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オタクは今日も恋をする

#12

本当に?

 鼻歌交じりで歌っていると「おはよ」と慎二くんに後ろから言われた。
「おはよう」
横並びで歩く。
すると、慎二くんは改まった顔をし、「あの、結月に話があるんだ」と言った。
何の事だろう、と心当たりを探った。
慎二くんは、ゆっくりと口を開け「結月は、もう、帰れないかもしれない」と悲しい顔をして言葉を区切りながら言った。
「え⁉︎ 帰れないなんて……」
嬉しい? 悲しい? 今はどっちの気持ちなのだろう。自分でも分からなかった。
元の世界に戻ったとしてもまたいじめられるだけだが、ここにずっといても大切な家族に会えない。
「行く前にネットで調べただろ? “帰れなくなる可能性がある”と」
本当だったんだ。帰れないっていうのは。
私はそれを一切信じず、無鉄砲にこの世界に来てしまった。
「うん。帰れないって書いてあったけど絶対嘘だって思って」
「そっか。たとえ戻れなくても俺がいるから。な?」と慎二くんが励ましてくれた。
私は一呼吸置き「だけど戻れなくてもいいかなって考えてる」と静かに言った。
「え?」
「だって、戻ってとしてもまたイジメられるから」
「……そっか」
気まずい時間が流れる中、タイミング良く雪が降ってきた。
「雪、降ってきたね」
「うん」
「積もるのかな? もし積もったら遊ぼう」
慎二くんは笑った。「結月って子供っぽい所あるんだな」
「そんなことないよ!」
今度は二人で笑った。

 案の定、雪は積もった。
「結構積もったな」
「そうだね。ねぇ、今日帰り空いてる?」
「空いてるけど、なんだ? 昨日のこと?」
「空いてるならいいや。何やるかは秘密」と私は口に人差し指を当てながら言った。
「寒いな」
「そう?私は……[小文字][小文字]慎二くんがいるから温かいけど。[/小文字][/小文字]」
最後は独り言のように、誰にも聞かれないように言った。
「聞こえてる」慎二くんはうっすら笑みを浮かべ、言った。
「えへへ」私も笑った。
嘘じゃない。本当なんだ。慎二くんといるとなんだか温かいような、落ち着くような感じがするんだ。
 休み時間、放課後何をするか考えていた。
「何しようかな。雪合戦、雪だるま、かまくら作り……んーどうしよう」やりたい事が沢山あって悩む。そう悩んでいると友達が来た。
「どうしたの? 悩みあるの? もしかして恋バナ?」
「うんん。違う。雪が積もったから何しようかなって考えてただけだよ」
友達はクスッと笑って「子供っぽい」と言った。
「言われたの二回目」私も笑いながら言った。
「二回目? 一回目は誰に?」
「友達だよ」
「ってか子供の頃、雪降った時何して遊んだの?」
「近所の子と雪だるま作ったりしたよ」
推しと雪だるまを作る……! 夢かよ……!
私は目をキラキラさせて考えた。
「どうしたの?」
「あっ、いや、何でもない」
私は手を早く振りながら隠した。

作者メッセージ

春休み制限きつい……
十時までなんですよ……
だからあと十分無い。
ーーー
遅くてすみません!!
出かけてました!!

2025/06/05 13:29

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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オタ恋推し二次元トリップ

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