「みんなは決まった?」
男子四人がそれぞれ答えた。「まだだよ」「俺も」と、意外にも選択肢が多くて決められない様子だった。
「私は決まった!」
「は、早っ! 何にするの?」
「抹茶のやつ」
私は店に入った時から、もう決めていた。
「俺はノーマルで」
「俺も」
「明は初めてだからノーマルにした方がいいんじゃないか?」
「確かに。じゃあ、俺もノーマルで」
「私は紅茶で」
「うーん、どうしよう。じゃあ私も紅茶で」
みんなそれぞれに決まり、外に出て飲み始めた。
「どう?」
「う、美味い」
「だろ?」
「抹茶、おいしい!」
「まじで⁉︎ 抹茶にすればよかったかな」
「え? どれ?」と慎二くんが私の飲み物を取った。二度目の間接キスだ。
「ちょっ、ちょっと!」
慎二くんは何も気にせずに飲み続けた。
「し、慎二くん⁉︎」
「おいしい」
「間接……キ……」
「大丈夫。俺たちは付き合ってるんだから」
その言葉に、少し恥ずかしくなったけれど、この瞬間が大切だと思った。私を〈人〉として見てくれる人が、今、目の前にいるんだ。
[漢字]三次元[/漢字][ふりがな]元の世界[/ふりがな]でも、こんな人がいればいいのにな、と思った。
「あっ! ここ、あのアプリに出てた写真映えスポットじゃん!」
そのアプリとは、イから始まりタで終わる、あのアプリのことだ。
「たしかに、よく出てくるよね」
「撮る?」
「じゃあ、私と由依ちゃん、結月ちゃんと慎二くん。淳司くんと光くんと明くん。これで大丈夫?」
「OK!」
シャッターが切られる音が響く。
「全員バージョンも撮ろうよ」
「思い出に残るからな」と慎二くんが付け足す。
こうして、一日目は終わり、夜が訪れた。次の日、二日目が始まる。
私たちの学校の修学旅行は一泊二日だ。他の学校に比べて短い。だから、今日は帰る日。座席は変わらず慎二くんの隣だ。
やっと学校に着いた。辺りはもう暗く、少しすると日が沈む時間だった。
「意外と楽しかったな」
「そうだね」
「やっぱ結月ちゃんのジュースを慎二くんが飲んだのが意外だったね」
「慎二ってそういうこと、好きなんだな」
「ち、違うってっ!」慎二くんは顔を真っ赤にしながら否定する。
私は微笑んだ。こうやって、みんなで楽しく過ごせることが嬉しかった。
「結月?」
「あ、うん……こんな時間がずっと続けばいいのになって思っただけ」
「きっと、続くよ」
慎二くんの言葉には、まるでこれから先に何かが待っているかのような確信が込められていた。
二度目の冬が訪れた。
もう、帰れなくてもいい。あんな世界に戻りたくないから。ずっと、ずっとこの世界に居たい。
歩きながら考えていると、後ろから慎二くんがやって来た。
「結月、おはよう」
私は思わずびっくりして、「お、おはよ……」と返す。
「結月、今日は元気がないみたいだな。何かあったのか?」
「え、いや、特に大したことじゃないから、大丈夫」
「ならいいけど……何かあったら俺に言えよ」
「ありがとう」私は微笑んだ。
慎二くんは顔を赤くしながら、言った。
「その笑顔……一番好き……」
「え?」
「いや、その……まあ、その笑顔が一番好きなんだって……」
「私も、慎二くんの笑顔、好きだよ」
「気まず……」
遠くから見ていた光と淳司が、そう呟いていた。
男子四人がそれぞれ答えた。「まだだよ」「俺も」と、意外にも選択肢が多くて決められない様子だった。
「私は決まった!」
「は、早っ! 何にするの?」
「抹茶のやつ」
私は店に入った時から、もう決めていた。
「俺はノーマルで」
「俺も」
「明は初めてだからノーマルにした方がいいんじゃないか?」
「確かに。じゃあ、俺もノーマルで」
「私は紅茶で」
「うーん、どうしよう。じゃあ私も紅茶で」
みんなそれぞれに決まり、外に出て飲み始めた。
「どう?」
「う、美味い」
「だろ?」
「抹茶、おいしい!」
