「慎二くん、おはよう」
「あ、ゆ、結月か。おはよ」
結月ちゃんが転校してきて、まだ三日しか経っていないのに、どうして慎二くんとあんなに仲良くなれるんだろう。
あ、自己紹介が遅れたね。私は[漢字]久木元 莉音[/漢字][ふりがな]くきもと りおん[/ふりがな]。最近、結月ちゃんのことをこっそり観察している。
「気持ち悪い」なんて言わないで。違うの、ただ仲良くなりたいだけ。
「じゃあ話しかければいいじゃん」って? でもね、慎二くんと話してる時間が長すぎて、私には話すタイミングがないの。だから、つい観察しちゃうんだ。
そんなことを考えていると、結月ちゃんがふとこちらを振り向いた。目が合った瞬間、心臓がドキリと跳ねた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
最近、誰かに見られている気がして仕方がない。
「気のせいかな?」と思って振り返ると、目が合ったのは莉音ちゃんだった。
「まさか……」
彼女は照れくさそうに言った。
「あの……私、結月ちゃんのこと、こっそり見てて……転校してきてからずっと気になってて……仲良くなりたいな、って思ってて……もしよかったら、友達になりませんか?」
急な告白に驚きながらも、心の奥があたたかくなるのを感じた。
私、今までずっといじめられてきたから、「友達」という言葉はすごく特別だった。
「気にしてないよ。友達になろう!」と、自然に言葉が出て、彼女の手を握った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
そう、言うことにしたんだ。
あの時、目が合ったから。
「あの……私、結月ちゃんのこと、こっそり見てて……転校してきてから気になってて……仲良くなりたいな、って思ってて……もしよかったら友達になりませんか?」
言葉は詰まったけれど、勇気を出して伝えた。
結月ちゃんはにっこり笑って「気にしないよ。友達になろう!」と、握手を返してくれた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「こっち来て」
「え?」
私は莉音ちゃんを慎二くんのところに連れて行き、「今さっき友達になった莉音ちゃんでーす!」と元気に紹介した。
慎二くんは笑った。
「え? 笑うところ?」
「いや、友達になったところ見てたから」
「そっか」
私も笑った。
「……かわいい」
慎二くんが小声でつぶやいたのが、はっきり聞こえた。
「聞こえてるよ」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「……かわいい」
「聞こえてるよ」
この会話、なんだか不思議だった。
慎二くん、さっき「かわいい」って言ったよね?
結月ちゃんは笑いながら「聞こえてたよ」と返した。
もしかして……付き合ってるのかな?
転校してきてまだ数日なのに、ふたりはすごく仲がいい。
「かわいい」って、彼氏が言う言葉だよね。友達に言うかな?
でも聞くのは怖かった。
「ねぇ、結月ちゃんって彼氏いる?」
気づけば口から出ていた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「ねぇ、結月ちゃんって彼氏いる?」
急に訊かれて驚いた。
もし「いるよ」って答えたら、数日後にはきっと、「結月ちゃん、彼氏いたんだね」や、「似合わない」、「慎二くんもちゃんと選ぼうよ」、「〇〇ちゃんの方がかわいいよね」とマイナスな言葉がクラスメイトの口から出てくるだろう。
そんな噂が流れるのが怖かった。
「誰?」って聞かれたら、どう答えればいい?
