閲覧前に必ずご確認ください

よい子のみんなも悪い子のみんなも絶対に真似しないでね

文字サイズ変更

僕らの学校生活!

#2

2

 翌日、彼女は休んだ。
先生に欠席理由を尋ねてみた。どうやら体調不良らしい。
まだ体調不良で良かったとぼくは思う。失敗すると無の世界などに連れて行かれる可能性があるからだ。また、逆に[漢字]向こう[/漢字][ふりがな]二次元[/ふりがな]に行けたとしても帰れない可能性があるから。
帰れるトリップ方法や、[漢字]夢トリ[/漢字][ふりがな]夢トリップ[/ふりがな]する方法もあるが、帰れない方法がそれ以上にある。因みに夢トリ(夢トリップ)は夢の中でトリップする方法だ。つまり、夢の中で推しに会う方法ということ。
 小野寺は休みなのでぼく一人。
──とりあえず適当にトリップ方法を調べよう
そうぼくは思い、再びキーボードで文字を打った。
カタカタとキーボードを打つ音がしんとした生徒会室に響く。その音は小野寺が居るときよりも淋しく聞こえた。
「あ……」
ぼくが見つけたのは母が中学生のときに試した“紙指輪”という方法だった。
紙に行きたい世界を書き、二つ折りにして指輪を作り、指につけて寝る、というとても簡単な方法だ。
母が成功したのならばぼくだって成功するんだ。ぼくは自身に満ち溢れた。
 家に帰り、準備をした。
「よしっ! できた!」
これで準備はオッケー。このまま寝れば大丈夫。翌朝、雰囲気が変わっていれば成功らしい。
 翌朝、目を覚ますといつも通りのぼくの部屋が見えた。
特に変わった様子は無い。
 普通に学校に行った。小野寺は復帰していた。本当に体調不良だったのか、と疑うような調子だった。
めまいなどはしない。
 普通に部室に入り、普通にトリップ結果を入力した。
すると、ガチャ、キィー、っという音を立てながら小野寺が入ってきた。
「大丈夫だった?」という言葉よりも先に「結果は……?」という言葉が口から出た。自分でも驚いた。
「失敗。失敗して体調不良になった」と小野寺は答えた。
頭痛やめまい、吐き気などがしたらしい。
やっとのことで「大丈夫だった?」という言葉が出てきた。
「うん。今はもう大丈夫」と小野寺は目を瞑りながら優しく答えた。
「そう。良かった」ぼくはその言葉しか出なかった。
 帰宅後、ぼくは母に怒りながら言った。
「紙指輪試したけど失敗した! めまいもしなかった! お母さん、二次元に行けたのは嘘だよね⁉︎」
母は困っていて、何も言わずにぼくを見つめた。
ぼくは腹が立ち「もういい!」と怒った口調で自分の部屋に戻った。
 母の嘘つき。行けると思ってわくわくしながら試したのに……。怒りと悔しさでいっぱいだった。
すると、こんこんこん、とドアを叩く音がした。
ドアを開けると父がいた。
「何?」
「お母さんから聞いたけど……」
ぼくは「ほっといて!」と無意識に言った。
「あ……」と我に返り、とても酷いことを言ったなと自覚した。
「トリップはね、成功する時もあるけれど失敗する時もあるんだ。お母さんは何回も試して行けたんだ」
確かに、ネットに書いてあった気がする。じゃあ、もっと試せば行けるのかな?
父は続けて「間をあけて試した方がいいよ」とアドバイスをした。
ぼくは何も言えなかった。いや、言葉が出なかった。
父は「じゃあおやすみ」とぼくを救った。
ページ選択

2025/10/09 15:07

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
コメント

この小説につけられたタグ

トリップ2次元

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は貴志柚夏さんに帰属します

TOP