「まじで⁉︎ 抹茶にすればよかったかな」
「え? どれ?」と慎二くんが私の飲み物を取った。二度目の間接キスだ。
「ちょっ、ちょっと!」
慎二くんは何も気にせずに飲み続けた。
「し、慎二くん⁉︎」
「おいしい」
「間接……キ……」
「大丈夫。俺たちは付き合ってるんだから」
その言葉に、少し恥ずかしくなったけれど、この瞬間が大切だと思った。私を〈人〉として見てくれる人が、今、目の前にいるんだ。
[漢字]三次元[/漢字][ふりがな]元の世界[/ふりがな]でも、こんな人がいればいいのにな、と思った。
「あっ! ここ、あのアプリに出てた写真映えスポットじゃん!」
そのアプリとは、イから始まりタで終わる、あのアプリのことだ。
「たしかに、よく出てくるよね」
「撮る?」
「じゃあ、私と由依ちゃん、結月ちゃんと慎二くん。淳司くんと光くんと明くん。これで大丈夫?」
「OK!」
シャッターが切られる音が響く。
「全員バージョンも撮ろうよ」
「思い出に残るからな」と慎二くんが付け足す。
こうして、一日目は終わり、夜が訪れた。次の日、二日目が始まる。
私たちの学校の修学旅行は一泊二日だ。他の学校に比べて短い。だから、今日は帰る日。座席は変わらず慎二くんの隣だ。
やっと学校に着いた。辺りはもう暗く、少しすると日が沈む時間だった。
「意外と楽しかったな」
「そうだね」
「やっぱ結月ちゃんのジュースを慎二くんが飲んだのが意外だったね」
「慎二ってそういうこと、好きなんだな」
「ち、違うってっ!」慎二くんは顔を真っ赤にしながら否定する。
私は微笑んだ。こうやって、みんなで楽しく過ごせることが嬉しかった。
「結月?」
「あ、うん……こんな時間がずっと続けばいいのになって思っただけ」
「きっと、続くよ」
慎二くんの言葉には、まるでこれから先に何かが待っているかのような確信が込められていた。
二度目の冬が訪れた。
もう、帰れなくてもいい。あんな世界に戻りたくないから。ずっと、ずっとこの世界に居たい。
歩きながら考えていると、後ろから慎二くんがやって来た。
「結月、おはよう」
私は思わずびっくりして、「お、おはよ……」と返す。
「結月、今日は元気がないみたいだな。何かあったのか?」
「え、いや、特に大したことじゃないから、大丈夫」
「ならいいけど……何かあったら俺に言えよ」
「ありがとう」私は微笑んだ。
慎二くんは顔を赤くしながら、言った。
「その笑顔……一番好き……」
「え?」
「いや、その……まあ、その笑顔が一番好きなんだって……」
「私も、慎二くんの笑顔、好きだよ」
「気まず……」
遠くから見ていた光と淳司が、そう呟いていた。
- 1.とまどい
- 2.なかよく
- 3.決断
- 4.本当に、ありがとう
- 5.もう一度、キミの居る世界へ──
- 6.無理しないでね、
- 7.嫌なこと、忘れよう
- 8.ちょっと、気まずいな
- 9.不安
- 10.キミの言葉で、元気でたよ
- 11.ごめんね
- 12.本当に?
- 13.こどもに、もどろうよ
- 14.悪い日? いい日?
- 15.楽しい旅行!
- 16.ふたりだけのひみつ、だよ?
- 17.たのしいね
- 18.奇遇だね、
- 19.なんだろう?
- 20.解決
- 21.ありがとう
- 22.新学期
- 23.たのしみ
- 24.めんどくさいな、
- 25.暴露
- 26.どきどき
- 27.体育祭
- 28.修学旅行
- 29.修学旅行②
- 30.もう、そんな時期か
- 31.え……?
- 32.奇跡
- 33.新しいともだち
- 34.なぜ?
- 35.めんどくさい。
- 36.そうだったんだね
- 37.わくわくっ!
- 38.うれしくて、はずかしくて
- 39.手とキミのくせ
- 40.思いがけない展開
- 41.衣装と、私
- 42.まほうの言葉
- 43.部活動
- 44.青春だね