「慎二くん」って言ったら、またみんなの声が聞こえてきそうで。
だから、思わず嘘をついた。
「いないよ」
と。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「いないよ」
やっぱり誤解だったのかな。考えすぎかもしれない。
でも、なんだか嘘っぽい感じがした。
「あ、ゆ、結月か。おはよ」
結月ちゃんが転校してきて、まだ三日しか経っていないのに、どうして慎二くんとあんなに仲良くなれるんだろう。
あ、自己紹介が遅れたね。私は[漢字]久木元 莉音[/漢字][ふりがな]くきもと りおん[/ふりがな]。最近、結月ちゃんのことをこっそり観察している。
「気持ち悪い」なんて言わないで。違うの、ただ仲良くなりたいだけ。
「じゃあ話しかければいいじゃん」って? でもね、慎二くんと話してる時間が長すぎて、私には話すタイミングがないの。だから、つい観察しちゃうんだ。
そんなことを考えていると、結月ちゃんがふとこちらを振り向いた。目が合った瞬間、心臓がドキリと跳ねた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
最近、誰かに見られている気がして仕方がない。
「気のせいかな?」と思って振り返ると、目が合ったのは莉音ちゃんだった。
「まさか……」
彼女は照れくさそうに言った。
「あの……私、結月ちゃんのこと、こっそり見てて……転校してきてからずっと気になってて……仲良くなりたいな、って思ってて……もしよかったら、友達になりませんか?」
急な告白に驚きながらも、心の奥があたたかくなるのを感じた。
私、今までずっといじめられてきたから、「友達」という言葉はすごく特別だった。
「気にしてないよ。友達になろう!」と、自然に言葉が出て、彼女の手を握った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
そう、言うことにしたんだ。
あの時、目が合ったから。
「あの……私、結月ちゃんのこと、こっそり見てて……転校してきてから気になってて……仲良くなりたいな、って思ってて……もしよかったら友達になりませんか?」
言葉は詰まったけれど、勇気を出して伝えた。
結月ちゃんはにっこり笑って「気にしないよ。友達になろう!」と、握手を返してくれた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「こっち来て」
「え?」
私は莉音ちゃんを慎二くんのところに連れて行き、「今さっき友達になった莉音ちゃんでーす!」と元気に紹介した。
慎二くんは笑った。
「え? 笑うところ?」
「いや、友達になったところ見てたから」
「そっか」
私も笑った。
「……かわいい」
慎二くんが小声でつぶやいたのが、はっきり聞こえた。
「聞こえてるよ」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「……かわいい」
「聞こえてるよ」
この会話、なんだか不思議だった。
慎二くん、さっき「かわいい」って言ったよね?
結月ちゃんは笑いながら「聞こえてたよ」と返した。
もしかして……付き合ってるのかな?
転校してきてまだ数日なのに、ふたりはすごく仲がいい。
「かわいい」って、彼氏が言う言葉だよね。友達に言うかな?
でも聞くのは怖かった。
「ねぇ、結月ちゃんって彼氏いる?」
気づけば口から出ていた。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「ねぇ、結月ちゃんって彼氏いる?」
急に訊かれて驚いた。
もし「いるよ」って答えたら、数日後にはきっと、「結月ちゃん、彼氏いたんだね」や、「似合わない」、「慎二くんもちゃんと選ぼうよ」、「〇〇ちゃんの方がかわいいよね」とマイナスな言葉がクラスメイトの口から出てくるだろう。
そんな噂が流れるのが怖かった。
「誰?」って聞かれたら、どう答えればいい?
「慎二くん」って言ったら、またみんなの声が聞こえてきそうで。
だから、思わず嘘をついた。
「いないよ」
と。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「いないよ」
やっぱり誤解だったのかな。考えすぎかもしれない。
でも、なんだか嘘っぽい感じがした。
- 1.とまどい
- 2.なかよく
- 3.決断
- 4.本当に、ありがとう
- 5.もう一度、キミの居る世界へ──
- 6.無理しないでね、
- 7.嫌なこと、忘れよう
- 8.ちょっと、気まずいな
- 9.不安
- 10.キミの言葉で、元気でたよ
- 11.ごめんね
- 12.本当に?
- 13.こどもに、もどろうよ
- 14.悪い日? いい日?
- 15.楽しい旅行!
- 16.ふたりだけのひみつ、だよ?
- 17.たのしいね
- 18.奇遇だね、
- 19.なんだろう?
- 20.解決
- 21.ありがとう
- 22.新学期
- 23.たのしみ
- 24.めんどくさいな、
- 25.暴露
- 26.どきどき
- 27.体育祭
- 28.修学旅行
- 29.修学旅行②
- 30.もう、そんな時期か
- 31.え……?
- 32.奇跡
- 33.新しいともだち
- 34.なぜ?
- 35.めんどくさい。
- 36.そうだったんだね
- 37.わくわくっ!
- 38.うれしくて、はずかしくて
- 39.手とキミのくせ
- 40.思いがけない展開
- 41.衣装と、私
- 42.まほうの言葉
- 43.部活動
- 44.青春だね