まずいかもしれない。盛り上がらない気がするし……。
「うーんと、花房さんと私合わせて八人」
大人数と聞いて、私の心は躍った。その方が絶対に楽しいし、何より新たな出会いがあるかもしれない。他の先輩たちと仲良くなれるチャンスだ。
「え⁉︎ 行ってもいいですか⁉︎」
私は興奮気味に答えた。
結月先輩は私の言葉に驚くこともなく、ただ優しく見つめ、「もちろん」と微笑んだ。
 私は、結月先輩が私のことを「花房さん」と呼ぶのが少しだけ嫌だった。上下関係が苦手な私にとって、先輩とは友達になりたい。タメ口で話したいけれど、顧問に怒られるのは嫌だ。
思い切って、私は口に出してみた。
「せんぱい。私のこと、“優香”って呼んでくれませんか?」
先輩は一瞬固まったが、すぐに笑顔になってくれた。
「分かった。じゃあ、“優香ちゃん”でいいかな?」
「はい! ありがとうございます!」
私は嬉しくて、満面の笑みで答えた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「せんぱい。私のこと、“優香”って呼んでくれませんか?」
優香ちゃんからの突然のお願いに、私は何を言われたのか一瞬わからなくなって固まってしまった。
「分かった。じゃあ、“優香ちゃん”でいいかな?」
流石に呼び捨ては、顧問に怒られそうなのでやめた。
「はい! ありがとうございます!」
優香ちゃんは、とびきりの笑顔を浮かべた。

作者メッセージ

キャラめっちゃ出てきてすみません。

2025/11/21 09:32

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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