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オタクは今日も恋をする

#39

手とキミのくせ

「ねえ、水族館行かない?」由依ちゃんが不意に提案した。
「いいね!」「いいな」私と慎二くんの声がぴったり重なる。
「じゃあ、決定だね!」
 水族館に到着すると、私は改めて思った。ここはまさに“リア充”の聖域だと。そして、私たちも今、その真っ只中にいる。
「うわぁ、すごく綺麗……」思わず感嘆の声が漏れる。
「地元とは全然違うな」慎二くんが隣で呟く。
「東京のすごさが伝わってくる」
私も頷いた。確かに、私たちが住む場所とは比べ物にならないほど、東京は人で溢れ、心躍る施設で満ちている。
 歩いていると、私の手と慎二くんの指先が、不意にそっと触れ合った。「あ……」私たちはお互い気まずくなり、みるみる顔が赤くなる。
 すると、慎二くんが私の手をぎゅっと握った。その表情からは、「もうこうなったら!」という決意がはっきりと読み取れる。慎二くんは、感情がすぐに顔に出るタイプなのだ。
 少し後ろを歩いていた明と由依は、満足そうに顔を見合わせて頷いた。「やっぱ水族館にして良かったな」「うん。そうだね。結月ちゃんが幸せそうで何より」
 さらにその背後では、遥グループの四人がひそひそと会話を交わしていた。
「前の前って、慎二と結月ちゃんじゃない?」
「確かに……」莉音は、嫉妬を滲ませたむすっとした表情で答える。
「おい、二人の手を見てみろよ」光が小声で囁いた。
全員の視線が、[漢字]慎二と結月[/漢字][ふりがな]二人[/ふりがな]の手に集中する。
「手を繋いでる……?」莉音がさらに小声で呟いた。
「こんなに見られてるのに、気にせず手を繋いで……。バカップルの誕生だな!」光はけたけたと笑う。
「結月さんに失礼だろ」淳司がたしなめた。
「すんまへん……」
「慎二くんは……?」遥がぽつりと漏らす。
光は反省の色もなく、「あいつは、ああいうのが好きだからいいんじゃね? あと元々バカだし」と言い放つ。
「言い過ぎだっ!」と淳司。

「お腹へったー」私は無意識に口にした。
「あ、もう昼食の時間か。チェーン店は嫌だな」
「確かに。どこでも食べられるからね」
「確かに。どこでも食べられるからね」
「あそこ、良くない?」私が指差したのは、『らぁ麺 [漢字]澄[/漢字][ふりがな]すみ[/ふりがな]』という店だった。
スマホで調べると、ネット上では値段も手頃で雰囲気も良いと評判らしい。この辺りはラーメンが有名だそうで、私たちは迷わずそこに決めた。
 慎二くんは味噌、私は醤油、由依ちゃんは塩、明くんは豚骨。それぞれが違う味を選んだ。
「あ、美味しい!」
「確かに!」
この店に来て正解だった。
すると、「ん? どれ?」慎二くんが私の醤油ラーメンを一口、ずるずるとすすった。
前にも同じようなことがあった気がする。あの時はドリンク専門店だったけれど。
「あ……」
慎二くんは、何も考えずにただ麺をすすり続けている。時々私の方を見るけれど、それでも箸は止まらない。
 かっこいい。だけど、麺がどんどん減っていく。もう食べるのをやめてほしいな。そう思ったけれど、結局私は何も言えなかった。
「慎二、結月が戸惑ってるぞ。あと長い」明くんが助け舟を出してくれた。
「あ」慎二くんは我に返り、「ごめん。つい……」と苦笑いをした。
「だ、大丈夫!」私は気にしないふりをして、笑顔で答えた。

作者メッセージ

実は私、二度目のマイコプラズマにかかりました!
マイコプラズマに愛されている女でございます。(愛されたくねぇよ。推しにしてくれ)
そして、期末テストが近づいても勉強をせずにアニメを観ている人でございます。
最近ですね、あるアニメにハマってまして。(あれじゃないよ別のだよ)
最近のではなくちょこっと昔? まぁ、二千年代です。
当てられたらすごいね。
因みにアニメタイムズで観てるよ

※精神は安定しています。

2025/06/18 22:54

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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